ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

バッカスはワインの神様なのだ

    バッカスという名前の神様がいるでしょ。ローマ神話に出てくる酒の神様。実はこの酒はワインなんですよ、つまりバッカスはワインの神様。バッカスには大酒飲みで酒乱ぎみの神様のイメージが私にはあったんで、ウイスキーバカ飲み系の酒の神様かなと思ってました。ワインと大酒飲みはチョット合わないと思うのは私だけですか。ウイスキー飲んでクダ巻いては合うかなと(笑)バッカスは、英語でBacchusと書きます。発音はバックスに近いです。

f:id:nwawinescom:20190903001438j:imageCaravaggio Bacchus, ca. 1595 Uffizi Firenze

    これはカラバァッジオのバッカス。カラバァッジオは、16世紀後半のイタリアの芸術家です。絵の左下、カラフに入っているのはきっと赤ワインですよ。

    バッカスはローマ神話の神様なんですが、元を辿ればギリシャ神話のディオニュソスなんですね。ディオニュソスの別名がバッカスだったんだそうです。ローマ神話はギリシャ神話のひとつのバージョンのようなものですから、こういう事が起きます。おんなじ名前の神様もいますしね。ディオニュソスはゼウスの妾の子供だったんで正妻に嫌われて放逐されてしまいます。各地を放浪のしている時に、葡萄の栽培方法とワイン造りの技術を身につけました。その後、どんどん力をつけていきました。

    バッカスとディオニュソスは、同じ神様です。ここではバッカスと呼ばせて頂きます。

    バッカスは、豊穣と酒と狂乱の神様と言われています。豊かな実りがあって、美味いワインもある。飲めや歌えで乱痴気騒ぎです。こういうのを古代中国では酒池肉林と言うんです。

    神話ではなく現実として、古代ギリシャにワイン造りを伝えたのはフェニキア人で、紀元前2000年頃だそうです。その後、ローマ帝国の支配下になり、ワインはローマ帝国へと伝播していきました。現在でも、エーゲ海の島々をはじめとしたギリシャ各地でワインら造られています。

    ワインの神様は、ディオニュソス、バッカス。ワインを飲むとき、バッカスに乾杯してはいかがですか。