ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

日本酒のテロワール

    先日、あるビジネス関連の会合の懇親会に出席した折、副業で日本酒造りをしている方と知り合いになりました。彼によると、どこの地域で育てられた米を使っているかがわかれば、日本酒の味の当たりがつけられるそうです。これは一種、日本酒のテロワールと言えそうです。日本酒の原料は、純米酒である限りは米と水になります。最近評判が高い獺祭は、磨き率を高めて、杜氏は使わずにステンレスタンクで科学的に醸造をしているようですが、伝統的な製法では酒蔵に住む酵母菌と杜氏さんが酒を造っています。

    以前のブログで日本酒にもテロワールがあってしかるべきだなぁ、というような事を書きましたが、米の品種と栽培地、醸造に使う水の取水場所でテロワールが構成できるように思っていたところ、前述の日本酒造りをしている方のお言葉があり、かなり納得しました。https://nwawinescom.hatenablog.com/entry/2019/08/06/000005

    ご存知のことと思いますが、私達がふだん食べている米と日本酒に使われる米は違います。私達が食べている米は、品種によって、味や香り、食味や食感が異なりますよね。また、同じコシヒカリでも新潟魚沼産のものと福井県産のものでは異なります。好き好きありますよね。僕は最近では、青天の霹靂が好きです。

    日本酒に使われる米も同様だと考えます。日本酒に使われる米を、酒造好適米と呼ぶんですが、代表的な物で五百万石や雄町などがあります。

f:id:nwawinescom:20190927022046j:imageKurand HPより

    ワインのように、栽培地が数十メートルずれているだけでテロワールが変わってしまうレベルの細かいことは必要無いと思いますが、どの地域のどんな田圃で育てられた米なのかを知ることで、単に酒造のロケーションだけでは想像できない何かがあるような気がします。同じ酒造でも、新潟県のどこそこの五百万石と秋田県の五百万石を使った2種類の酒ができると素敵です。もう実際にやっている酒造もあるとは思いますが。

    酒造好適米の情報はこちらが詳しいので、よろしければご参考にしてください。

https://kurand.jp/blog/sake-sakamai/

https://serai.jp/gourmet/298323