ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

アメリカ人とワイン

 「シャルドネで良いかな? それともソービニヨンブランにする?」

だいたいのアメリカ人の平均的なビジネスパースンのワインの知識はこんな程度です。私の知るシリコンバレー、シアトル、シカゴのIT関連に勤めている人達の平均的なレベルなんですが、それでもシャルドネやソービニヨンブランを知っているのはエライ!と言ってしまいます。

 もちろんワインに詳しい人もいますし、ニューヨークやビバリーヒルズ辺りだと、ワインに煩いのがたくさんいそうですが、まあ平均するとこの程度ですね。ワラワラなどのワインカントリーに住んでいる人は、詳しいけれど、サラッと好きなワインを飲んでいます。暮らしにちゃんとワインがある人達ですね。

 何故アメリカ人の話を出したのかというと、日本の仕事の相手国は、主にアメリカやアジア諸国、中国になると思います。人によってはドイツやフランス、ハンガリーなどのヨーロッパ圏もありますが、総合商社や何か専門の会社ではない限り、今は少数派でしょう。

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 そこで、アメリカのワイン事情を少し。

 パワーランチやパワーディナーで、

 アメリカ人のワインに関するスタンスは、『オシャレ』。アメリカ合衆国では、もともとワインはオシャレな飲み物で始まったと言われています。

 『ワインって、なんかカッケーじゃん。』ののりですね。

これは今も変わっていないですね。まあ、日本人も似たようなもんです。

カッケーワインを飲む俺たちってカッケー、ですから、あまりにめんどくさいことを言うと、嫌われることがあります。なので、少しだけ知識を披露するようにする。料理との相性や、樽香の有無程度で、大抵のアメリカ人は、『おぬしなかなかやるな。』となる場合が多いです。

ソムリエのいる店の場合は、『料理に合うワインをソムリエに聞いてみようよ。』とか言って、ソムリエとの会話の中でサラッと知識を出すと良いですね。

 当たり前ですが、楽しい会食やビジネスが目的の場合、独りよがりで自分の知識をひけらかして、ワインに拘泥するのはやめておきましょう。

 フランスやイタリアなどのヨーロッパは事情が異なりますので、それはまた。

桔梗が原ワインバレー

 久しぶりのブログです。

 先日、長野県の塩尻市に初めて行って来ました。塩尻市を中心に、桔梗が原ワインバレーがあるんですね。今回、いくつかのワイナリーを訪問してきました。 

塩尻

東京都心から車で行くと、

 首都高→高井戸→中央高速→塩尻

混み具合にもよりますが、だいたい4時間前後で着きます。私の中央高速のパターンとしては、談合坂サービスエリアで休憩しつつスタバでコーヒーを買っていくんですが、やはり夏休みのせいか、とても混んでいました。談合坂サービスエリアは混んでいましたが、中央道はわりとスイスイと進めました。塩尻の出口を降りて、しばらく行くと、最初の訪問先、五一ワイン林農園さんがあります。

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五一ワインでは、草生栽培メルローとセイベル9110の購入。

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草生栽培とは、除草剤などを使用しないで、あえて雑草などを生えさせた土壌で栽培するやり方なんです。土を草で覆い夏の強い日差しを防いだり、除草剤を使わないので、土に優しいなどのメリットがあり、循環型農業の一つになります。もちろん大変なことも多々あります。

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次回は、大池ワインです。

SAYS FARM ワイナリー

 富山県になるのですが、氷見漁港から車で20分ぐらいのところに、SAYS FARM セイズファームというワイナリーがあります。ここは、ソービニヨンブランが有名なワイナリーです。

 ワイナリーは小高い丘の上にあります。坂を登っていくと、ワイナリーに着くんですが、ワイナリーの入口はちょっとわかりにくい。下の写真のようになっています。小さくセイズワイナリーと書かれた看板が立っていて、「あぁ、ここだな。」とわかります。ここを入って行くと、ワイナリーの建屋があります。

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 ワイナリーは、入って右側がワインの売店で、左側が予約制のフランス料理店になっています。下の写真は、セイズファームの入口から見た氷見です。一望できます。

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 セイズファームを代表するソービニヨンブラン

ソービニヨンブラン2021
氷見のソービニヨンブランを使用
上品で軽やかなテイスト 

かすかに草原の香り 
美味しいワインです
食事を邪魔はしないのですが、マリアージュ相手は少し難しいかな。いっそ食前酒として飲むか、前菜に合わせてはいかがかと思います。

