ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

ワインの飲み頃とは

 少し高めのワイン、7000円以上するワインの場合、ワインの飲み頃ということが言われたりします。数年前、カリフォルニアのナパバレーのOpus Oneを訪問した時、飲み頃は8年後だと言われました。同じOpus OneのワインでもOvertureには飲み頃指定はありません。Overtureも数万円するワインですが、単年度のワインではなく数年分をミックスしているので、即飲めます。

f:id:nwawinescom:20191103142513j:imageOpus One Winery

 先月、山梨のグレースワイナリー(中央葡萄酒)のキュベェ三澤倶楽部の蔵出しで、「明野甲州2018」と「あけの」を注文しました。「明野甲州」は、2020年以降が飲み頃になっています。「あけの」には飲み頃指定はありません。あけのは、既に充分樽で熟成されているのでしょう。

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 そう、お高めのワインには飲み頃というのがあるんですね。収穫をしてから何年後と飲み頃が指定されているワインは、瓶内での熟成が期待されています。一般的に、瓶内熟成が進むとタンニンが減りまろやかな味わいになり、香りは一層華やかになると言われています。味わいも、より複雑化していきます。つまりワインの美味しさが右肩上がりで上がっていきピークに達するわけで、このピークがそのワインの飲み頃になります。ピークが過ぎると当然へたっていきます。

 収穫してから何年後が飲み頃なのかは、どうしたらわかるのでしょう? 飲み頃は、産地、葡萄、当たり年、外れ年により、それぞれと言われています。厳密に言えば、ボルドーとカリフォルニアを一緒には考えられない。ここではあくまで一般論を述べておきます。白ワインは収穫後3年から5年。赤ワインの場合は、5年から10年が飲み頃と言われています。それでもワインの初心者には判断が難しいので、失敗はできない高級ワインを開ける場合は、購入した店の方やソムリエに聞いてみるのが良いと思います。三千円以下のデイリーワインの場合は、白ワインはお早めに、赤ワインも比較的早めに飲む方がよろしいようです。