ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

黄龍玉液と湖南料理

  湖南料理というカテゴリーが中国料理にはあって、わたし個人的には最も好きな料理の一つ。長く香港の洞庭樓という店を気に入っていたんですが、閉業してしまった。同じく気に入っている台北の彭園台北館は、営業していると思うが、残念ながら今は行けない。

 湖南と書いて、「フーナン」と発音する。湖南という地域はどこにあるかと言うと、湖南省は中華人民共和国の比較的南中から南東に位置していて、南は広東省と接する。ちなみに日本には湖南(コナン)市が滋賀県にありますが、特に湖南省の都市とは、姉妹都市などの友好関係は無いようですね。湖南省都は長沙市。洞庭湖という大きな湖とその湖に注ぐ湘江という大きな川が流れている。

 湖南料理は「湘菜」と呼ばれ、中国八大料理の一つに数えられている。そんでは、中国八大料理とは他に何があるかというと、

  浙菜、蘇菜、湘菜、川菜、闽菜、粤菜、徽菜、鲁菜

 湖南料理は辛い料理。四川料理より辛いとも言われているんですが、四川料理に比べてると酸味が強くて塩辛さがある。唐辛子をいっぱい使うのは同じですね。湘菜の歴史は長く、漢の時代から既に一つの料理体系が形成されていたらしい。

 代表的な料理は、

 左宗棠鶏

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 富貴火腿 - 蜜煮ハムのパン挟み

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出典 2点ともにhttps://www.pengyuan.com.tw/mobile/branch_dishes_detail/1/1

 

 気に入っていたと書いた「洞庭樓」。かなり以前のことなんですが、「黄龍玉液」という酒が飲めで、頼むと買うこともできた。たいして高いものでは無かったが、珍しい酒だった。今では、飲むことはできない。調べても売っていないし。「酒を探して湖南省」でもすれば、見つけることもできるのかもしれないが。

 味の記憶をたどると、多分紹興酒の一種だとは思うんだが、今となっては得体が知れない。黄龍の龍玉の酒ですからね。なんか身体に効きそうな気がした。わたし的には縁起物的な扱いかな。

 幻の酒やなかなか飲めない酒を探すのは好きなんで、出かけた先では色々と調べる。以前のブログに書いた沖縄のワイン「涙」もそうした好奇心の賜物だ。この幻の酒やなかなか飲めない酒は、金を払えば飲める高い酒ではなく、あくまで見つけることが難しい酒。

 私は、こうした見つけたい酒のリストを作っていて、実際に見つけるというか出会えて飲めると幸せを感じる。