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 美味しかったのが、シードル。リンゴのお酒ですね。2つ前ぐらいのブログに書いています。

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 下の写真のパティオで、初夏にワインを飲みながら、風に吹かれたいな。
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トンカツとメンチカツ

 私はメンチカツが大好きだ。まず、宣言してしまおう。トンカツやエビフライよりもメンチカツなのである。粗挽きのミンチ肉の揚げたての良い香り、ひと口食べれば、ジューシーな肉汁が溢れてくる。

 東京都心のトンカツ屋には、案外、メンチカツがメニューに無い店が多い。この点、大いに不満がある。トンカツ屋って一種の揚げ物屋なんだと思うんだが、トンカツ屋にとってメンチカツは邪道なんだろうか。

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メンチカツの起源

メンチカツのメンチは肉のミンチから由来したものではなく、明治時代に東京浅草の洋食店が「ミンスミートカツレツ」として販売したのが起源。このメンチカツ、関西ではミンチカツと呼ぶのが主流らしいのだ。メンチカツは東京から関西にひろまった。ひろまった当初は、牛と豚の合挽ミンチを使用していたのだが、牛肉100%に変更。やはり関西は牛肉が主流だからかな。そこで、「ミンチカツ」と呼ぶようになったという説がある。

 メンチカツは、ご当地メンチカツなどもあって美味しく楽しい食べ物だと思う。揚げ物屋では、是非にメンチカツをメインの一つにして欲しい。

シードル

 シードルって酒なんですが、飲んだことありますか? シードルの原料はリンゴ。ワインはブドウですよね。シードルはリンゴで造る醸造酒です。アルコールがだいたい7%前後入ったちゃんとした酒なんです。醸造酒ということは、ワインや日本酒と仲間になります。

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 シードルは、cidreと綴りフランス語。英語だと、皆さまご存知のcider サイダーです。

 シードルの原料はリンゴと書いたわけですが、詳しく言うとリンゴとリンゴの仲間になります。これをリンゴ連とかリンゴ亜連とか言いますが、梨も入ります。特に西洋梨ですね。上の写真は、富山県氷見のセイズファームワイナリーのシードルなんですが、リンゴが2種類、ふじりんごとグラニースミス、そして西洋梨のルレクチュが使われています。

製法

 シードルの造り方を簡単にご紹介すると、収穫した熟したリンゴを熟成させて、圧搾して果汁を搾ります。果汁をタンクに入れて、リンゴの外果皮の天然酵母か純粋培養の酵母で、アルコール発酵をさせます。

銘醸地

 フランスのノルマンディー地方ブルターニュ地方が有名。現地で何回か飲みましたが、かなり強めのテイストだったことを思い出しました。

 スペインもありますね、シードラと言います。

 日本では、青森の弘前の吉井酒造が造ったのが最初で、第二次世界大戦後のことだそうです。

 シードルはドライのタイプも多く、食事との相性も和食も含めて、良いと思います。ご縁がありましたら、一度飲んでみてください。

氷見は美味い

 美味い魚が食べたくなり富山に来ました。JALで羽田から小松空港小松空港からレンタカーで富山へ。目当ては氷見漁港。翌朝早めに起きて、富山駅近辺から車を走らせること約1時間で氷見漁港に着きます。魚市場の食堂で海鮮を食べるのが目的です。

 魚市場の駐車場に車を停めて魚市場へ。仲買人入口の横の食堂入口から入り、階段で二階に上がると、すぐに食堂があります。2階から下を見ると、そこは魚市場。立派な魚が運ばれていました。魚市場は、活気があって良いですね。なにかこうウキウキしてきます。

さあ、お腹も空いたし、食堂に入ろう。検温、手指の消毒をし、席に座る。

メニューは、

 氷見浜丼

 氷見海鮮漬丼

 お刺身定食

 がメイン。煮魚定食やフライ定食なんかもありました。お刺身定食と迷ったすえに、氷見浜丼にしました。氷見浜丼には、量により、

 ちょっこし盛(小盛)

 やわやわ盛(並盛)

 はんさ盛(大盛)

がありまして、腹もへっていたので、はんさ盛を頼みました。はんさ盛は、魚もご飯も大盛とのことでしたが、実際、かなりの量が。コスパは良いと思いますよ。

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これに漁師汁、あら汁ですね。漁師汁が付いてきます。さすがにおなか一杯になります。今回の魚は、

 わらさ

 トビウオ

 クロダイ

 鰆の炙り

 太刀魚

 甘エビ

魚市場の食堂なので、新鮮で美味かったです。トビウオの刺身は初めて食べましたが、美味いです。1時間車を飛ばして来たかいがありました。

 近くに道の駅ひみ、氷見番屋街がありましたが、観光客向けの施設でしたので、あまり買うものはありませんでした。

日本酒の冷って?

