ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

好きなワインの見つけ方

  ワインを何故飲むのか? アメリカ人は、ソフィスティケートされているからが理由。他の酒より格好いいというのがワインを飲みだした原動力だったらしい。ワインは酒だ。酒だが、いわゆる「酒飲み」だとか「アル中」という言葉から距離がある。「飲んだくれる」というイメージからも遠い。なので、外で飲んだ時は、決して酔っぱらうまで飲むべきではない。あくまでスマートにいくのだ。家飲みの場合は、酔っぱらいたければ、心行くまでどうぞ!

  ワインは美味しいから飲む。楽しいから飲む、が基本だと思う。必須知識だから勉強しなければならない、という代物ではないね。また酔っぱらうために飲むのはたいそう間違い。そういう人はテキトーなアルコールでも飲んでおけばよいのだ。

  私が思うに、まずは自分の好みを知ることだと思う。ワインは一種の嗜好品なので、ある人が美味しいと言っても、自分が美味しいと感じるかはわからない。逆に、自分が美味しいと思っても、他人に無理強いをしてはいけない。いるでしょ、「これ美味しいんだから、ぜったい飲んでみて」とか言う人。ここまでは、参考になる可能性があるので許せるが、だいたいこういう人は、「ねっ、美味しかったでしょう。」と賛同を要求してくるのだ。こうなるともういけない。

  気の利いたビストロか何かで、気の利いたソムリエがいて、ある程度常連になっていると、こちらの好きそうなワインを薦めてくれる。そこで飲んだワインが、「美味しい!」と思ったら、ネットで売っているかをGoogleでいそいそと探そう。適当な価格だったらポチる。そして家で飲んでみる。やっぱりうまかったら、葡萄の種類と産地、ヴィンテージ(つまり生産年度)を覚えておこう。こういったプロセスを数回経ると、だんだん自分の好みがわかってくるものだ。次は、自分が好きだと思ったワインに近いワインを見つけて試してみる。この繰り返しで、自分の好きなワインワールドが広がっていく。ワインは、世界中で膨大な数の種類が生産・販売されているので、これを全部知るのは無理。だから、参考にできるものは参考にする。しかしながら、最終的な判断は、自分自身しかない。ここが大事。有名なソムリエが美味いと言っていたらから、有名なワインだからといった権威主義に迎合してはならないと思う。好きか嫌いか、どーでもいいかである。「有名なソムリエのAさんがおすすめしていたから。」で味もわからず飲んではしゃぐタイプにはなってはいけない。お金を無駄遣いするだけである。

  ワインには食事が付き物だ。料理と合わせることで、マリアージュが上手くいき、第三の味のような得も言われぬ味わが口に広がる。私は、フレンチやイタリアン、ステーキだけではなく、家のみでは、冷奴やもろきゅうなどにも合わせてみる。ワインそのものだけではなく料理との相性についても考えてみると楽しい。和食や中華、ベトナム料理などでも試してみるともっと楽しい。たとえ相性が良くなくても、「これ合わねえな」とつぶやいたり、会話したりするのも楽しみだと思う。「肉料理には赤、魚料理は白」だと昔言われていた。確かに肉料理には赤ワインが合うが、赤でも合う合わないはあるし、白が飲みたければ白ワインを飲んでも良いと思う。ただビジネスの会食などでは、相手がいるので、独りよがりになってはいけません。相手と合わせながらコミュニケーションを取っていくのです。これは、ワインに限ったことではないでしょ。

  最初のワイン選びは、このブログのワインに使われる葡萄でもご紹介しているように、代表的な三種類からいってみると良いと思う。あとは、おのれの感性に任せて、ワインワールドを浮遊して行くのだ。

写真は、カリフォルニアのMichael Davidのもの。こういった変わったラベル、エチケットと言いますが、を集める人もいます。

f:id:nwawinescom:20190626110148j:plain

Michael David