ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

2020-01-01から1年間の記事一覧

ホイリゲとオーストリアワイン

『ホイリゲ』。 なんか面白い響きの言葉じゃないですか。Heurigeと綴るのですが、オーストリアのワインの新酒のことです。ボジョレーヌーボーのように毎年新酒がリリースされるんですが、リリース日は11月11日。 ホイリゲにはもう一つ意味があって、ウィーン…

お屠蘇の作法

あと少しで正月ですね。 今年は多分寝正月でしょうね。まあ、いつも寝正月なんですが。 正月というとお屠蘇です。今ではニアリィイコール日本酒なんですが、厳密には『屠蘇散』または『屠蘇延命散』という、肉桂や陳皮などの5~10種類の薬草(ハーブ)に…

ワインはワイングラスで飲みませんか

けっこう高めの高級ワインを飲んでいるのに、ワイングラスが合っていない方っていらっしゃると思います。私のワイン好きの友人も、ワインほどにはグラスに金をかけないというかグラスに気が回っていない人が多いようです。 高級ワインを飲む場合は、そのワイ…

猿は酒を造るか?

猿酒伝説というものをご存知でしょうか? (このブログは、以前のブログを改訂したものです。) 猿が酒を醸す、造るのかどうかなんですが、猿酒伝説は猿たちが醸した酒をひと様が掻っ払うという話。主に中国の今の雲南省辺り、とにかく辺境の作り話が旅人の…

オンラインワイン会でのホストの振る舞い

ワイン会というのがありますでしょう。けっこう色んなところでやっていますよね。まあ、今年は、実際に会うことは自粛ですので、ワイン会もオンラインでの実施が多かったわけですね。 オンラインワイン会、私も3回ほど参加しました。また一回ですが、主催を…

ホスト・ホステステイスティング

ソムリエがいるレストランでワインをボトルで頼む場合、ホスト・ホステステイスティングをしなくてはならない立場になる時がありますよね。 このホストテイスティングの『ホスト』という言葉は代金を支払う人、つまり「もてなす側』のことを意味します。 カ…

ワインのキレイな注ぎ方

誰かワインのキレイな注ぎ方を教えてくれよ〜。 ワインをワイングラスにこぼさずに注ぐのは、割と難しいものです。テーブルクロスにワインの染みが点々とは、避けたいですよね。 ワインを注ぐ、に関するマナーがちゃんとあるんです。今回は、ワインの注ぎ方…

美味しくて、しかもお安いワイン

たまたま外で飲んだワインが美味しくて、ネットで探してみたら、かなりお安く売っていて、かなり嬉しかった、ということが、ここ2件(2本)たて続けておきましたので、シェアしたいと思います。 価格は、2本とも各1200円程度。デイリーワインとしては、少…

ビストロ in 奈良

出張とか旅行に出て、朝昼と米の飯を食べると、夜は洋食系に行きたくなります。まあ、イタリアンかフレンチ。ただ東京ならいざ知らず、地方都市になると、これが案外難しい。イタリアンではなくピザとパスタ屋だったりするわけで、別にピザやパスタに文句が…

佐久良の吉野本葛切り

葛もちや葛切りというのがあるわけなんですが、本葛粉100%のものは、本当に少なくて、大方がさつまいもの粉だそうです。 葛といえば、奈良の吉野。以前、奈良市に出張した時に、吉野までは同じ奈良でも遠いが、折角、奈良にいるのだから、吉野の本葛を使った…

柿の葉寿司たなか奈良本店

昨年の奈良市への出張の折、奈良でランチを食べようとすると、やはり柿の葉寿司は外せないだろうと考えていて、近鉄奈良駅を降りて少し歩いたら、『柿の葉寿司のたなか』が目に飛び込んできたので、空いているか尋ねると、テーブルが一つ空いていると言うの…

ワインを開ける ソムリエナイフ

愛用のソムリエナイフでね、ワインをカッコ良く開けたいじゃないですか。そういうパフォーマンスは有りだとずっと思っていました。 このブログも今回で201本目なんですが、書き始めた頃から、ソムリエナイフを買うとしたら、やっぱりシャトーラギオールと…

ワインの栓と開け方

ワインって、栓が閉まっているわけですよ、、当たり前なんですけどね。 自宅でワインを飲む場合、誰かが何らかの方法で栓を開ける必要があります。今回は、ワインの栓の話で、次回が開ける話です。 ふたつの酸化 ワインは、空気に触れると酸化を起こして、放…

白ワインの超基本テイスティング

前回は、赤ワインの超基本テイスティングの方法を説明しました。当然、今回は白ワインです。何回か書いているんですが、ワインは好みのものを美味しく飲めれば良いが基本です。テイスティングは、『できたら良いよねぇ。』ぐらいの気楽さで良いと思います。…

ピノノワールのテイスティング

ピノノワールが好き、という方は多いと思います。私の周りにも結構いますね。私ももちろん好きですよ。 私の周りのピノノワール好きに、「好きな産地や造り手はあるの?」と聞いてみると、だいたいが産地とか考えたことが無いようですが、中には、『絶対にブ…

赤ワインの超基本のテイスティング方法

『ワインのテイスティングって、どうやるの?』 という質問を頂きました。ワインを飲んで楽しめれば、それで良いんだが、多少はテイスティングについて知りたいと言うことでした。私も、ワインは美味しく飲めれば、それで良いと思います。 まず簡単に話しま…

パリスの審判、ミステリー?

