ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

プリミティーヴォとジンファンデル

 今夜飲んだワインは、ワシントン州のチャールズスミスワイナリーのCASA SMITHシリーズ、プリミティーヴォ(Primitivo)でした。

 プリミティーボ、あまり馴染みは無いですか。このプリミティーヴォ、カリフォルニア州ではジンファンデルと呼ばれています。カリフォルニアワインがお好きな方には、「あぁ、あれか。」という程度にはジンファンデルは有名です。

 ワシントン州でも多分ジンファンデルの方が通りが良いと思うんですが、チャールズスミスは、イタリアンインスパイヤード(Italian Inspired)と裏面に書いてありますので、わざとプリミティーヴォと表記しているんでしょう。

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 確かに、プリミティーヴォという赤ワイン用のブドウ品種のワイン造りは、イタリアのプーリア州が有名です。

 イタリアは、よくブーツの形に例えられるんですが、プーリアは、ブーツの踵の部分にあたる南部の州です。州都はバーリ(Bari)。

 

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出典 イタリア政府観光局 https://visitaly.jp/region/puglia/

 

 世界遺産も、白い漆喰塗りの壁に円錐形のとんがり屋根の家々、トゥルッリがあるアルベロベッロがあります。

 

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出典 イタリア政府観光局 https://visitaly.jp/unesco/trulli-di-alberobello/

 

 プーリア州は地中海性気候。夏は暑くて、冬は温暖な気候です。オリーブ、オリーブオイルが有名で、量においてもイタリア国内生産一位を誇っています。豊かで乾燥した土地はワイン生産に適しています。プーリア州ワイン街道と言われて、ワイナリーが多くあります。

 

プーリア州のブドウの品種

 

プリミティーヴォ

 やはり南のワインなので濃い赤ワインになります。果実味が豊か。スムースな飲み口。渋味や酸味は穏やかなので、ワイン初心者にも比較的飲みやすいと思います。

 原産地はクロアチア。2000年以上前にアドリア海を渡りイタリアに。19世紀にイタリアからハンガリーを経てアメリカに。プリミティーヴォとジンファンデルはDNA鑑定により同種ということが判明しています。

 

ネーロ・デ・トロイア

 プーリア州の土着品種の黒ブドウ。タンニンが穏やかで果実味豊か。個人的な見解ですが、品質がまちまちなので選ぶのが難しい。

 

ヴェルデーカ

 やはりプーリア州の土着品種。白ワイン用のブドウです。柑橘系の香りの爽やかなワイン。

 

 今回は、アメリカワシントン州のワインからイタリアプーリア州のワインの話になりました。イタリアは、20州すべてでワインが生産されています。フランスの原産地呼称AOCにあたるDOCGやDOCも多い。北部のヴァッレダオスタ州と南部のプーリア州、シチリア 島では、大きく気候が異なります。テロワールも異なりますので、さまざまなワインを飲める楽しみがイタリアワインにはありますね。