ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

舌を噛むぞヴィティス・ヴィニフェラ Vitis Vinifera

    ヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis Vinifera)という舌を噛みそうになる言葉は、ヨーロッパ葡萄の学名なんですね。このヴィティス・ヴィニフェラは、主にワイン用の葡萄を指します。これに対し、アメリカ葡萄は、ヴィティス・ラブラスカ(Vitis Labrusca)と言い、主に生食用の葡萄の学名です。両方ともに総称になります。ヴィティス(Vitis)というのが、学名でブドウ属を意味します。なんで学名の話をするかといいますと、このヴィニフェラ種、ワインの話にはつきもののように出てくるので、一応カバーしておこうかと(笑)。

    ヴィティス・ヴィニフェラ、ヨーロッパ葡萄の下位分類には、皆様ご存知のカベルネソーヴィニヨンやピノノワールメルローなどのワインに使われている葡萄がほとんど含まれています。ヴィニフェラ種には約1000種類の葡萄が世界にあると言われています。

    ヴィティス・ラブラスカアメリカ葡萄には、イザベラとかカトーバとかがあるらしいんですが、かろうじて知っているのはコンコードぐらいです。コンコードは、ウェルチのぶどうジュースに使われていたと思います。それでは、皆様が秋に食べる巨峰やデラウエアはどうなんでしょうか? これらは、ヴィニフェラ系交雑種にカテゴライズされているようです。

   生でそのまま食べる巨峰、美味いですよね。でも巨峰で造ったワインはあまり見かけません。生で食べる葡萄とワイン用の葡萄は基本異なるんですね。生で食べて美味しい葡萄がワインになって美味しいとは限らないのです。私の知る限り、ワイン用の葡萄は、粒が比較的小さくて、皮が多少厚いものが多いようです。ワイナリーで残っていた葡萄をつまみ食いしたことがあるんですが、美味しかったです。甘さが多少くどいのですが、これがワインの濃縮につながるんですね。

    このヴィティス・ヴィニフェラを脅かしたフィロキセラという害虫の話があるんですが、それはまた次回以降に。

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