ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

縄文人がワイン飲んで

    縄文人がね、洞窟の住処でワイン飲んで騒いでいるのを思い浮かべながら、縄文人の悩みってどんなもんだったんだろうって、こっちもワイン飲んで、縄文時代から変わらない月なんか見ちゃってさ。なんか良い気分ですよ。

    日本酒は我が国固有の酒なんですが、日本酒を造るのはワインを造るより、そのプロセスにおいて難しい。以前のブログにも書いたように、日本酒の原材料である米には糖分が含まれていないので、まず麹菌でデンプンを糖化させてからアルコール発酵という手順になります。そう単純ではありません。反面、葡萄には糖分が含まれているのでアルコール発酵をさせればワインになります。したがって、縄文人が造れた酒はワインの可能性が高いのです。

    小泉武夫先生によると(以下引用)、

「縄文時代中期にはお酒がつくられていたという痕跡が残っています。昭和28年8月、長野県諏訪郡富士見町の井戸尻遺跡から、有孔鍔付(ゆうこうつばつき)土器という大型の縄文式土器が出土しました。当初は雑穀などの貯蔵に使われた容器だと考えられましたが、詳しく調べてみると、土器の内側にヤマブドウの皮や種が付着していたのです。」(小泉武夫著 「民族と食の文化 食べるということ」より)

f:id:nwawinescom:20190903162604j:image玉川大学教育博物館HPより

    こういう発見からも、紀元前4000年頃の縄文人は葡萄を使った果実酒つまりワイン造りを知っていたのではないかという仮説が立てられ、その後裏付ける発見がなされています。彼らはワインを造って飲む文化を持っていたわけです。人間とワインの歴史は、わが日本列島においてもものすご〜く古いんです。

   西洋はどうかというと、シュメール人の「ギルガメッシュ叙事詩」に赤ワインのことが書かれているのが最古だそうで、ここらが紀元前5000年頃です。ジョージアで発見されたワイン用の壺の年代が紀元前5000年から5800年だそうです。

    洋の東西を問わず、人とワインの関係は7000年以上。7000年はとんでもなく長いです。人間ってやはり酒好きなんですね。酒は祭祀にはかかせませんし、何より美味い。酒を飲めば縄文人もシュメール人も現代を生きる私達も、酔っ払って嫌なことを忘れられますしね(笑)