高畠の赤おに、青おに
山形県の高畠ワイナリーに、『赤おに』と『青おに』というワインがあります。ちょっとユニークな名前ですよね。
赤おには、L'OGRE ROUGE。正式名称は、高畠マジェスティック ローグル・ルージュ 赤おに
赤おに
昨年、2021年、下記のアワードを受賞したワインです。
アワード
2021 DWWA(デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード)においてGOLD受賞
2021 IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)においてSILVER受賞
スペック
フルボディの赤ワイン
ブドウの種類: カベルネ・ソーヴィニョン81%、メルロー14%、プティ・ヴェルド5%
高畠町産のブドウです。
アルコール度数: 14%
フレンチオークの小樽で23か月熟成されています。
ノート
良い感じの樽香で、しつこさは無く、スッと飲めるんですが、キチンと熟成されています。
タンニンは多分強めだが、それほど感じない。メルローがうまくブレンドされていて、カベルネソーヴィニョンと絶妙のバランス。明るい華やかな香りと、甘やかさと苦味の良いバランスの取れた味わい。
料理との相性
私が実際に合わせた料理は、我が家風シャルキュトリー、シュークルート、イチヂクとカマンベールチーズ、湯豆腐、赤てん、我が家風サラダ、蕪の甘酢漬とピクルス。割と幅広い料理と良い相性。
販売価格: 3578円(税込)
青おに
青おには、L'OGRE BLUE。高畠マジェステック ローグル・ブルー 青おに
こちらもアワードを受賞しています。
アワード
2021 IWSC: Silver シルバー
ワインペアリングコンテスト2021 ラム(羊料理)部門で「日本ワイン賞」
スペック
フルボディの赤ワイン
メルロー73%、カベルネ・ソーヴィニョン22%、プティ・ヴェルド5%
高畠町産のブドウ
アルコール度数: 14%
こちらもフレンチオークの小樽で23ケ月の熟成。
ノート
良い感じの樽香で、タンニンは強めでしっかりとした骨格。バランスが良いので、タンニンはそれほど強く感じない。メルロー主体の明るい華やかな香りと、甘やかさと苦味の良いバランスの取れた味わい。
料理との相性
私が実際に合わせた料理は、ラムチョップ、若鶏のマスタード焼き、我が家風シャルキュトリー、冷奴と割と幅広い料理と良い相性。
販売価格: 3578円(税込)
両方飲んだの感想
赤おには、カベルネ・ソーヴィニョン主体ですが、青おにはメルロー主体。まるでボルドーの左岸と右岸のようです。両方ともに骨格のしっかりとした深みのある味わいのワインで、料理との相性も広く、多くの場面で活躍が期待できます。私はとても美味しく頂きました。どちらか一本と言われれば、青おにですね。メルローが好きなもので。
濃い赤ワインがお好きな人には、喜ばれると思います。
majestique マジェスティックプロジェクト
高畠ワイナリーさんでは、厳しい独自基準をもうけて、ブドウの契約栽培家と共に妥協のないブドウの栽培を行っていて、2013ヴィンテージから良いぶどうだけを小ロットで集め、質の高いワインを製造するというプロジェクト、mjestique マジェスティックプロジェクトをスタートさせています。その成果が、『赤おに』と『青おに』なんですね。
七草粥と人日の節句
昨日は七草粥を食べる日でしたね。1月7日は人日の節句。
人日の節句と言われても、何のこっちゃ?ですよね。人日は五節句の一つなんですが、重陽の節句も何のこっちゃその2ですが、他の三つはよく知っていると思います。
五節句
人日の節句 1月7日 七草粥
上巳の節句 3月3日 桃の節句(雛祭)
端午の節句 5月5日 今は子供の日
七夕の節句 7月7日 七夕まつり
重陽の節句 9月9日 菊の節句
人日の節句だけ、何で1月1日じゃないんだよ、と思いますよね。答えとしては、古来中国では、1月1日から6日までが動物(鶏、狗、豚、羊、牛、馬)の日で、1月7日を人の日としていたからです。どうしてそうなったかは、わかりませんでした。動物の日には対照の動物を殺さず、人の日は人を大切にする日という理由で刑罰を行わなかったそうです。この風習が平安時代の日本に入ってきました。
人の日→人を大切にする→無病息災を願う→身体に良い食事→七草粥
こんな流れだったんだと思います。
身体に良いものを合わせた食事が七草粥だったんでしょう。今は、1月7日は七草粥を食べる日になってしまっていますが、これすら忘れ去られてしまいそうです。本来なら旧暦。
七草粥には何を入れるんでしょうか。地域によって異なるようですが、基本型は、春の七草。餅や小豆を入れるところもあるようです。
春の七草
芹、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ほとけのざ、すずな、すずしろ
正直、芹とナズナぐらいしかわからん。ほとけのざってなんなんだろう?
