ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

胆石は嫌になるほど痛い

 十年ほど前のある日、突然お腹と背中が痛み出して、我慢ができなくなり、友人の医師のところにかかった。とにかく死ぬほどの痛みで、まさに七転八倒とはこのことかと。エコーをしたりCTを撮ったりした結果、胆嚢結石との診断。紹介してもらった大学病院で、胆嚢摘出手術をうけました。人生で手術はこれが最初で、できれば最後になって欲しいと思っています。

 胆石というのは、年がら年中痛いわけではなく、一定の周期で激痛に襲われるわけです。少なくとも私の場合はそうでした。最初の頃は、3日に一回ぐらいの痛みで、だんだん間隔が縮まってきて、1日に数回痛みがあるようになりました。痛みがない時はなんとも無いわけですが、激痛が来ると、『なんでもいいから、早くなんとかしてくれ』と。もし札束持ってたら、痛みを取り去ってくれた人に全部差し上げてもいいぐらい痛い。痛みがあると鎮痛剤を飲むか、病院にいれば点滴で入れるかなんですが、鎮痛剤では完全に痛みは取れなくて、痛みを取る為には、できた石を取り除くしか方法が無いんですね。尿管結石などの場合は、尿とともに出たり、超音波で破砕したりする方法があるらしいんですが、胆嚢結石の場合は、胆嚢癌の怖れもあるので、胆嚢ごと摘出するしかないんです。

 さて手術です。胆嚢摘出手術は、内視鏡手術で、胆嚢ごと摘出します。摘出した胆嚢は、生検にまわして癌があるかどうかを調べます。私の場合、幸いに癌にはなっていませんでした。良かった。

 内視鏡手術ですから、どうも日帰りでやる病院もあるらしいのですが、私がかかった病院は入院が必要で、手術予定日の1日前に入院しました。昼過ぎに入院して、ベッドでゴロゴロしていたら、担当の外科医の診察と手術の説明があってしんみょうに聞きました。その後、麻酔科の担当医から麻酔関連の説明を受けて、同意書にサインをしました。この麻酔科の担当医は女医さんで、なかなかの美人さんでした。良かった。

 この内視鏡手術、全身麻酔なんですね。始めてで、ビビりましたねぇ。意識が無くなるわけでしょ。無事に生還できるか、などと悪い方向に考える。心配していることを、麻酔科の担当医に告げると、手術中は彼女がついて麻酔の量をちゃんとコントロールしていくので、何も心配はいらないと説明してくれました。最後には、『大丈夫ですよ!』と背中を押してくれました。

 ストレッチャーに寝かされ、手術室に入り、手術用のベッドに移動して、麻酔がかけられ、『眠らないぞ』との決意も虚しく、吸い込まれるように寝てしまったようです。

 名前が呼ばれて、目が覚めると、手術は終わっていました。麻酔のかかった私には一瞬でしたが、丁寧に手術してくれたそうです。病室に戻されると、男性器から入れられたカテーテルに違和感がありました。そう大事なところに管が入っているんですよ。看護師にそう言うと、座薬の痛み止めを入れられ、暫くすると違和感は無くなり、また寝入ってしまったようです。翌日にはカテーテルが引っこ抜かれて、ふと考えたら、痛みも無くなっていました。

 胆嚢が無くなると、どうなるかなんですが、胆汁が供給されなくなるので、食事の油の量が多いとお腹をこわします。私の場合、冷めた油は特にダメですね。揚げて時間の経ったメンチカツやコロッケ、カレーパンなんかは食べるのに勇気が必要です(笑)。

 何が胆石をこしらえるか、つまり胆嚢結石の危険因子は、肥満、高コレステロール食、運動不足なんだそうですが、逆に低タンパク質食も危険因子なんだそうです。まあ、リスクはできるだけ減らしておいた方が良いと思います。なんといっても、胆石イコール激痛ですので。