 「この酒は冷やで飲むと美味しい。」なぞと言いますが、この『冷や』、いったい何度ぐらいなんでしょう。

 日本酒の『冷や』の定義は、実は常温なんです。当たり前ですが日本酒は昔から日本で飲まれてきた酒です。冷蔵庫の無い時代が長かったわけですね。冷蔵庫が無いと酒を冷やす手段が無かった。まあ夏場に井戸で冷やす『なおし』という本味醂で割る酒もありましたが、基本は燗をするか常温しかなかったわけです。

 それでは、冷蔵庫で冷やした酒を何と呼ぶかなんですが、これが『冷酒』ですね。この冷酒は総称でして、温度ごとに呼び方があります。なかなか粋な名前が付いています。

 

 涼冷え (すずびえ)15度前後

 花冷え 10度前後

 雪冷え 5度前後

 

 私は、自宅では、雪冷え以外の2つは飲む前に冷蔵庫から出して常温に置いておく時間で温度を調節しています。雪冷えは、冷蔵庫から出したら短時間で飲み始めます。これは居酒屋では、なかなか難しいでしょうね。唎酒師やSAKE Diplomaを持っている方がいらっしゃるところなら対応しているかもですが。

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 どの温度のレベルで飲むかなんですが、日本酒には、燗もあります。燗の温度も日向燗などいくつかに分かれているわけで、どのレベルで飲むかの選択肢は多いんですね

 冷酒 冷や 燗

となり、冷やと燗は、それぞれ温度によりいくつかに分かれます。燗については別途書く予定です。

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 まず酒との相性ですね。日本酒の瓶の裏側に、推奨する飲み方が書いてある場合がありますので、その場合はそれに従います。冷酒が推奨されている場合には、どの冷やし方にすれかは、やはり飲んで決めていきます。雪冷えにしておいて飲み始めると、だんだん常温に近くなってきますので、「ああ、このぐらいが好みだなぁ。」と押さえておいて、次回から調節するわけです。雪冷えと涼冷えでは、同じ酒でも味わいが違ってきますので、好みの味わいに調節すると良いと思います。

プティマンサン

 栃木県にあるココファームワイナリーはわりと好きなワイナリーで、たまに訪れたり、オンラインショップでワインを購入したりしているんですが、ここにプティマンサンというブドウを使ったワインがあります。

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 プティマンサン。他ではあまり見ないワインですね。プティマンサンは白ブドウで、白ワインやスパークリングワインなどが造られています。原産地はフランスの南西部、スペインとの国境に近いピレネー山脈の麓あたりになります。爽やかな酸味が特徴。スッキリとしたテイストで飲みやすいと思います。骨格がしっかりとしているというか、テイストに厚みもあったりするんです。果実味もかなりあります。

 下の写真は、プティマンサンのスパークリングワイン。あまり出回らないようですが、存在感があって実に美味い。

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 プティマンサンを使ったワインは、かなり広い範囲の料理に合わせられると思います。守備範囲が広めなんですね。私が実際に合わせた料理を紹介すると、真鯛カルパッチョ、さばのアヒィージョ、我が家風シャルキュトリ、タンドーリチキン、チーズはゴルゴンゾーラミモレット、セロリとレモンのマリネ。この中でサバのアヒィージョはあまりマリアージュしませんでした。

 白ワインというと、シャルドネやソービニヨンブラン、リースリングなどが国際品種でメジャーどころですが、プティマンサンは引けを取らないどころか、フレッシュさにおいては優っているとも私は思います。機会がありましたら、一度飲んでみてください。