『ナズナってぺんぺん草なんだよ。』ってけっこう言われた気がします。ぺんぺん草はポピュラーな草で、50年前には東京の新宿にもそこらに生えていました。
出典 白ごはん.com
https://www.sirogohan.com/sp/recipe/nanakusa/amp/
七草全ては手に入りずらかったりしますので、スーパーや八百屋で手に入る七草や青菜で対応されているようです。七草セットを売っているスーパーもあるみたいですね。我が家では、蕪の葉っぱですね。
正月からごちそうを食べて胃が重いんで、七草粥でも食べてスッキリしようという方々もいらっしゃると思いますが、ここは日本の伝統にのっとり、今年も1年、無病息災を願いましょう。
皆様の無病息災をお祈り致します。
今年もよろしくお願いします
師走や暮れが嫌いになった話
世の中、生きていると、色々と嫌なこともあるわけで、私の場合、とりわけ嫌なのは、『いついつまでに、何々しなくてはならない』と行動を強制されることなんです。子供の頃から、何々しろ、とか言われて育ってきたので、しまいには、自分で自分を強制するようになってしまう。
長じて仕事をするようになると、仕事にはいわゆるDue Dateというのが付きもので、毎日のように、『今日までにこの報告書を出さなくては。』なんてことが続くようになる。プライベートの生活では、でき得る限り、こういった強制から解放されたい。でも中々難しいのが現実で、飯も作れば、片付けものもする。宅配便の受け取りもあれば、トイレ掃除もする。先延ばしをすればするほど、強制力が増すわけで、生活者としては詰んできます。詰みたくはないので、ルーチン化してら一種の仕事のようにしつつ、そこはマイペースでこなしていくわけです。
この『なになにしなくちゃ』が多いのが、師走。12月。今月のように感じます。
掃除一つとってみても、大掃除として色々なところをバタバタする。曰く「今日中に窓のサッシを全部拭いてキレイにしなくてはならない。」なぞと言う。
出典 https://www.kango-roo.com/ki/image_987/
もっと嫌なことが、正月の準備。餅を買い、蕎麦を買い、かまぼこを買い、お節料理を作る。何故にふだんの食生活ではいけないのか。年賀状書き。まあ、最近はメールで楽になりましたが、年賀状関係がある。
またよせばよいのに、今年中に何々をしようとか考えてしまう。ふだんやらないことを企てる。要するに自分のペースでできないことが、いつの間にか積み上がるわけです。ルーチンの変更が余儀なくされてマイペースが崩されてしまうんですね。こうなるともういけません。精神のバランスを崩して、師走から正月という時分がだんだん嫌いになってきます。しまいには、12月がくると、いゃ〜な気分に。
嫌なことからは逃げるに限ります。数年前から、暮れから正月にかけては、旅行に出かけるようにしていて、最低限の掃除や片付けをして、出かけてしまいます。こうすると、少なくともお節料理の関係からは解放されます。そうすると、精神的にもだいぶ楽になります。
年をとってくると、精神的な耐性も下がってくるので、できるかぎり、自分を楽にしてあげることも大事です。時には無理を重ねるのも必要ですが、逃げてひと様に迷惑がかからないことからは、たまには逃げて、そうたまには自分自身を楽にしてあげるようにしています。
どっこいしょ、とかの掛け声
最近、歳を取ってきたせいか、椅子やベッドから立ち上がる時に声を出すようになってしまいました。いわゆる掛け声が必要なんですね。
『どっこいしょ』、『よっこいしょ』、『よいしょ』
とかの掛け声。
子供の頃、婆さまが、この『どっこいしょ』を言いながら立ち上がったりするのを見て、「ふん、ババくさい」と思ったりしたもんですが、まさか自分が言うはめになるとは。
この『どっこいしょ』という掛け声は、いったい何なんでしょうか。掛け声は、ジジババ臭いだけではなく、例えばテニスの試合では、ボールを打つときに声を出す選手が多いし、剣道の試合では、ギャァギャァ言っているわけですよ。気合いになるんですかね。人間、力を入れる場面では掛け声を出すと力が出るんでしょうか。
