ヴィーガン ワインとは
私は長年アメリカ関連のITの会社で仕事をしていたので、アメリカ本社からゲストが東京にしばしば来ました。中には、ベジタリアンやヴィーガンの人達もふつうにいたので、案外困ったのが食事。東京広しといえども、ベジタリアンやヴィーガン用に食事ができるレストランは限られている状況です。日本人はあまりここらをケアしないんですよ。
ベジタリアンとヴィーガンの違いがお分かりでしょうか? まずベジタリアンですが、菜食主義者の総称です。ヴィーガンは、卵などの動物性のものは一切口にしない完全菜食主義者のことです。ベジタリアンで牛乳が飲めるグループと飲めないグループがあるように、ベジタリアンもヴィーガンも、食べられるものによって細かく分かれていて、とても説明しきれないです。
ワインにもヴィーガンワインというものがあります。ヴィーガンワインがあるということは、ふつうのワインはヴィーガンは飲めない。う〜ん、ちょっと待ってください。ワインって、原材料は葡萄だけじゃなかったの? 実はワイン造りのプロセスで、動物性のものを使う工程があるんです。それは、ワインの醸造プロセスの終盤、ステンレスタンクや木樽でワインを醸造した時に澱がたまります。この澱を取り除く工程を英語でラッキング、フランス語ではスーティラージュと言います。その後の工程が、清澄(コラージュ)、濾過(フィルトラージュ)で、清澄剤を使用して、ワインをクリアにするための工程です。この清澄剤にゼラチンなどの動物性の粉が使われます。これがヴィーガンの人達には問題なんです。動物性の粉ですから口にはできないんですよ。そこで、コラージュに動物性の粉を使わない、粘土などを使う方法で造られたのがヴィーガン用のワイン。下はヴィーガン マークで、ヴィーガンに適合した食品や飲料にはこのマークがつけられています。ヴィーガン フレンドリーと言います。
動物性の清澄剤というのは決して身体には危険は無いものです。ですから私達には問題ありません。
ベジタリアンワインと言うのもあります。ヴィーガンワインとの差は卵を使っているかどうかだそうです。ベジタリアンの中には卵はOKというグループも存在します。
一般的なワイン 清澄剤に卵由来やゼラチンはOK
ベジタリアンワイン 卵由来はOK ゼラチンはNG
ヴィーガンワイン 卵由来もゼラチンもNG
ご存知のように、海外、特にアメリカ西海岸に行くと、ヴィーガンはふつうの当たり前の話になります。決して特別な人達ではありません。他人の生き方を認め尊重するのが、多様性 ダイバーシティのある健全な社会だと私は思います。この点では日本はまだまだですねぇー。