ワインの栓と開け方
ワインって、栓が閉まっているわけですよ、、当たり前なんですけどね。
自宅でワインを飲む場合、誰かが何らかの方法で栓を開ける必要があります。今回は、ワインの栓の話で、次回が開ける話です。
ふたつの酸化
ワインは、空気に触れると酸化を起こして、放置しておくと、味わいが劣化してしまいます。この場合の酸化は、多量の酸素に比較的短期間触れることで起きる急激な酸化です。この酸化を防ぐための栓です。
同じ酸化でも、ワインの醸造や熟成のプロセスで、微量の酸素に長期間触れさせることもあります。木樽熟成がそうですね。木樽は当然、微量の酸素を通しますので、それを利用するわけです。
同じ酸化なんですが、ワインに与える影響は別物になります。
ワインの栓
ワインの栓の種類を見てみましょう。大まかに3種類に分かれます。
○コルク栓
天然コルク
圧搾コルク
合成コルク
○スクリューキャップ
○ガラス栓
天然コルク
天然コルクは、地中海原産のコルク樫(学名Quercus Siberia )という樹の表皮のコルク層を加工したもので、最大の生産地はポルトガルで、次いでスペインになります。上質なコルクを得る為には、コルク層が育つのを10年以上待つようです。
圧搾コルク
天然コルクに使った残りを、こなごなにして、それを固めたもの。
合成コルク
プラスチックを使います。
スクリューキャップ
スクリューキャップは、ニュージーランド、オーストラリアで多く採用されています。キャップを回して開けるので、ワインオープナーなどの道具は必要ありません。
ガラス栓
ガラスでできた栓です。開け閉めが簡単にできます。ワインオープナーなどの道具を使わずに開けられるので、最近、人気が出てきました。ドイツで普及し始めています。
どの栓が良いか?
最近は、スクリューキャップに安物感を覚える人は少なくなりましたが、以前は(今でも?)、高級ワイン=天然コルクを使用、と思っている人達が多かった。確かに、機械を導入すれば、一本あたりの『栓』のコストは、スクリューキャップは低くなりますので、安いワインにまず使われたのが理由でしょう。
今では、ニュージーランドやオーストラリアのワインのほとんどがスクリューキャップになっています。
私は、個人的にはスクリューキャップないしはガラス栓の使用が合理的だと思います。理由は、
1 天然コルクでたまにある『ブショネ』が生じない(ブショネとは、TCRという物質がコルクに発生し、ボトル内のワインの品質が劣化する現象のこと)。
2 簡単に開けられる。道具が要らない。
3 ワインを飲み残した場合、キャップを閉めれば、数日は楽しめる。
フランス、イタリアやスペインでは、まだほとんどがコルクです。ゆるやかにスクリューキャップないしはガラス栓に移行していくのではないかなぁと思っています。