『どっこいしょ』を調べると、仏教の六根清浄からどうも来ているらしく、修業者が山歩きの時、この六根清浄を唱えたことから、どっこいしょやよっこいしょに転じた説が有力なようです。若い人でも案外椅子から立ち上がる時に、自宅では、掛け声をかけているという調査結果もあります。その調査によると、電車の椅子から立ち上がる場面では、恥ずかしいのか掛け声はほとんどの人がかけないそうです。
どっこいしょに限らず、なんらかの掛け声をかけることで、集中を促して力をより出すことができるようになるようですし、グダグダしている場面からの何かをしようと立ち上がる時なんかにも使いますよね。食事の後、お茶やコーヒーを飲みながら、立ち上がりたくなくてグダグダしていて、『さぁ、片付けてしまおう!』と掛け声をかけて動き出すことはあります。
掛け声と筋力の相関はあるんでしょうか。掛け声ありのほうが無しより、筋力が高かったという研究結果がありますので、やはり『どっこいしょ』は立ち上がるのに効果はあるようです。
ジジババ臭いと思うのではなく、あくまで、そうあくまで、気合いをを入れた掛け声で、筋力を増すのだと考えれば、よろしいのかと。
参考文献
「動作に伴うかけ声の分析」
米澤美沙
「シャウトによる筋力増強効果」
柳川和優・磨井祥夫
ローマでクリスマスに電車が運休
クリスマスシーズンですね。
クリスマスと言えば、個人的に思い出すのがローマでのクリスマス。何年か前、クリスマスをローマで過ごしたことかあるんです。
そのローマでの良かった話を一つ。
クリスマスイブだったかクリスマス当日だったか記憶が定かではないんですが、バチカンに行ってみようという話しに同行者となって、まず、サン・ピエトロ大聖堂を訪れ念願のピエタを見たりしました。ミケランジェロのピエタ、良かったです。マリア様がそれはそれはお美しい。その後、偶然にも、ヨハネ・パウロ2世のお姿を拝することができました。これはなかなか良い経験をしたと今でも思っています。
テヴェレ川の向こう側のトレステヴェレ地区へ
出典 https://visitaly.jp/region/lazio-roma/ イタリア政府観光局
しようもない話しもありまして、まあイタリア人らしいっちゃあイタリア人らしい話しなんですが。
クリスマス当日の朝、ホテルのコンシェルジュから、地下鉄が午後2時からクリスマス休みになって動かなくなるので、早めに戻った方が良いよと言われました。まあイタリアらしい話しだなと思いながらホテルを後にし、地下鉄でコロッセオとフォノロマーノ観光へ。一応早めに帰ろうと考え、正午前に地下鉄の駅に行ったところ、なんと、すでに運休になっていました。動いていない。
『ええっ、午後2時からじゃなかったんじゃないの!』
駅には駅員もいないんで、状況を聞くこともできない。他にも立ちすくんで、『どうしよう』と言っている人達が数組。すご〜く、イタリア人に騙された感満載で、何とかタクシーをつかまえて、ホテルに帰りました。
もしかして、そもそもホテルのコンシェルジュの午後2時の情報が間違っていたのか、ホテルに騙されたのかとも思いましたが、かなりの一流ホテルでしたので、それは無いなと思いながらも、むかっ腹はたっていたので、正午前には地下鉄は止まっていたと話したところ、ローマではそういうことはよくあるんだ、と言われました。
『イタリア人というか、ローマ人、しょうもない。』
それ以来、わたしはちょっとローマあたりの人々に偏見をもっています。
日本酒の酒造年度と新酒
ワインのヴィンテージのように、日本酒にも酒造年度というものがあります。酒造年度の表記に関しては義務ではないため、ラベルに表記があったりなかったりです。表記をしていても方法はバラついています。例えば、BY。BYは、Brewery Year(酒造年度)の略。01BYという表記や19BYという表記があり、01BYは、令和元年の醸造、19BYは2019年の醸造で、これは同じ年の醸造なんですね。その他、2021と西暦が書かれていたり、令和二年と和暦になっていたりします。要するに書き方自由。
表記方法はバラバラなんですが、酒造年度は酒税法で明確に決められています。日本酒の酒造年度は『7月1日から翌年の6月30日まで』。日本酒のBYは、もともと蔵元が国税庁に生産量の見込み申告をするために設けられたもので、ラベルへの表示義務はありません。税金、ですよね。
飲み手にとって、日本酒の酒造年度はあまり重要視されてきませんでした。日本酒は「新酒」をたのしむのが一般的だからです。酒造年度を表示する理由が無かったんですね。最近、BY表記がされている主な理由は、日本酒も熟成させるものがあるからなんです。
