ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

キャンティとキャンティクラシコ

 今回は、キャンティというイタリアのトスカーナ州のワインの話なんですが、キャンティと名の付くワインは、キャンティとキャンティクラシコの2種類があって、今回、私がお伝えしたいことは、名前はキャンティと付いていますが、キャンティとキャンティクラシコは別物だということです。ワインとしての個人的なおススメは、キャンティクラシコになります。

 キャンティって、昔、日本ではイタリアワインの代名詞だった時代もあったようで、東京の六本木のはずれの飯倉片町にキャンティというちょっと有名なイタリアンレストランもあったりして、それなりに有名なワインです。

 キャンティは、イタリア、トスカーナ州で造られている赤ワイン。イタリアにはD.O.C.Gという統制保証付き原産地呼称ワインという、フランスでいうところのAOCと同じような品質等級分類がありまして、D.O.C.Gはイタリアワインのトップに位置します。このD.O.C.Gに認定されている地域は、キャンティとキャンティクラシコの2地域があるんです。つまりキャンティクラシコ地区とキャンティ地区は異なるわけです。

 もともとはキャンティのみだったんですが、このキャンティ地区は、ものスゴ〜ク広い地域で、玉石混交。安物から高品質なものまであり、値段の開きも大きい。(D.O.C.Gなのに)

 こういった状況に業をにやした33の生産者たちが自分たちのワインを守るべく、1924年に品質保護協会(キャンティ・クラシコ協会)を設立したのです。 この頃から、キャンティ・クラシコのシンボル「ガッロ・ネーロ(黒い雄鶏)」のマークが使われるようになったようです。

 この品質の高いキャンティワインを造っていたキャンティワインの老舗達は、「私達、厳しい基準でワイン造ってるんだから、一緒にしないで。」と言うことで、キャンティクラシコとして1996年に独立したんですね。D.O.C.Gキャンティクラシコは、より限定された地域です。

 こういった事情からもわかるように、高品質なのはキャンティクラシコ。キャンティも良いワインはあるんですが、何しろ色々あって、玉石混交の中から見分けるのは難しい。なので、キャンティクラシコを買った方が無難なんです。

 キャンティもキャンティクラシコも、ブドウの品種はサンジョベーゼが主体なのは同じなんですが、基準が違います。

キャンティ

サンジョベーゼが70~100%、補助品種は1品種15%まで、白ブドウも10%まで認められています。

 

キャンティクラシコ

サンジョベーゼが80~100%、補助品種は、国際品種のみで、20%まで認められています。サンジョベーゼの含有率だけではなく、キャンティクラシコの熟成期間は最短11か月の樽熟成などの規定もあり、また規定以外にも木樽の使用やトリアージュ(選果)など高品質のキャンティクラシコを造る努力や試みが行われています。キャンティクラシコの価格は、2千円台後半からになると思います。

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キャンティクラシコリゼルバ

上記の写真は、キャンティクラシコリゼルバなんですが、これは熟成期間が24か月の樽熟成となっており、より高い品質のワインです。価格は、少し高めで、だいたい3千円台からになると思います。

  

 キャンティクラシコもキャンティクラシコリゼルバも価格は少し高くなりますが、その価値はあると思いますので、おススメします。