ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

山梨県はワイン県?

f:id:nwawinescom:20190809000547j:image   (山梨県勝沼の風景)

    昨日、山梨県が自らワイン県と宣言しました。山梨県の長崎知事がそう発表するのをNHKで見ました。山梨県がワインの生産量日本一というものが理由なんですね。山梨県に足を運んでもらう為の施策だと思います。実際、あまり本来の香りや味わいでワインを選ぶ人は少ないので、ワイン県宣言の目的の観光客を集めることは上手くいくのではないかと思います。個人的な感想を言えば、山梨は比較的東京、神奈川、埼玉の首都圏から近いので、もう少し観光客が増えても良いと思うのですが、楽しめる施設が少ないのかなと。例えば、ワイナリー巡りをしたとしても、人間飲める量は限りがあるので、せいぜい2~3ワイナリーで終わります。それ以外は、季節によってはフルーツ狩りでしょうか。あと、工場見学ができる信玄餅桔梗屋さん。まあ温泉もありますが。そうなるとコストパフォーマンスが悪いような気もします。JRの特急かいじを使うと往復で7000円前後かかります。車で行くと高速代が往復で8000円前後で渋滞が頻発しています。これでは、なかなかね。JRには、お得な切符を発売して頂きたいです。また、勝沼ぶどう郷内の移動手段をもそっと便利に。バスのルートや増便なども考えて欲しい。

    私の知っているフランスやアメリカのワインカントリーは、美味しい料理が付きものなんですが、山梨はほうとうは美味しいけれど、その他はどうなんでしょう。オーベルジュがもっとあって良いと思います。美味しいワイン、美味しい食事、美味しい空気を楽しめる設備が欲しいと思います。

    長崎知事は、山梨県が日本一のワイン生産量だとおっしゃっていました。国税庁の平成29年度の日本ワインの生産量、出荷量ともに確かに一位は山梨県でした。

     一位:山梨県

     二位:長野県

     三位:北海道

同じく平成29年度の生産量ベースで、

     山梨県:31.3%、長野県:23.1%、北海道:16.6%

となっており、この1道2県で日本全体のワイン生産量の7割を占めています。

    問題なのは、品質です。ワインは嗜好品なので、各自の好みがありますので、この点を語るのは難しい。長崎知事は「世界で勝負できる」とおっしゃっていましたが、私は、まず第一に、日本人が気楽に買えて飲める高品質なワインを是非多く造って頂きたいと思いますし、願います。

    先日訪れたグレイスワインのような高品質なワイナリーは、まだほんの一握りだと私は思います。多くは旧態依然としたボチボチのワインを生産している生産者でしょう。山梨県だけでなく、長野県や北海道、その他の地域の方々にも頑張って頂いて、日本のワインがまず日本で多く飲まれて、日本ワイン好きが生まれ、そして世界でも飲まれるようになって欲しいと切に願います。