ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

シャケで年取り魚

 東京っ子は、鮭を『シャケ』と発音するわけで、『サケ』とは言いません。シャケのおにぎり、シャケ茶漬け。まあ『サケ』と発音できないとも言われていますが。今回は、その『シャケ』の話です。ここでは「鮭」と表記します。

 鮭は秋から冬にかけての味覚。東京の朝ご飯の定番メンバーなんですが、関西方面では鰤(ブリ)ですね。

f:id:nwawinescom:20211216115729j:image

シャケの切り身

出典 https://delishkitchen.tv/articles/625

 鮭と鰤といえば、年取り魚という風習をご存知でしょうか。

 年取り魚。あまり聞き慣れませんね。年取り魚は日本の風習でして、古来、新年を迎える準備の一貫で、大晦日にごちそうとして、年取り魚という魚を用意する風習がありました。海に囲まれた日本では、やはりごちそうは魚だったんでしょう。この年取り魚が、だいたい東日本では鮭、西日本では鰤なんです。

 何故、鮭や鰤が年取り魚の定番になったかというと、鮭も鰤も大型の魚なので、見た目がゴージャス。縁起物ですからゴージャスは大事だったんでしょうね。また塩蔵すれば長期保存が可能で、内陸の地域にも輸送が可能だったことがあります。

 年取り魚は地域によって、別の魚も使われます。青森では鱈だそうですし。鮭や鰤は、概ねであって、年取り魚には地域でバリエーションがあるようです。