ボトルに詰まった歴史と精神
Hahn Family Winesというワイナリーがカリフォルニア、サンフランシスコの南のモンタレーの高台にあります。このSanta Lucia Highland（SLH）と呼ばれる土地に、数十年前、NickyさんとGabyさんのHahnご夫妻が土地を買って、牛や羊や馬の飼育を始めた時にはワイン醸造は２番目の優先順位だったそうです。ワインを世に出すには、やはり手間暇とお金がかかるのですね。その２番目の優先順位だったワインですが、1980年にHahn Family最初のワインがリリースされます。また、1991年にはAmerican Viticultural Area （AVA）アメリカ葡萄栽培地の指定を受けます。Hahnご夫妻、頑張りました。場所もアメリカ西部、現代版のフロンティアスピリットだと思います。今は、650エーカーの葡萄畑の規模になっており、経営は息子さんのPhilipさんに譲られていらっしゃるようです。
Hahnのワインは、コスパ良く、カリフォルニアらしく果実味豊かでクセの少ない、とても美味しいワインです。Pinot Noir専用の葡萄畑も所有されており、ブルゴーニュとは異なる、カリフォルニアらしさの詰まった美味しいPinot Noirが頂けます。
Hahn Familyの話を書いたのは、アメリカの西海岸と北西部には比較的新しいワイナリーが増えていますが、土地を耕し、葡萄を育て、醸造し、寝かし、最初のワインをリリースすることは、並大抵ではできないことだと思うからなんです。フロンティアスピリット、覚悟が必要なんですね。お米の国の私達は、お百姓さんの苦労を思いご飯を頂きます。ワインを飲む時に、ワイン造りの苦労を思い浮かべるのも、一興かと思います。一本のボトルに、そのワイナリーの歴史やフロンティアスピリットが詰まっているのですね。
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