ホスト・ホステステイスティング
ソムリエがいるレストランでワインをボトルで頼む場合、ホスト・ホステステイスティングをしなくてはならない立場になる時がありますよね。
このホストテイスティングの『ホスト』という言葉は代金を支払う人、つまり「もてなす側』のことを意味します。
カップルですと、エスコートする側がホスト・ホステステイスティングを行います。グループの場合は主催者ですね。もともとの意味は男主人です。ホストはパーティーを主催する男主人で、女主人はホステスになります。女性が行う場合には、ホステステイスティングになるんだと思います。
あなたがホスト、ホステステイスティングを行うことになった場合、どうしますか? 大丈夫です。テイスティングの順番さえ間違えなければ、ホスト・ホステステイスティングはそんなに難しくないんです。
それでは、ホスト・ホステステイスティングの順番を見ていきましょう。
1. ワインを選ぶ
ホスト・ホステスが選ぶわけですが、料理との相性も考えなくてはならないので、ここは、ソムリエと相談して決めるのがベターだと思います。だいたいの予算を伝えておきましょう。
2. ワインの確認
ソムリエは、そのワインが確かに頼んだワインに間違いないかどうかをラベル(エチケット)をホスト・ホステスに見せますので、確認をします。もし違っていたら、そう指摘しましょう。
確認事項は、
銘柄
生産者
ヴィンテージ
問題がなければ、軽く頷きましょう。
3. コルクの状態の確認
次に、ソムリエが抜栓し、コルクを皿にのせてよこしますので、ワインに触れていた方の端の匂いを嗅ぎます。カビ臭くないかを確認する為ですので、カビ臭くなければ、OKのサインを出します。
たまに汚染されたコルクによりボトル内のワインの品質が劣化していることがあります。これをブショネ(Bouchonee)と言います。ブショネの場合、コルクからカビ臭いような嫌な匂いがします。
まあ、通常はソムリエが先に確認をしますので、ホスト・ホステステイスティング時点では問題は無いと思いますが、念のためにコルクの時は、匂いを嗅いでみましょう。カビ臭い時や、ブショネの場合は、ワインを交換してもらえます。
ブショネは、コルクを使用したワインであれば、スティルワインはもちろん、スパークリングワインにも発生します。
3. テイスティング
ソムリエがホスト・ホステスのグラスだけに少量のワインを注ぎますので、テイスティングをしましょう。
テイスティングの順番は、
目 → 鼻 → 口
です。この順番は一方通行で、戻ってはいけません。順番を間違えなければ、ホスト・ホステステイスティングは難しくないと言ったのは、この、目→鼻→口の順番です。
最初は目です。外観を見ます。透き通っているかどうかをチェックします。もし濁りがあれば、ソムリエに伝えます。オーガニックワインなんかで稀に濁りがあって、それが正常なものもあるんですが、大概、濁りはダメですね。
次が鼻です。そうです香りをチェックします。香りで注文したワインの葡萄の品種の確認ができますが、ブラックチェリーだなんだとかは必要なくて、『良い香りですね』ぐらいにしておきます。
最後が口で、ワインを味わいます。ここでも本来なら、葡萄の品種やアタックの強弱、甘味やタンニンなどをチェックするんですが、なかなかハードルが高いので、『美味しいです。』ぐらいにとどめます。
はい、ここまできたら、ワイングラスを置いて、ソムリエにOKを伝えます。頷いてみたり、美味しいですと言ったりして伝えます。
どうですか、簡単だと思います。くれぐれもテイスティングの順番を間違えないことが、スマートなホスト・ホステステイスティングのキーです。