ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

ワインのヴィンテージと飲み頃

 ワインにはボジョレーヌーボーのように、今年2021年に収穫したブドウを使いワインを造って今年飲む新酒があるのは、日本でこれだけ売れているので皆さまご承知のことですが、ほとんどのワインは熟成を経て出荷されます。

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 例えば、今年2021年に収穫されたワインが市場に出てくるのは、早くて来年2022年秋以降になります。ワインショップを覗くと、今は2019年のものがデイリーワインには多いようです。

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 ブドウの収穫年をヴィンテージと言うんですが、「2016年のボルドーは、2010年以降最高のヴィンテージの1つ」のように使います。つまり地域ごとに天候は異なりますので、ある地域の今年の天候がブドウの生育に良かったのか悪かったのか、まあまあだったのかによって、その地域でその年造られるワインの良し悪しがほぼ決まるわけです。

 値段が高いワインですと、飲み頃というものがあります。これはボトル内でも熟成が進み、それにより渋味がマイルドになったり、香りや味わいが複雑になったりするわけです。

 面倒なのは、ワインを寝かせれば寝かせるほど良いわけではなく、最高潮に達した時点以降は、逆に酢のような香りが出てきて、ちょっと飲めないになってしまいます。

 基本的には、赤ワインで、高いワインほど寝かせる期間が長く、安いワインは短いのが原則です。長いというのは、10年以上になります。

 それじゃあ、いつ頃が飲み頃なのかを推測するんですが、ワインのプロでも難しいんです。ワインは開けてみなければわからないので、結果、早過ぎた、遅すぎたが生じます。

 例えば2003年のシャトームートンロスチャイルドというボルドーの高い赤ワインがあるんですが、プロでも推測が分かれていて、しかも飲み頃の期間が長い。

 ロバート・パーカーは、2014年~2029年

 ジャンシス・ロビンソンは、2010年~2023年

2人が被っている期間は、2014年〜2023年。これで最高潮の期間が約10年。まあ実際10年あれば、だいたいその期間内に飲めますね。

 このシャトームートンで最長がロバート・パーカーの26年後ですので、よく子供が生まれた年にワインを買って、その子が20歳ななったお祝いに開けて飲もうなんてことをする人がいらっしゃるんですが、、かなりレベルの高いワインでないともちませんね。

 まあ、私たちの飲んでいるワインは、こういう心配の無いワインばっかりなんですが、一万円前後のワインになってくると、やはり飲み頃は気にします。

 私は個人的には、一万円以下の赤ワインの場合、比較的早飲みが好きなんで、今はボルドーのもので、2015年前後を多く飲んでいます。

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