ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

恋文と地平線

 恋文、つまりラブレターを書いたことがありますか?

 うーむ、アンケートをとってみたい。

私はこれまでの人生で1回あります。

 大学四年生の時、大学の同級生で、もうどうにもならないくらい好きになった女性がいて、彼女に書きました。

 内容は覚えていますよ、そりゃ、必死こいて考えたわけですからね。中学生の頃に出会って、その後ずっと好きな詩を引用しました。マックス・ジャコブ Max Jacobというフランスの詩人の詩をね、引用させてもらいました。マックス・ジャコブさんは、かのPicassoさんと部屋をシェアしていたなかなかの人らしいのですが、このJacobさんの詩に、
"Ses bras blancs devinrent tout mon horizon."
というのがあります。堀口大学さんの訳では、
「彼女の白い腕が私の地平線のすべてでした。」

これを使い、『あなたの白い腕が僕の地平線のすべてだ。』とかラブレターに書いた記憶があります。う〜む、恥ずかしいのか恥ずかしくないのか、よくわからんな。

 詩のフランス語の原文で、devinrentは原形が、Devnirで「~になる」の意味ですので、ある程度の時間が経過した結果、私の地平線のすべてになったということだと思います。

 彼女がとにかく自分のすべてであり、彼女無しには生きることが不可能だと言う意味が、感覚的に素晴らしく表現されていると思います。

 地平線というのは日本人にとっては、そんじょそこらで見られるものではないですね。海に囲まれた島国なので水平線は見れますが、地平線はアメリカ大陸とかオーストラリアに行かないと見れない。

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アメリカ合衆国モニュメントバレーの地平線

 恋文は贈る媒体は問わないと考えています。メッセージカード、バースデーカードやアニバーサリーカードもありますね。LINEで恋文もありますよね。20年ぐらい前だったら電子メールですね。

 今も流行っているのかわからないですけれども、一時期、バレンタインデーにワインとチョコレートにメッセージカードを付けて贈るのが流行りました。もらう方にすると、これは良かった。ホワイトデーには、ワインと何故かクッキーにメッセージカードをちゃんと付けてお返ししました。

 何が言いたいかというと、誰かへの想いは、やはり言葉にしないといけないと思うわけですよ。言わなくてもわかるだろ、はあまり無いな。言いだせなくて、流れていった恋というものも、まあ悪くはないけれども、やっぱり「告る」方が、なんぼか素敵さ。