菩提酛、清酒造り

 奈良には、清酒造りの起源といわれる、菩提酛造り(ぼだいもとつくり)の清酒があります。清酒と書いて、「スミサケ」と読みます。

 菩提酛造りとは、およそ600年前、室町時代に、奈良の菩提山正暦寺において創醸された酒造法で、現代には伝わっていませんでした。

 近年、この菩提酛造りを復活させる取り組みがあり、約500年ぶりに復活されました。正暦寺によれば、

 正暦寺の寺領で収穫された米を使う

 正暦寺の水を使う

 正暦寺の乳酸菌を使う

 正暦寺酵母を使う

これに近代醸造法を融和させた醸造法だそうです。

 清酒の起源については諸説ありますが、一つのオリジナルの醸造法を復活し後世に伝えていくことは、文化的にもたいへん意義のあることと考えます。

 現在、奈良では八つの醸造元がこの菩提酛造りの酒を造っています。

 油長酒造 鷹長

 北岡本店 やたがらす

 上田酒造 き長

 今西酒造 三諸杉

 倉本酒造 つげのひむろ

 八木酒造 

 葛城酒造 百楽門

 菊司酒造 菊司

 先日、奈良ホテルで、菩提酛造りの会が開催されて、上記の八の酒造が一同にかいし、飲み比べを致しました。

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八つの酒造がこんな感じで並んでいます。

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向かって左から、甘めから辛口へと並んでいました。

 この八つの酒造、同じ菩提酛造りでも、かなりテイストと香りが異なっています。どれが好きかは、個人的な好みと合わせる料理によりますね。

 今西酒造さんの三諸杉は、普段より好きな酒で、昨年の菩提酛も飲んでいます。若干の辛口でバランスがとても良い酒に仕上がっているなぁ、というのが感想です。

 今回初めて飲んだ上田酒造さんのき長。三諸杉と似たタイプで気に入りました。

 北岡本店さんのやたがらす。なぜかスイーツに良く合いました。

 油長酒造さんの酒は、ふだん風の森を飲んでいるので、鷹長は風の森より甘めで濃厚なんですが、同じテイストを感じます。フィレステーキに合いました。

 他の酒造の酒も、それぞれ個性があり美味しい酒でした。

 合わせた食事は、奈良ホテルさんの和食。鰹のたたき、ぐじ、穴子の天ぷら、お造り、鯛茶漬け、にゅうめん、牛フィレステーキ、スイーツなど、かなりのクオリティのものを堪能しました。

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ブランドノワールとブランドブラン

 3月に入りました。この季節は、卒業や入学、入社の時期ですね。三寒四温が感じれると良いなと思っています。

 最近は、ちょっとしたお祝い事があると、スパークリングワインを開けることが多くなってきているんですが、それもシャンパーニュのいわゆるシャンパンと呼ばれる価格が高めのものではなく、2000円から3000円程度のデイリーワインの範疇にあるスパークリングワインなんです。気軽にね、飲めるスパークリングワインは、シャンパングラスに注げば、多少の特別感もあって良い感じではないですか。

 スパークリングワインに使うブドウの種類はどんなものであったかと考えたことがあるでしょうか。最初に浮かぶのはシャルドネかピノノワールですね、シャルドネで作られたものをブランドブラン(Blanc de Blanc )、ピノノワールのものをブランドノワール(Blanc de Noir)と呼びます。この二つ、テイストがだいぶ異なります。私、個人的にはブランドノワールが好きです。下の写真は、ピノノワール主体の南仏のスパークリングワインです。

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 スパークリングワインのブドウの種類ですね。まず代表選手のシャンパンで考えてみます。

 シャンパンは、シャンパーニュ地域のスパークリングワインです。シャンパーニュ地域のAOCで認められているブドウは何かなんですが、シャンパーニュ地域にはAOCが3つあります。

 

シャンパーニュ地域のAOC

 シャンパーニュ Champagne

 コトーシャンプノワ Coteaux Champenois

 ロゼデリセー Rose des Riceys

 

使われている主要なブドウ品種は、ピノノワール 、シャルドネ、ピノムニエになります。ロゼデリセーのみピノノワールなんです。

 シャンパーニュのAOCで認められている品種になると、これらの3品種に加えて、アルバンヌ、プチメリエ、ピノブラン、ピノグリがシャンパーニュとコトーシャンプノワで認められていますが、これまであまり使われていません。

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 シャンパーニュ地域を離れてみると、どんなブドウ品種がスパークリングワインに使われているのでしょうか。基本的には、シャルドネ、ピノノワール 、ピノムニエのアッサンブラージュ、いわゆるブレンドが多いですが、地域によっては様々なブドウが使われています。

 イタリアのフランチャコルタは、数種類がありますが、ピノネーロ、シャルドネ、ピノビアンコ、エルバマットなどが使われています。

 ドイツに行きますと、ドイツではゼクト(Sekt)というんですが、リースリングを使ったゼクトがあったりします。珍しいもので、ドイツの土着品種のエルプリングのゼクトもあります。

