ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

ワインにはまった30年の3

 前回は、AOCブルゴーニュで笑われたところまででした。

https://nwawinescom.hatenablog.com/entry/2019/11/05/102019

 AOCというのはフランスの原産地呼称で、AOCブルゴーニュとくれば、赤ワインならピノノワール 、白ワインならシャルドネと決まっているわけです。ですので、葡萄名を言わずともわかることになるのですね。これを知らないのは物を知らない人間だと、少なくともフランス人には思われます。実際のところ、このAOCは、ワインの世界でもかなりの基礎知識になるんですが、正直、どーでもいいっちゃいいんですよ。フランス人に何と思われようがね😊 

 ビックリしたと言うことで、フランス人はとにかくよく飲むと書きました。万国共通ですが、特に人や会社の金だと意地汚く余計に飲んだり食ったりしますね。私の知っているフランス人は、果てを知らない。動物と一緒で、腹一杯になるまで食べます。そのせいか、とにかく会食に時間がかかります。これが、もう一つのビックリしたことですね。この時も、テーブルについたのが午後8時。その前から、少し飲んで来ています。会食が終わるのがだいたい午前零時前後。ワイン飲みながら、ペチャクチャよく喋る。内容はほぼ下らないんですが、飽きずに喋り倒します。4時間以上です。長っちりで、まあ付き合い切れないですね。この後、何回かは最後まで付き合いましたが、それ以降はだいたい途中で帰るようにしました。夜中まで食ったり飲んだりしているから、朝ご飯が食べられないことになるので、コンチネンタルブレックファーストは軽めなんだと納得したように覚えています(笑)。まあ、食を楽しむのは悪いことじゃありません。そのせいか、フランスはドイツやイギリスより食文化が豊かです。

 今では階級制度は基本的にはありませんが、フランス人はおのれの分をわきまえている人が多いようです。例えば、ミシュラン三ツ星には行かずに一生を終える人が多い。金の問題もあるとは思うのですが、それ以上に、ミシュラン三ツ星に行ける階級には属していないから行かないとしているようです。貴族階級の名残と言えば、名前がありますよね。シャルルドゴールのド、ジスガールデスタンのデ、つまり苗字の前にdeが付いた場合は、だいたい貴族階級の出身です。ドゴールの場合は、ゴール家のシャルル君です。フランスの大統領もミッテランさん以降は平民出身のようです。この点、作家の阿川弘之氏が言われたように、戦後、日本はモノクラスになったので、何でも平等になりました。金次第でなんとでもなる社会ですね。アメリカ的なんでしょうか。

 飲んでいるワインも自分の身の丈にあったもので、シャンパンなんかはKRUGはおろかヴーヴクリコも知らない人達がいます。思うに、この身の丈に合った生活というのは、人として正しき生活ではないか。分不相応は不幸になると、昔の日本人もわかっていたと思います。

 ただ、会社から金が出るとなると、ここぞとばかり飲みまくり食べまくる奴がいることも事実です。ここは日本人も一緒ですね。