夏の名残り
9月に入りました。夏ももうすぐ終わって、秋から冬になり、クリスマスやら正月が来て、「何て寒いんだ」と毒づきながらも春を迎え、そして来年もまた夏が来ます。頭の中の一年は数秒で過ぎていくわけですよ。9月早々からどーでもいい話ですみません。IT資源の無駄遣いと思いつつ書いています。後、今回はワインの話も食べ物も旅行も出てきません。申し訳ないですが、まあ、たまには。
唐突ですが、確か季語に「夏の名残」というのがありました。
「名残」とは、
『ある事柄が過ぎ去ったあとに、なおその気配や影響が残っていること。また、その気配や影響。』
『人と別れるときに思い切れない気持ちが残ること。また、その気持ち。「尽きない名残」』
(goo辞書
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%90%8D%E6%AE%8B/)
なかなか良い感じの言葉じゃあないですか。似た言葉に余韻がありますが、余韻とは、少し異なるようです。ワインの場合、余韻が長いとは言いますが、名残があるとは言わないですね。味わいには余韻が適当なようです。同窓会かなにかで、幹事が、
[名残惜しいですが、そろそろお開きにします。」とは言いますが、余韻を惜しむとは言わないですね。
名残ねぇ。名残って英語では何と言うのかな、と思い調べたんですが、二つほど候補がありました。
Remains of summer
Memories of summer
James Joyce のTwo Gallantsに、
The grey warm evening of August had descended upon the city and a mild warm air, a memory of summer, circulated in the streets.
があるように、やはりMemoryは思い出の意味が強いので、名残という現象の場合はRemainsでしょうか。英語にすると、何かこう味気なさを感じるんですが、意味はハッキリしますね。
名残で思い出した言葉が、「残り香」。日本語の残り香は、なんとなくセクシーさも感じる表現なんですが、
『「のこりか」とも、人が立ち去ったあとに残る、その人のにおい。「残り香が漂う」』(同じくgoo辞書)
『彼女の残り香が私の思いともつれ合うように漂っていた。』(小職の地平線より)
残り香は、やはり女性のもののほうがステキでありまして、決して、加齢臭を残り香とは言わないと思います。