ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

アメリカが世界だ!と思っているアメリカ人

 長年、米国の会社に勤めていると、良くわかってくるアメリカ人の特性の一つに、『世界 = 俺たち、私たち』思考があります。

 私は、米国のIT系の会社、数社に勤めていたことがあるんですが、たまにカスタマーウィーク(会社によって名称はさまざま)なるものを開催して、世界中から優良顧客やパートナー企業の人達を集めて、製品ロードマップと呼ばれる製品開発計画や技術の紹介などをします。

 そうしたイベントで、様々な国から参加している人々を相手に、アメリカ人が、『ワールドワイド』とか『グローバル』とか発言することがあるんですが、というか頻繁に使うんですが、この場合、彼女、彼らの頭の中は、だいたいにおいて、『ワールドワイド = アメリカ合衆国 + せいぜいカナダ』になっています。アメリカ合衆国以外のことは、考える、考えない、というレベルではなくて、はなから存在していないんですね。自分達が全てだと刷り込まれています。井の中の蛙大海を知らず、状態が甚だ極まっています。従って、聞いている参加者は、ワールドワイドだとかグローバルに自国は含まれていないと考えた方が良いでしょう。まあ、一般論かつ私の個人的な意見ですが。

 ちなみに、私はこういった場で、

『今、ワールドワイドとおっしゃいましたが、日本には、このサービスの適用はあるんですね。』と聞いたところ、

『まだ、適用の時期は決まっていません。』という回答でした。

自身たっぷりな言い方がちょっとカチンときたので、少し意地悪な質問を、

『それでは、ワールドワイドで、サービスの適用がされている国や地域を教えてください。』

回答は、

『北米になります。』

『それでは、ワールドワイドにならないと思いますが、それとも北米イコールワールドワイドなんでしょうか?』

『いや、今後、様々な国や地域に適用がされていくという意味で申し上げました。』

ここまでくると、周りはかなりザワザワしてきます。

後ほど、フランス人やドイツ人から、良く言ってくれたと握手を求められました。

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 アメリカ人は、『英語』が世界中どこでも通じると思っています。英語が通じない場合には、英語がわからない人が悪いと思うんですね。これは私自身にも、そういう傾向があるので、よくわかります。数年前に訪れたドイツでは、案外、英語が通じませんでした。まあ日本よりはマシなんですが、レストランで英語が通じない。え〜、ドイツ語と英語の距離は、日本語より近いじゃん。この場合、英語を解さない相手が悪いと考えてしまいます。これが、日本語が通じない場合は、『仕方ないよね』になります。

 似た考え方に、中華思想があります。中国の中華思想は、『世界には野蛮な国なんかが色々とあるけれど、中心は、ココ、中国だから』で、世界には色んな国や地域があることは、一応認めています。中心が中国。悪く言えば、一種の差別的思考です。

 アメリカ人の考えは、世界 = アメリカ合衆国。

 アメリカ人が、他の国々を訪れた場合、そこが他の国で、異なった文化や価値観があるとは考えていません。英語も含めて、アメリカ人の価値観のみで行動してしまうので、傍若無人だとか言われるわけです。自分達が理解不能な状況に出会うと、『わけがわからない得体の知れない国』となってしまいます。

 アメリカ人と付き合う場合、特にビジネスの場合は、考える道筋が日本人とは異なることがあるので、注意が必要です。アメリカ人のビジネスパースンが理解しやすい論理構成が確かに存在します。この論理構成は、また別の機会に。

 今回、書いた内容は、甚だ個人的な意見であるとお断りしておきます。