菩提酛、清酒造り
奈良には、清酒造りの起源といわれる、菩提酛造り(ぼだいもとつくり)の清酒があります。清酒と書いて、「スミサケ」と読みます。
菩提酛造りとは、およそ600年前、室町時代に、奈良の菩提山正暦寺において創醸された酒造法で、現代には伝わっていませんでした。
近年、この菩提酛造りを復活させる取り組みがあり、約500年ぶりに復活されました。正暦寺によれば、
正暦寺の寺領で収穫された米を使う
正暦寺の水を使う
正暦寺の乳酸菌を使う
清酒の起源については諸説ありますが、一つのオリジナルの醸造法を復活し後世に伝えていくことは、文化的にもたいへん意義のあることと考えます。
現在、奈良では八つの醸造元がこの菩提酛造りの酒を造っています。
油長酒造 鷹長
北岡本店 やたがらす
上田酒造 き長
今西酒造 三諸杉
倉本酒造 つげのひむろ
八木酒造
葛城酒造 百楽門
菊司酒造 菊司
先日、奈良ホテルで、菩提酛造りの会が開催されて、上記の八の酒造が一同にかいし、飲み比べを致しました。
八つの酒造がこんな感じで並んでいます。
向かって左から、甘めから辛口へと並んでいました。
この八つの酒造、同じ菩提酛造りでも、かなりテイストと香りが異なっています。どれが好きかは、個人的な好みと合わせる料理によりますね。
今西酒造さんの三諸杉は、普段より好きな酒で、昨年の菩提酛も飲んでいます。若干の辛口でバランスがとても良い酒に仕上がっているなぁ、というのが感想です。
今回初めて飲んだ上田酒造さんのき長。三諸杉と似たタイプで気に入りました。
北岡本店さんのやたがらす。なぜかスイーツに良く合いました。
油長酒造さんの酒は、ふだん風の森を飲んでいるので、鷹長は風の森より甘めで濃厚なんですが、同じテイストを感じます。フィレステーキに合いました。
他の酒造の酒も、それぞれ個性があり美味しい酒でした。
合わせた食事は、奈良ホテルさんの和食。鰹のたたき、ぐじ、穴子の天ぷら、お造り、鯛茶漬け、にゅうめん、牛フィレステーキ、スイーツなど、かなりのクオリティのものを堪能しました。