ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

柿の葉寿司たなか奈良本店

 昨年の奈良市への出張の折、奈良でランチを食べようとすると、やはり柿の葉寿司は外せないだろうと考えていて、近鉄奈良駅を降りて少し歩いたら、『柿の葉寿司のたなか』が目に飛び込んできたので、空いているか尋ねると、テーブルが一つ空いていると言うので、そのまま入りました。柿の葉寿司の売り場があり、うなぎの寝床のような店内を奥に進むと、こじんまりとしたレストランエリアがありました。

 

柿の葉寿司

 柿の葉寿司たなか奈良本店。

 下の写真のセットメニューがありましたので、お願いしました。単品で頼むより、お得なようです。鯖、ベニトロ、あなご、太巻きにお吸い物が付いています。

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 思っていたより、というのは失礼なんですが、思っていたよりかなり美味しい。これまで、柿の葉寿司と言えば、せいぜい駅弁がわりに買う程度でした。なので、そこから味を想像していたら、レベルが違いました。一気にファンになりました。

 

 柿の葉寿司は、奈良の南西部、五條が発祥の地。五條と言えば、柿の名産地ですね。それで柿の葉の利用を考えついたんですかね。なんと200年の歴史があるそうです。奈良の食文化ですね。

 

 昔は、当たり前ですが、今のように冷蔵技術も車などによる物流も無かったわけで、そういう環境下で、魚は貴重なタンパク源です。日持ちがしないので、魚を塩でしめて、乾燥を防ぐために柿の葉で包んで、重石で余分な空気を抜いて発酵をさせます。昔の人の知恵ですね。

 

 柿の葉にはビタミンCが豊富に含まれており、ワインでお馴染みのポリフェノールの一種のタンニンも多い。抗菌・抗酸化作用に優れています。これは現代の知識ですが、200年前も、キチンと柿の葉は身体に良いとわかっていたんでしょうね。

 

 柿の葉寿司は、お祭りの時など、『ハレ』の日の食べ物なんですね。