おかしな関西人とコルシカワイン
一昨年の今頃、羽田空港のさくらラウンジで、私の前に夫婦とおぼしきけっこうオシャレにしている関西弁の男女が座って、以下のような会話をしていました。関西弁をちゃんと書けていないのは、私のせいです。
妻とおぼしき女性(以降妻): なあ、コルシカ島ってどこにあんねん?
夫とおぼしき男性(以降夫): コルシカ島? 北海道のどっかや。
妻:海外と思うで。
夫:なんで?
妻:ヨーロッパ行ってる友達からのメールやもん。
夫:ヨーロッパかぁ。ほならギリシャや。
妻:なんで?
夫:ヨーロッパでな、島言うたらギリシャかトルコや。二つしかあらへんのや。
妻:ほなら、トルコやな。
夫:なんで?
妻:あんたの言うこと、たいてい間違ってんねん。
笑わせてもらいました。
このちょっとおバカな会話に出てくるコルシカCorsica島のコルシカはイタリア語。コルシカ語ではコルシガCorsica、フランス語ではコルスCorse。なんでフランス語が出てくるのかと言うと、フランス領だからなんです。イタリアの方が近いような。だからなのか文化的にはイタリアの影響が大きいようです。コルシカ島は、地中海で4番目に大きい島。一番はどこかっつーと、それはシチリア島。
出典 Explore France https://jp.france.fr/ja/corsica/article/29175/amp
皆さん、かつてのフランス皇帝ナポレオン1世、ナポレオン・ボナパルトさんをご存知のことと思いますが、彼の出生地がコルシカ島最大都市のアジャクシオ(コルシカ語Aiacciu、フランス語Ajaccio)です。観光ポイントとしては、フランスで最も美しい村に登録されているピアナPiana村や、世界遺産のスカンドラ自然保護区などあります。
さてワインです。
AOCもいくつかあって、上記のアジャクシオもAOCです。その他、パトリモニオPatrimonioやMuscat du Cap Corse、ヴァンドコルスVin de Corseなどがあります。赤、ロゼ、白ワインが生産されています。
品種は、赤ワインとロゼワインがニエルッチョNiellucioやシャカレッロSciacarello。ニエルッチョは、サンジョベーゼのコルシカ島での呼び方で、こういうのをシノニムと言います。地方方言みたいなものですね。白ワインがヴェルメンティーノVermentino。
赤ワインのシャカレッロは、地中海性気候で夏は40度近い気温になる島ですので、スパイシーでしっかりとしています。先入観で、暑苦しい香りと味わいかなと思いましたが、割と穏やかで美味しくいただきました。
白ワインのヴェルメンティーノは、お隣のサルディーニャでもポピュラーで、爽やかなワインです。イタリア料理にけっこう合います。
コルシカ島のワインは、やはり輸入量が少ないせいか、デイリーワインとしてはきびしい価格に、特に赤ワインはなってしまいますが、三千円以内で見つけたら、個人的には買いだなと思います。