ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

Make a Difference

    私の好きな言葉に、

“We educate leaders who make a difference in the world.”

というものがあります。これは、Harvard Business School (HBS)のミッションになっています。私達教育を受ける側は、「世界を変える気概を持って生きることのできるリーダー(人間)になれ」ということだと理解しています。ビジネススクールでは、様々なスキルは教えてくれますが、それだけでは優れたリーダーにはなれません。常に変化をチャンスととらえ、自ら粉骨砕身するリーダーになる為には、気概、やる気、志、覚悟が必要です。英語ではモラルと言いますが、日本人には無理だろ、という高いレベルでモラルを維持することがアメリカ企業では求められ続けます。私は長く外資系IT企業に勤務してきましたが、正直しんどかったです(笑)。

    大事にしたいことは、make a difference です。伝統を踏まえて、勇気を持って新しいことにチャレンジし、difference を造る。これはどの世界でも同じだと考えます。今日はチョットかたい話題でスンマセン。

    で、ワインの話です。ワインの世界では、オールドワールドとニューワールドという言葉が使われます。以前のブログにも書きましたが、オールドワールドは、フランス、イタリア、スペイン、ドイツなどのヨーロッパ諸国を指すんですね。昔からワインを造っていたエラソーにしている地域です。対してニューワールドは、アメリカ、日本、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、チリ、アルゼンチンなどの比較的新しくワイン造りを始めた地域です。ニューワールドでは、もちろんオールドワールドで確立している技術を使用できるというアドバンテージはありますが、新たな土地を切り開く苦労はあると思います。新しい世界を開拓していくスピリットが必要でしょう。また、オールドワールドでの反省を踏まえた新技術の導入も必要です。

    オールドワールドでは、既に土地は固定されていました。日照時間などが短く葡萄が完熟しない欠点をさまざまな技術で補い、それ以上に複雑なものに仕立てる技術が発展してきました。ニューワールドでは、適切な土地を選ぶことができたので、完熟した果実味豊かな、どちらかと言えばシンプルな香りと味のワインが造られました。

    オールドワールドもニューワールドも、ワイン造りの伝統は踏まえて、新しい事に挑戦する進取の気勢が必要だと思います。現状にあぐらをかいているワイナリーは、淘汰されるのみです。ワイン造りの世界でも、Make a difference は重要でしょう。

ニューワールド

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オールドワールド

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