日本酒はほとんどが新酒で飲むわけなんですが、それでは新酒が最初に飲める時期はいつでしょうか。最初と書いたのは、今年の新米で造るので、11月に飲む酒も3月に飲む酒も新酒なんですね。なので、荒ばしりや中取りとかを表記するんですが、これはまた別途説明します。
新米はだいたい秋(9月から10月)に収穫されます。日本酒に使う米は、だいたいの場合、山田錦や五百万石のような酒米・酒造好適米を使いますが、これらも収穫時期は秋です。この新米を使って醸造するので、新酒というか最初の新酒か飲めるのはだいたい11月から新春でしょうか。最近は、温度管理などの技術が発達しているため、季節を問わず、年中日本酒を造っている蔵元もあります。
そう、これからの冬の時期が、日本酒はよりフレッシュな新酒(言い方が変ですが)が飲める時期なんです。冬は海鮮が美味しい時期ですし、鍋物も楽しい。今宵、日本酒で一献かたむけてはいかがでしょうか。
ワインのヴィンテージと飲み頃
ワインにはボジョレーヌーボーのように、今年2021年に収穫したブドウを使いワインを造って今年飲む新酒があるのは、日本でこれだけ売れているので皆さまご承知のことですが、ほとんどのワインは熟成を経て出荷されます。
例えば、今年2021年に収穫されたワインが市場に出てくるのは、早くて来年2022年秋以降になります。ワインショップを覗くと、今は2019年のものがデイリーワインには多いようです。
ブドウの収穫年をヴィンテージと言うんですが、「2016年のボルドーは、2010年以降最高のヴィンテージの1つ」のように使います。つまり地域ごとに天候は異なりますので、ある地域の今年の天候がブドウの生育に良かったのか悪かったのか、まあまあだったのかによって、その地域でその年造られるワインの良し悪しがほぼ決まるわけです。
値段が高いワインですと、飲み頃というものがあります。これはボトル内でも熟成が進み、それにより渋味がマイルドになったり、香りや味わいが複雑になったりするわけです。
面倒なのは、ワインを寝かせれば寝かせるほど良いわけではなく、最高潮に達した時点以降は、逆に酢のような香りが出てきて、ちょっと飲めないになってしまいます。
基本的には、赤ワインで、高いワインほど寝かせる期間が長く、安いワインは短いのが原則です。長いというのは、10年以上になります。
それじゃあ、いつ頃が飲み頃なのかを推測するんですが、ワインのプロでも難しいんです。ワインは開けてみなければわからないので、結果、早過ぎた、遅すぎたが生じます。
例えば2003年のシャトームートンロスチャイルドというボルドーの高い赤ワインがあるんですが、プロでも推測が分かれていて、しかも飲み頃の期間が長い。
ロバート・パーカーは、2014年~2029年
ジャンシス・ロビンソンは、2010年~2023年
2人が被っている期間は、2014年〜2023年。これで最高潮の期間が約10年。まあ実際10年あれば、だいたいその期間内に飲めますね。
このシャトームートンで最長がロバート・パーカーの26年後ですので、よく子供が生まれた年にワインを買って、その子が20歳ななったお祝いに開けて飲もうなんてことをする人がいらっしゃるんですが、、かなりレベルの高いワインでないともちませんね。
まあ、私たちの飲んでいるワインは、こういう心配の無いワインばっかりなんですが、一万円前後のワインになってくると、やはり飲み頃は気にします。
私は個人的には、一万円以下の赤ワインの場合、比較的早飲みが好きなんで、今はボルドーのもので、2015年前後を多く飲んでいます。
日本のクラシックホテル
先のブログでも書きましたが、日本にもクラシックホテルというジャンルが存在します。Japan Classic Hotel Association (http://www.jcha.jp/)、クラシックホテルの会なるものがあり、現在、9つのホテルが加盟しています。
日光金谷ホテル
富士屋ホテル(箱根)
万平ホテル(軽井沢)
奈良ホテル
東京ステーションホテル
ホテルニューグランド(横浜)
蒲郡クラシックホテル
雲仙観光ホテル
川奈ホテル
どうですか? お泊まりになったホテルや食事を召し上がったことのあるホテルはありますでしょうか?