 日本では、プティマンサンや小公子を使ったものを飲んだことがあります。上の写真は、山形県の高畠ワイナリーのスパークリングワインですが、デラウェアが使われています。

 以前は、スパークリングワインの甘さ、残糖が苦手で遠慮していたのですが、最近は、比較的ドライのものもあり、プティ祝いに重宝しています。

肉饅と豚饅 551と東京豚饅

 東京では肉饅。関西では豚饅ですね。

 東京恵比寿に昨年の11月にオープンした肉饅のテイクアウト主体の店、『東京豚饅』に行ってみましたというか、たまたま通りかかったら、待ち行列の人数がそんなに多くなく、何とかなりそうだったので並んでみたわけです。それでもしっかり行列はできていました。

 『東京豚饅』は、東京なのに豚饅を名乗っているんですが、これは大阪の有名な『551蓬莱』の創業者のお孫さんが、創業者の味として東京恵比寿に出した店舗だから、あえて『豚饅』なんでしょうね。

 前々から、東京で551の豚饅が買えたら便利なのにと思っていてたので、『東京豚饅』、飛んで火に入る夏の虫ですね。一度食べたかった。しかるに、すごい行列ができていると聞いていたので、これまで行く気になれませんでした。私は行列とか待ちとかが嫌いです。たまたまなのかそろそろ空いてくる時期なのか、待ち行列が少なく、多少待ったぐらいで買えました。ラッキー。

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 『551蓬莱』の豚饅なんですが、有名で人気がありますよね。私も大阪出張の折には、必ずといってよいほどチルドを保冷バッグに入れて買って帰ります。実は『551蓬莱』の専用の保冷バッグも持っているんです。まあ、それだけの理由はあって、なんと言っても美味いし、コスパも良い。デパ地下や大阪駅、新大阪駅にも店舗があるので便利ですし、お店の方の対応もとても良いので、多少並んでも買うわけです。新幹線で豚饅とビールをやっている方がいらっしゃいますが、独特の匂いは罪つくりです。

 さて、『東京豚饅』の味ですが、『551蓬莱』に近いと感じました。皮の味と厚みに若干の違いがあると感じましたが、気になる程では無いと思います。多少油分が多めも同じですし、餡の味付けもほぼ同じ。食べ方は、まだ温かかったのをそのまま食べてみたのと、数個は冷蔵庫に入れて翌日蒸して食べてみました。

 厳密には、二つを並べて食べ比べる必要があるんでしょうが、豚饅で、まあそこまですることはありませんね。それでもいつかやってみたい。下の写真は『東京豚饅』の豚饅です。

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 『551蓬莱』のファンの方には、おススメできる味だと思います。

東京豚饅

https://tokyo-butaman.com/

春立つ日、立春、まだまだ寒い

 人はいさ 心もしらず ふるさとは 花ぞむかしの 香ににほひける

 袖ひちて むすびし水こほれるを 春立つけふの 風やとくらむ

 紀貫之の春の歌ニ首です。一首めの花は梅の花ですね。古今集の一首ですが、一首めは百人一首にも入っていますので有名ですね。字面だけをおうと、とてもシンプルな内容なんですが、紀貫之さんが何を言いたかったのかを探ろうと、彼の心のうちに分け入ろうとすると、なかなか難しい歌だと私は思います。

 今日、2月4日は立春です。字の通り、『春が始まるぞ!』という日で、二十四節気の最初です。江戸時代までは一年の始まりでもあったわけです。二十四節気では、立春の他に、春分や夏至、秋分、冬至などが知られていますよね。ちなみに立春の次は雨水で、雪が雨に変わる時期を表しています。

 春が始まるぞ、でもこの時期寒さはピークです。個人的には、立春の今日、今が春なのではなくて、一番寒い時から段々と春に向かっていく開始の日と考えています。

 私が小学生の頃は、東京でも雪だるま⛄️が作れるぐらいの雪が降り積もりました。JR(その頃は国鉄)が雪で止まったことも、一冬に数回はありました。今は温暖化の影響でしょうか、雪はあまり降りません。でも寒い。とても寒いですね。

 実際には、気持ちの上で、『春が来るな』と感じるのは3月の声を聞いたときでしょうか。二十四節気ですと、啓蟄の頃ですね。

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 『もうすぐ春ですね!』とキャンディーズが歌ったように思える時期が早く来て欲しいと願う今日この頃です。

節分は豆まき

 はい、本日は節分です。2月3日です。

春節(中華系)、ラシャンドルール(フランス)と来て、日本の伝統、節分です。

 節分は、「鬼は外福は内」って声を出して、豆を投げる、豆まきをする日ですね。豆まきをした後、自分の年の数ほど豆を食べますが、「あっ、おじいちゃん、80個も食べられるの?あたしが手伝ってあげようか。」なんて孫に言われて嬉しがる年寄りを見る日です。

 『節分』って、どういう意味なんだろう、って考えたことがありますか?