時は1976年5月24日。場所はパリのインターコンチネンタルホテル。カリフォルニアワインとフランスワインの戦いの火蓋が切って落とされました。テイスティング対決。これを現代版のパリスの審判と言います。結果を先に言いますと、白ワインも赤ワインも一位は…

パリスの審判、黄金のリンゴ一個からトロイア戦争

最近、『パリスの審判』についての質問を頂いたので、私は一回ブログで書いてはいるんですが、加筆する形で再掲したいと思います。 パリスの審判と聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょう? ギリシャ神話という方もいらっしゃれば、カリフォルニアワインに…

ストレスに赤ワインが効くかも?

昔、ストレスが溜まっていた頃(今でも溜まってはいますが)、マンションのエレベーターに1人の時は、中で思い切り叫んでいました。そのうち一階の掲示板に、貼り紙が。「夜中におかしな声がすると苦情があり、原因を探っていますが、未だ判明していません…

甘味- 東京の味、京都の味、大阪の味

今回は、東西の甘味の違いについて考えるんですが、私の味覚の好き嫌いについて、先にお断りしておきますと、我が家は父方、母方ともに代々江戸と東京です。母方のひい婆さんが京都の生まれ育ちなので、母親の舌にはやはり京都の味が残っていまして、子供の…

死ぬまでに行きたい-マチュピチュ

マチュピチュ ペルー Machu Picchu 英語 Machu Pikchu ケチュア語 Machu Picchu スペイン語 マチュピチュは、ペルーにあるんですよねぇ。南米。何が言いたいかというと、日本から遠い。とても遠い。アトランタやロスアンジェルスを経由していくんですよ。で…

貴船神社 御火焚祭・御日供講大祭

十一月七日は京都に来ます。貴船神社の御火焚祭と御日供講大祭があるんですね。私は、貴船神社の講、御日供講と言うんですが、講員に加えて頂いていますので、今年も参加させて頂きました。昨年もブログに書きましたが、今年も書かせていただきます。 今年は…

業平とアポリネール

『月やあらぬ 春は昔の春ならぬ わが身ひとつはもとの身にして』 古今集 巻15 恋歌5・747 在原業平朝臣 伊勢物語 第4段 『日が去り、月がゆき過ぎた時も 昔の恋も 二度とまた帰って来ない ミラボー橋の下をセーヌ河が流れる 日も暮れよ、鐘も鳴れ 月日は流れ…

山形ワイナリー巡り 3- 酒井ワイナリー

酒井ワイナリー 山形ワイナリー巡りの3回目は、酒井ワイナリーです。酒井ワイナリーは、南陽市の赤湯にあり、新幹線の赤湯駅から車で約10分。酒井ワイナリーの周りは、赤湯温泉の温泉旅館が数多くある温泉街になっています。赤湯温泉には、酒井ワイナリーの…

ローヌとローヌシラー

シラーというワイン用の葡萄の品種がありますよね。このシラー、けっこう世界の色んな地域で造られています。フランスのラングドック、ナパバレー、ワシントン州。そうそうオーストラリアを忘れてはいけませんね。シラーズです。 シラーの故郷は、ワインの銘…

J.S.A 日本ソムリエ協会認定ワインソムリエ・エキスパート

合格発表 10月21日の夕方5時に、日本ソムリエ協会のウェッブサイトで、日本ソムリエ協会認定のワインソムリエ・エキスパートの合格発表がありました。私は、今年ワインエキスパート試験を受験をしていましたので、もうドッキドキで見ました。 ワインソムリ…

山形ワイナリー巡り 2- タケダワイナリー

最初にタケダワイナリーさんに伺いました。タケダワイナリーは、上山市にある1920年創業の伝統のあるワイナリーです。1920年、う〜む、大正時代です。いわゆる『ブドー酒』の時代です。かなりご苦労されて土地改良に挑み、カベルネソービニヨンやシャルドネ…

山形ワイナリー巡り 1- 山形県はワイン県

サクランボ、桃、ラフランス、柿、林檎、そしてシャインマスカットやピオーネなどの葡萄。フルーツは美味しいですよね。そう山形県はフルーツ王国なんです。野菜も豊富ですし、米も美味しい。農産物が豊かな土地柄です。 山形県はワイン県 山形県はワイン県…

愛するちくわぶ

『ちくわぶ』が東京の一部地域のローカルな食べ物だと知ったのは大学生の時で、それはそれなりにショックがありました。子供の頃から、普通に食べてましたからね。あって当たり前な食べ物。なので他の地域ではあまり食べられていないなどは、思いもよりませ…

ワイン新酒の季節

フランスのボジョレーヌーボーの世界最大の輸出先をご存知でしょうか? そう我が国日本なんですね。江戸の昔から日本人は初物大好きなんです。 『女房を質に入れても食いたい初鰹』なんてことがまことしやかに言われたりしていました。これは『女房の着物を…