ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

ネッビオーロとゴルゴンゾーラ

 今回は、イタリアはピエモンテ州の話です。

 ミラノの友人(イタリア人)に言わせると、北イタリアだけだったら先進工業国で、怠惰な南イタリアとは、『私達違うから。』だそうですよ。彼の言う北と南の分岐点はどこかと言うと、フィレンツェあたり、つまりトスカーナ州なんだそうです。同じようなことを数人のミラノとヴェネツィアの友人も言っていました。まあ、確かに、ローマあたりは、お気楽でいい加減な人が多いイメージがあります。

 スイスとオーストリアと国境を接するトレンティーノ・アルト・アディジェ州という北の方の州があるんですが、この州の人々の性格は、ドイツ人に近いと聞いています。イタリア人というと、お気楽で陽気と思いがちですが、それはどうもやはり南イタリアの方らしい。

 イタリアの国土の形はよくブーツに例えられますよね。イタリアの面積は、日本の約80%。日本ほどではないですが、南北に長い国です。北緯35度から47度の間にあり、北のスイス国境のトレンティーノ・アルト・アディジェ州から南のシチリア島。気候は全く異なります。ちなみに日本の緯度は、北緯20度から46度です。 

 当たり前ですが、イタリア20州は、テロワールが異なりますし、同じ州でも、高度や土壌の違いでテロワールが違います。

 北のトレンティーノ・アルト・アルジェ州は、山岳地帯なので、気候は高度があがるにつれて、地中海性気候、大陸性気候、アルプス性気候になります。

 南のシチリア島は、地中海性気候ですが、アフリカに近いので、かなり暑くなります。シロッコという乾燥した風がサハラ砂漠から吹いてきます。なので優良なブドウ畑は、高度が多少高く冷涼になるエトナ山の中腹に広がっています。

 イタリアは州が20あるんですが、その20州すべてでワインが造られています。その中でも特に有名なのがピエモンテ州とトスカーナ州でしょう。

 ピエモンテ州は、北イタリアにあります。州都はトリノ。冬季オリンピックの開催地ですので冬は寒い地域です。

 ピエモンテ州のワインは、バローロやバルバレスコが有名ですね。バローロやバルバレスコは、ネッビオーロというブドウを使います。他にもバルベラ種やドルチェット種の赤ワインがあり、非常に美味しいです。白ワインは、コルテーゼ種のガヴィや甘いモスカートビアンコ種などがあります。

 フランスのAOCにあたるDOCG(統制保証原産地呼称)も17、イタリア全土で74なので、ピエモンテ州は多いんです。

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 ピエモンテ州は、ワインだけでなくチーズも有名です。三大青かびチーズの一つのゴルゴンゾーラは名産です。ブラというチーズも美味しいし。料理は、バーニャカウダが有名です。

 ピエモンテ州の世界遺産は、ランゲ・ロエロ・モンフェラート(Langhe-Roero e Monferrato)。世界文化遺産です。ブドウ畑の景観と何世紀にも渡る葡萄栽培とワインづくりに関する、技術的、経済的プロセス全般が包括されて、世界文化遺産に指定されています。

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出典 https://visitaly.jp/unesco/langhe-roero-e-monferrato/

 

 取り止めもない話をしてきましたが、ピエモンテ州はトリノ以外は、田舎というか農産地域です。時間がゆっくり流れていきます。ゆったりとチーズをつまみながらワインを飲む。旅行で行くならば、大都会のミラノと合わせて行くとバランスが丁度良いかもしれません。