日本クラシックホテルの会の加盟条件は、第二次世界大戦以前に建てられ、その建物を維持(改修、復原を含む)、文化財や産業遺産などの認定を受けているなどになっています。
少ないながらも、いくつかのホテルには泊まったことがあり、いくつかのホテルでは食事をしたことがありますが、共通点は気持ちが落ち着く心地良い空間が提供されていること。外観や内装がレトロで明治や大正期の日本に想いを馳せることができます。
クラシックホテルは、それこそクラス、つまり階級があった時代に、上級階級の限られた人達のみが利用できたホテルなんですね。今は、金さえ払えば誰でも泊まれますし、食事の利用もできます。当時の上流階級のみが利用していたスノビーさや贅沢さを味わえ、一種の自己満足ができる仕掛けになっているわけです。
端的に言えば、『私って、こんなリッチなホテルに泊まっているのよ。どうだ皆さんすごいでしょ。』と、根拠のない満足感に浸れるわけです。
この根拠のない満足感、自己満足ですから根拠なんて元々ないんですが、悪くはないと思うんですね。だって辛い日常生活をいっとき忘れることができますからね。
奈良ホテル
多くの方々がいらっしゃれるということは、なかには場違いな方々もいらっしゃるわけです。実際、ダイニングルームで、バシャバシャとフラッシュをたいて写真を撮る輩とか、大声で喋りたくる輩。ロビーで徒党を組んでいる。通行妨害をしているのもわからず廊下の真ん中でおしゃべりしている輩を見ました。さすがにダイニングルームでのカメラバシャバシャは、ホテルの人に言い、注意をして頂きました。
この際、品の無さには目をつぶるとしても、他人に迷惑をかけるレベルの方はお引き取り願いたいと思います。これはクラシックホテルに限ったことではありません。おっと、いつのまにかグチになりましたね。すみません。
クラシックホテルは、ロマンチックに明治期の良い面に想いを馳せることのできる素敵な空間ですし、建築物としてもなかなかに重要だと思います。
機能的なホテルや海外のラグジュアリーホテルも良いですが、たまにはクラシックホテル、いかがでしょうか。
シャケで年取り魚
東京っ子は、鮭を『シャケ』と発音するわけで、『サケ』とは言いません。シャケのおにぎり、シャケ茶漬け。まあ『サケ』と発音できないとも言われていますが。今回は、その『シャケ』の話です。ここでは「鮭」と表記します。
鮭は秋から冬にかけての味覚。東京の朝ご飯の定番メンバーなんですが、関西方面では鰤(ブリ)ですね。
シャケの切り身
出典 https://delishkitchen.tv/articles/625
鮭と鰤といえば、年取り魚という風習をご存知でしょうか。
年取り魚。あまり聞き慣れませんね。年取り魚は日本の風習でして、古来、新年を迎える準備の一貫で、大晦日にごちそうとして、年取り魚という魚を用意する風習がありました。海に囲まれた日本では、やはりごちそうは魚だったんでしょう。この年取り魚が、だいたい東日本では鮭、西日本では鰤なんです。
何故、鮭や鰤が年取り魚の定番になったかというと、鮭も鰤も大型の魚なので、見た目がゴージャス。縁起物ですからゴージャスは大事だったんでしょうね。また塩蔵すれば長期保存が可能で、内陸の地域にも輸送が可能だったことがあります。
年取り魚は地域によって、別の魚も使われます。青森では鱈だそうですし。鮭や鰤は、概ねであって、年取り魚には地域でバリエーションがあるようです。
奈良ホテル クラシックホテル
日本にはクラシックホテルというジャンルがありまして、クラシックホテル好きにカテゴライズされる人々も存在しています。かくいう私めも3分の1歩ぐらい、そのカテゴリーに足を踏み入れているわけです。
奈良市に建つ奈良ホテルも、代表的なクラシックホテルで、その宿泊者は、皇族の方々、アインシュタインやヘレンケラーなどの超一流の方々でした。開業は、明治42年(1909)10月17日。112年の歴史があります。
