ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

ワインと葡萄の一年

 ワインってどんな風に造られているんだろう? ワイン用の葡萄の栽培ってどんな感じ?

ワイン好きの人でしたら興味があるところだと思います。私も興味がありますので調べてみました。実際に葡萄畑で手伝いをしないと分からないところは多々あるんだとは思いますが。

ワイン用葡萄栽培の一年 北半球

 葡萄の樹は、収穫を終えると、春3月になり樹液が溢出してくるまでの間、休眠状態に入ります。葡萄の樹は休眠に入りますが、人間は作業をします。最初の作業は土寄せになります。土寄せというのは、葡萄の樹を冬の霜の害から守るために、樹の根本に土を寄せることで、フランス語でBUTTAGEと言います。ワイン用語はやはりフランス語が基準なんですね、もう全て英語で良いと思うんですが、一応、対応するフランス語も書いておきます。

 次の作業は剪定(Taille)。間引きのようなもので、一本の葡萄の樹からの収穫量をコントロールする為に、余分な枝を切り落とす作業です。葡萄の樹というのは、放っておくとボーボーに伸びて、結果、葡萄の実がつきすぎて、一つ一つの実が貧弱になってしまいます。それで剪定が必要なんですね。

f:id:nwawinescom:20200326081350j:image

f:id:nwawinescom:20200326081449j:image

冬のブルゴーニュ

 北半球では3月の声を聞くと、葡萄の樹から樹液が溢出(Pleur)、つまり樹液が出始めます。このブログを書いている時期には既に樹液の溢出が始まっていると思います。フランス語ではPleurと言います。3月も時が進み、だんだん暖かくなってきて1日の平均気温が10度を超えてくると、芽が出てきます。萌芽、通常は発芽と言いますね。フランス語ではDebourementと言います。

 4月になると、寄せていた土を崩す作業が待っています。畝崩し(Debutage)です。気温もだいぶ暖かくなってきていますね。

 5月、発芽した芽から新しい梢が伸び始めます。新しい梢を新梢(しんしょう)と言います。展葉(Feilleaison)です。その後、蕾がついて(Bourgeon a fleur )きます。

 6月になると、花が咲いて実を結びます。開花 Floraisonから結実 Nuaisonと言います。あまり目立つ花ではありませんが、可愛い花です。

f:id:nwawinescom:20200328211912j:image出典 https://mobile.suntory.co.jp/wine/nihon/blog/15060213.html?transfer=pc_to_mobile&utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com%2F

 ここでもう一度、余分な実や枝を落とします。これを夏の剪定 Rognageと言います。

 7月、8月と葡萄は色づき成熟していきます。色づきをVeraison、成熟をMaturiteと言います。

 さあ、収穫Vendangeの季節です!葡萄の種類や地域によっても異なりますが、9月から10月にかけて収穫されます。収穫された葡萄は、ワイン造りのプロセスに入っていきます。