ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

実は知らない日本のワイン事情

    北海道の函館に、ブルゴーニュの名門ワイナリーの当主がピノノワール の栽培を始めたという話を前回のブログに書きました。そこで10年前から北海道に住みワイン造りをしているアメリカ人とワインを造ってみたとの話が出てきましたが、このアメリカ人は10R(トアール)ワイナリーのブルース・ガットラヴさんではないかと考えました。10Rワイナリーの名前は知っていましたが、ブログを書くために調べたところ、北海道の空知で至極まっとうなワイン造りをしているように見える。見える、と書いたのは、日本のワインにはこれまで色々裏切られた私的な歴史もあるわけで、ワインは飲んでみなければ何もわからないからです。

    10Rは、そのホームページにも書かれているように「カスタムクラッシュ」ワイナリーです。「カスタムクラッシュ」とは、自分の葡萄畑を持たずに醸造のみを行うことなんですが、これ葡萄を栽培する側から見ると、醸造をアウトソースしている。近年、ナパバレーで増えてきているワイン造りのスタイルです。もちろん醸造家と葡萄農家は良く話し合いながらワイン造りを進めていくわけです。

    10Rに醸造を委託しているのは、2012年のデータしかないのですが、

        ココファームワイナリー

        上幌ワイン

        中澤ヴィンヤード

        KONDOヴィンヤード

        滝沢ワイナリー
となっています。

f:id:nwawinescom:20190921055450j:imageこことあるシリーズ2017 ピノ・ノワール ココファームワイナリーHPより

f:id:nwawinescom:20190921061318j:image滝沢ワイナリーHPより

オンラインショップもあるようなので購入してみようと思いますが、2018ピノノワール の飲み頃は2022年以降なので、すぐにはレポートかないません。残念です。

    これまでの私の日本のワイン造りに対しての認識は、甲州やマスカットベーリーAなどに代表される、良く言えば日本独自のワイン、悪く言えばガラパゴス的なワインでした。今回調べて、日本にもブルゴーニュやナパバレーと同じようにワイン造りをしているワイナリーやヴィンヤードがあることを知りました。こうしたワイナリーは生産量が少ないので、あまり世間には出回らない。知る人ぞ知る的なんですね。調べを進めていくと、この他にもまっとうなワイナリーはありますが、そのほとんどが生産量が少ないためか、会員制ないしは事前予約制を採っています。この為、なかなか実際のところの日本のワイン事情がわからないわけです。もちろん国税庁の統計ではわかるんですが、どのようなワインがどう流通しているかはわからない。

    これまで日本のワイン造りについては不勉強で認識が足りませんでした。これからは日本のワインやワイナリーについて、もっと知っていきたいと思います。