 節分は、節を分けると書きます。古語になりますが、節は『せち』と読み、季節や時節を意味します。節のみで季節の変わり目の意味もあります。従って、節分は季節を分ける日の意味になります。『ふし』と読むと、竹のふしのようなこぶのようなところの意味や事柄、根拠の意味になります。

 古語辞典を調べると、節分は季節の変わり目の日で、立春・立夏・立秋・立冬の前日。現代では、立春の前日を指して節分と言っていますね。なので今年は立春が2月4日なので、節分は今日2月3日です。『今年は』と書いたのは、たまに年によって1日ズレることがあるからなんです。

 通常は、『鬼は外福は内』と声を出して、豆まきをします。奈良県天川村の天河大辨財天社は、『鬼は内福は内』と言うそうなんですが、これはそういう御由緒があるんですね。

 鬼は、もともとは『隠(おん)』で、目には見えない、姿が見えない悪いものの総称で使われてきたようです。そういう悪いものを家から追い出して福が入ってくるようにする、のが『鬼は外福は内』なんです。

 それでは、何で武器は豆なのか、です。節分の豆まきのイベントの源流は、平安時代の追儺。もっと遡ると、中国の儀式の大儺に行き着きます。鬼や魑魅魍魎を追い出す点は同じです。日本の追儺では、鬼を追い出すのに効果があるとされる桃と葦で作った弓を用いたらしいです。

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出典 PR TIMES

https://prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000229.000001593.html

 炒った豆を使う理由ですが、神棚にお供えした『福豆』には、邪気を祓うと考えられたからで、比較的手に入りやすいものだったからではないでしょうか。

 最後に、恵方巻についてなんですが、これは主に関西圏の文化で、東京では恵方巻は食べませんでした。太巻きはありましたが、恵方巻という言葉自体存在していなかったと思います。十年前ぐらいですか、関西の文化の恵方巻が入ってきて、金儲けになるからなんでしょうね、広まりました。まあ、美味しいものは、基本ウェルカムなので、楽しんでいます。

 豆まきの手順とか、誰が撒くのかとか言い出したらきりがありません。基本の『鬼は外福は内』で、豆まきをしてみようではないですか。

La Chandeleur ラシャンドルールはクレープの日

 フランスでは、ノエルからエピファニーを経てシャンドルールで終わる、と言われています。これらはキリスト教の西方教会の祝日なんです。

 本日2月2日は、La Chandeleur(ラシャンドルール)。英語では、Candlemas。日本語は、聖燭祭。語源のChandelleはロウソクを意味するフランス語です。元々は、ロウソクを持ってブラブラ歩く民間の祭りに由来し、それがキリスト教と結びつきました。現在、人々は、光を讃えるために、ロウソクを持って教会に行くんですね。このあたりは、詳しく調べると興味深いんですが、今回は詳細は省かせて頂きます。

 また、この日は、クリスマスシーズンの終わりの日で、クリスマスのデコレーションなどを外します。『冬は終わったぜ。もうすぐ春!』人々の気持ちはもうすぐ春です。立春とも結びついているようです。

 今回お伝えしたいのは、スイーツです。ラシャンドルールは、クレープを焼く日です。クリスマスはブッシュドノエル。エピファニーはガレットデロアです。そしてラシャンドルールはクレープなんですね。

 クレープは、丸くて明るめの色合いなので、春の到来というか、この時期、春を待ち望む人々の心にしっくりくる菓子なんでしょう。

フランスの家庭では、クレープを焼きます。丸いクレープを何枚も焼いて、家族で食べるんですね。

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出典 Haffingyonpost.fr

https://www.huffingtonpost.fr/amp/entry/chandeleur-crepe-parfaite-mouvement_fr_6017dfdac5b63b0fb282929f/

 

日本人はイベントごとが好きなので、エピファニーのガレットデロアの次に来るのは、ラシャンドルールのクレープかもしれませんね。