アメリカのAVA
前回、アメリカのAVAとフランスのAOCについて簡単に説明しました。今回は、アメリカのAVAについてもう少し詳しく説明します。
アメリカ合衆国で、ワインを造っている地域は、主にカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州、ニューヨーク州の4つの州になります。約90パーセントがMade in Californiaです。アメリカは、世界第4位のワイン生産国。ちなみに2018年のワイン生産量は、1位がイタリア、2位がフランス、3位がスペインです。
AVAは、全米の主要なワイン生産地域に存在しますが、消費者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。EUのAOPやフランスのAOCのような葡萄の栽培法やワインの醸造法を規制しているわけではないので、ラベルから読み取れることは、産地、葡萄の種類、収穫年になります。なので、役にはたつけれど、無ければ困るものでは無い程度なのかなぁと正直思ってしまいます。日本のソムリエ試験、ワインエキスパート試験には必ず出題されるので、せっせと覚えるのですが、あまり役に立つとは思えないと指摘しておきます。
まず、カリフォルニア州のワインのAVAを見ていきましょう。大きなAVAは、以下の5つが認定されています。
ノースコースト North Coast
セントラルコースト Central Coast
セントラルヴァレー Central Valley
サウスコースト South Coast
シエラネヴァダ山麓 Sierra Foothills
この大きなAVAの中に、アメリカの郡に小さめのAVAが存在します。
ご存知の方も多い、ナパやソノマはノースコーストに属します。私が好きなHahnワイナリーはセントラルコーストにあります。
ナパは郡で、その中に、Napa ValleyやStag’s Leap Districtなど8つのAVAがあります。このAVAの中に、もっと小さいAVAがあります。このAVAの中に葡萄畑を持つワイナリーが存在するわけです。
例を挙げてみます。下の写真は、有名なOpus One Winery ですが、Opus One Winery は、North Coast AVAの中のNapa Valley AVAの中のOakville AVAにあります。ナパやソノマは、ワインの銘醸地なので細かなAVAに分かれています。このAVAごとに以前説明しましたテロワールが異なるわけです。
アメリカのAVAについて、多少ご理解頂けたでしょうか。前回も書きましたが、ワインを傾けながら、AVAのある土地を想像してみて下さい。できれば、ご自分の好きなワインの葡萄畑やテロワールを想像しながら飲んでみてください。ワインを飲みながら、その土地の匂いや吹く風の香りを感じることができるかもしれません。