ワイン造りに気候は大問題
以前のブログで地球温暖化の為、ブルゴーニュの名門ワイナリーが函館の地で新たにワイン造りに挑戦していると書きました。
https://nwawinescom.hatenablog.com/entry/2019/09/20/111138
一昨年に南ドイツに行った時にも、「最近は、大分暖かくなってきているんで、栽培できる葡萄の種類が変わってきている。」と聞きました。ワインの世界では葡萄栽培の為の気候地域区分というのがあるんですが、これも近い将来は修正やむなしになると思います。
この気候区分、『アメリン&ウィンクラーの気候区分』が有名です。ワインの世界では有名なカリフォルニア大学デイビス校のアメリン先生とウィンクラー先生が、アメリカでの葡萄栽培地域を考える際に参考になるようにと考えられたものです。アメリカ合衆国は、ワイン造りは新しい国です。どの地域でどの葡萄を栽培すれば良いのかが、最初は当然わかりませんでした。そこで、ヨーロッパのワイン造りの地域を中心に気候をRegion I からRegion V まで分けました。アメリカのこの地域は、ブルゴーニュと同じRegionだから、ピノ・ノワール栽培に向くんじゃないか、と言うように。
アメリン&ウィンクラーの気候区分
『度日』という単位を使います。ブドウの生育期である4月1日から10月31日までの1日ごとの気温を測定し、華氏50℃(摂氏10℃)を上回った日のその温度差の合計によって、その土地の気候を区分するものです。Region I からVまでの5つの地域に区分してあります。
Region I 0-2500度日 一番寒い地域
ドイツ〜モーゼル、ラインガウ
フランス〜シャンパーニュ、ブルゴーニュ北部
栽培に向く葡萄
ピノ・ノワール、シャルドネ、リースリング
Region II 2501-3000度日 まだ寒い地域
フランス〜ボルドー
イタリア〜ピエモンテ
栽培に向く葡萄
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ネッビオーロ
Region III. 3001-3500度日 涼しい地域に
フランス…コート・デュ・ローヌ北部、
日本…山形県 そういえば、山形県は果物の宝庫ですね。
栽培に向く葡萄
シラー、サンジョベーゼ
Region IV 3501-4000度日 暖かくなってきました
イタリア…イタリア南部
スペイン…ヘレス
日本…甲府 へぇ、甲府って案外暑いんですね
栽培に向く葡萄
グルナッシュ、カリニャン
Region V 4001度日-
イタリア…シチリア
栽培に向く葡萄
グルナッシュ、カリニャン
甲府はイタリア南部と同じRegionなので、やはり春夏は暑いんですね。
この他にも、海洋性気候だとか大陸性気候、地中海性気候などなどいくつかの区分があります。ワインのテロワールを語る場合、気候はかなり大きな要素ですので、こんな区分もあるのだよ、程度に覚えておくと、ウンチクを語れます😊