奈良ホテルには一度泊まってみたかったんですが、今回ご縁があり、本館のトラディッショナルルームに3泊しました。
部屋の大きさは、31.5㎡。ツインのタイプでした。もちろん禁煙ルーム。
部屋のドアを開けると、すぐにベッドがあり、奥に写真のようにテーブルと椅子があります。部屋は十分に広く、レトロなデザインには落ち着きました。
バスルームとトイレは、私の部屋の場合、部屋に入って左側にありました。バスとトイレは独立しています。
バスルームはリノベしてあり、割と使いやすかった。シャワーの水量はまあまあ、温度調整は難しい。
今では珍しいのかな、鏡台というか、昔、子供の頃、自宅にあったような三面鏡がありました。ちょっと懐かしかったですね。
昔はきっと火が明々と、暖炉。
朝ごは〜んは、名物の茶粥定食を。
かなり豪華な朝ご飯でした。
最後に、奈良ホテルのすぐ近くにある、名勝大乗院庭園のご紹介。散歩に最適な庭園でピクニックをしたくなります。奈良ホテルから、階段をかなり下りますので、足腰の弱い方は注意が必要です。
葛もちと久寿もち
私の好きな和菓子に、葛もちがあるんですが、このくずもちという和菓子、2種類あるのをご存知でしょうか。発音は、同じ『くずもち』なんですが、くずの漢字が異なります。
「葛もち」と 「久寿もち」
どちらも黒蜜やきな粉をかけて食べる点は共通していますが、原材料と発祥地が違います。
葛もちは、関西圏の発祥で原材料は、本葛粉です。奈良では、プレミアな吉野葛粉100%で作られているものが代表的。この本葛粉、希少でかなりお高い。それで最近は、さつまいものデンプンなんかを使った葛もちも増えていますので、注意が必要です。写真は、奈良咲久良さんの葛切り。もちろん吉野葛100%で作られています。色は透明。
対して「久寿もち」は、お江戸の発祥で、江戸時代の後期頃から久寿もちと呼ばれるようになったようです。舟和が有名。原材料は小麦で色は白色。
出典 舟和 https://funawa.jp/shop/item_list?category_id=66322
どちらの『くずもち』も日本の伝統的な和菓子です。私は好きで割と良く食べます。特に吉野葛の葛切りや葛もちは美味しいです。皆さまもよろしければ。
冬隣り
『冬隣り』という言葉があります。隣りはもう冬、つまりもうすぐ冬が来る季節に自分はいるんだなぁ。寒い冬に備えなきゃ、というような意味合いで使います。割と便利な言葉ですね。冬はまだ来ていないわけで、晩秋の感じ。俳句の季語にもなっていて秋というか晩秋の季語です。立冬のちょっと前。
個人的には、そこの角を曲がったら冬な感じです。
発音は、「ふゆとなり」、「ふゆどなり」。
和歌・短歌の世界で、秋は、もの思う季節のようです。私はもの思ってんだよ、的な歌が多い。また、『三夕』(さんせき)と称される「秋の夕暮」で終わる歌があるように、夕暮れとも相性が良さそうです。秋の夕暮れは寂しいですね。
西行の歌に、
心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮
がありますが、意味は、
出家して、あまり趣がわからない自分にも、秋の夕暮れの寂しさは感じられます
西行の観ている自然と心がわかります。
もう一つ、藤原定家の
見わたせば 花ももみぢも なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮
これも寂しい。
最後に、私の好きな歌
秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の 影のさやけさ
藤原(左京大夫)顕輔の作なんで、古今和歌集。小倉百人一首にも選ばれているので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。私個人は、晩秋の静かな夜が実感できる歌です。『さやけさ』が何とも言えない詩情をくすぐります。
