ピノノワールのテイスティング
ピノノワールが好き、という方は多いと思います。私の周りにも結構いますね。私ももちろん好きですよ。
私の周りのピノノワール好きに、「好きな産地や造り手はあるの?」と聞いてみると、だいたいが産地とか考えたことが無いようですが、中には、『絶対にブルゴーニュだ!』や、ニュージーランドのものを愛している方がいます。友人のCAさんは、『ブルゴーニュの村名AOCのピノノワールのものが好みです。』と言っていました。村名AOCは高いっす(笑)。
実はピノノワールは、産地によって香りやテイストが異なる品種なんです。もちろん葡萄由来のコアなアロマと通奏低音部の味わいは、ほぼ同じなんですが、全体として感じるアロマと味わいは産地ごとに異なりますので、印象に差が出るわけです。
ピノノワールは、エレガントで高貴な葡萄で、繊細な品種です。また、ボルドーのように数種類の葡萄を混醸するのではなく、単一品種。従って、天候や土壌などのテロワールの影響を強く受けるんです。産地や生産者によって違いがハッキリと出ます。試しに、ブルゴーニュのものとニュージーランドのものを飲み比べてみると、違いがあることを認識できます。
ピノノワールの産地
ブルゴーニュ
ピノノワールの原産地。穏やかでエレガントなピノノワールが多いと思います。価格は近年高めですね。ロマネコンティは、超有名ですよね。
ブルゴーニュ内の村、AOCや生産者が異なっても、香りや味わいが異なります。もう隣同士の葡萄畑でさえ差が出ると言われています。水平テイスティングと呼ばれる、同じヴィンテージ、例えば2013年で生産者やAOCによる違いを比較することが実施されるわけです。
個人的な意見ですが、ブルゴーニュを買う場合は、多少価格(四千円から一万円前後)が高くとも、AOCブルゴーニュではなく、村名AOCをおススメします。価格差以上の違いがあります。
ドイツ
ドイツでは、ピノノワールのことをシュペート・ブルグンダーと言います。ドイツには、Bestimmtes Anbaugebiet ベシュテメテス・アンバウゲビートという特定ワイン生産地域が13あるんですが、その特定ワイン生産地域のバーデンやアールでシュペートブルグンダーは多く生産されています。
数種類飲んでみましたが、割と複雑な香り、果実味豊かな味わいで、美味しいです。価格もこなれていて買いやすいと思います。
オレゴン州
ここからは、ワインのニューワールドです。
最初は、アメリカ合衆国のオレゴン州です。ウィラメットバレー地域を中心に、ワインが生産されていますが、赤ワインのほとんどがピノノワールです。オレゴン州は、ピノノワールの銘醸地。
数年前、ウィラメットバレーのワイナリー巡りをしたことがあり、ピノノワールばっかり試飲しました(笑)。果実味のある力強いテイストは、やはりニューワールドのものです。ブルゴーニュとは好対照です。
カリフォルニア州
カリフォルニア州でもピノノワールを造っています。オレゴン州のものより、全体的に力強い、シンプルな直球的なピノノワールが多いようです。コスパは良いと思います。
オーストラリア
昨年、オーストラリア、ヴィクトリア州、ヤラバレーのワイナリー巡りをしました。オーストラリアと言うと、シラーズのイメージが強いんですが、ピノノワールも美味しいです。
アメリカのオレゴン州のものより果実味と甘味が強いかな。写真のGiant Stepsのものは、エレガントで高貴なワインに仕上がっていました。
ニュージーランド
ニュージーランドのピノノワールは、かなり特徴的だと思います。ブルゴーニュともオレゴンとも異なる印象です。私は初めてニュージーランドのピノノワールを飲んだ時、最初はピノノワールとわかりませんでした。しばらく香りを嗅ぎ、味を確かめてから、『あぁこれはピノノワールだ。』とわかりましたが、生産国ははっきりしませんでした。
日本
日本でもピノノワールは造られています。
昨年、ブルゴーニュのワイナリーの当主が、地球温暖化によりブルゴーニュがピノノワールの生産に適さなくなることを危惧して、函館でピノノワールの栽培を始めたことがニュースになっていましたが、すでにいくつかの地域で良いピノノワールが造られています。
写真の山形県の高畠ワイナリーのピノノワールは、比較的、ブルゴーニュスタイルに近いと思いますが、果実味はしっかりとしています。美味しいです。
ピノノワール世界三大産地は、原産地のブルゴーニュ、オレゴン州、そしてニュージーランドです。上記以外にも、イタリアではピノネロ、チリでも生産されています。昔は、ピノノワールは、ブルゴーニュでしか栽培できないと言われていたそうですが、今では、世界各地のピノノワールを楽しめます。
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