出典
https://www.100nin-isshu.com/79-akika/
お江戸の禁煙令
お江戸の華は、『火事と喧嘩』なんてことを言うわけなんですが、喧嘩はさておき、火事はいけません。木と紙の家では、もうどうにもならない。全てが灰燼に帰してしまいます。華と言ったのは、きっと江戸っ子の強がりでしょう。
江戸時代の火事の原因の1番は、煙草の火の不始末だったようです。この時分の煙草は今のような紙巻きタバコではなく、煙管に煙草の葉を詰め、火をつけて吸う形のものでした
徳川家康が大御所として駿府城に君臨していた時分、駿府城内で出火が起こり城の一部が焼失するという事件が起こります。原因は、大阪方の間者の放火説もありますが、やはり煙草の火の不始末だったようです。根拠は、怒った家康が禁煙令を出したからです。
さてこの禁煙令。最初の禁煙令が出されたのが慶長14年(1609年)で、その後元和9年(1623年)までかなりの頻度で禁煙令どころか煙草の葉の栽培禁止まで出されています。理由は、火事の防止のほかにも奢侈禁止、たばこ栽培農家の増加でコメの生産高に影響が及ぶことを防止するためや、反社会勢力がトレードマークにしていたので、それを取り締まるためだったようです。
この禁煙令は財産没収などのペナルティが課されたものの、ほとんど効果は無かったようです。町民だけならまだしも武家も好んでプカプカ吸っていたようですし。
結局は、寛永から慶安にかけて、喫煙が許可されていきます。そうなると各藩は雲上金、いわゆる税金を課していきました。
こうみてくると、やはり煙草は常習性のある嗜好品ですね。
最後になりますが、ワインとタバコは相性が悪いです。タバコの匂いはワインの香りの邪魔にしかならないのです。
ジビエでワインを
日本の場合、狩猟解禁シーズンというのが定められていて、それは毎年11月15日から翌年の2月15日なんです。
狩猟ですから狩るのは野生の鳥獣。地域差もありますが、シカ、イノシシ、クマ、カモなどが代表的ですね。これらをフランス語でジビエ(gibier)と言います。ジビエ料理です。個人的にはエゾシカの赤身肉がとても好きで、楽しみなシーズンです。
日本でも猪鍋や鴨は昔からよく食べられていました。合わせたのは日本酒や焼酎でしょうね。鴨鍋つつきながら熱燗やぬる燗は今も昔も変わらないように思います。
さて、ジビエ料理。フランス料理になりますので、だいたいワインを合わせます。ジビエ料理にはどういったワインが合うのでしょうか。
私が過去食べたことのあるジビエ料理は、
鹿肉のステーキ
イノシシ肉のラグー、コンフィ
鴨肉のロティ、コンフィ
まず鹿肉ですが、真っ赤な肉なので、やはりフルボディの赤ワイン。ナパバレー産のカベルネソービニヨンやオーストラリアのシラーズなどが合いました。
鹿肉に限らず、赤身肉には、基本的にはフルボディのしっかりとした濃い赤ワインで、スパイシーな感じを合わせたい場合はシラーやシラーズが良いかなと思います。
イノシシ肉ですね。私はイノシシ肉のラグーをフィレンツェで食べたのですが、合わせたのは当たり前なんですが、トスカーナ州ですのでキャンティクラシコ。ブドウ品種はサンジョベーゼですね。これは流石に合いました。コンフィには、サンジョベーゼやテンプラリーニョ、タナなんかも合うと思います。
案外難しいのが鴨肉。私のおススメはエレガントな赤ワイン、ピノノワール。ブルゴーニュのものも良いのですが、個人的には、オレゴン州ウィラメットバレーかオーストラリア、ニュージーランドが良いかと思います。
冬は寒いですけど、ジビエ料理の楽しみがありますし、日本の場合は蟹や寒鰤などの海鮮も美味しい季節です。ワインや日本酒と合わせて楽しみましょう。