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ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

フランスワインの格付け

 Grand Cruと言う言葉を聞いたことがあると思います。日本語で特級や最高の意味になるんでしょうか。実際、Grand Cru グランクリュはフランスワインの格付けのトップになります。

フランスのワインの格付けなんですが、実はちょっとめんどくさい。なんでめんどくさいかと言うと、まず格付けが2つ存在します。国のワイン法と各地域ごとの決め事なんです。今回は、フランスワインの格付けについて説明します。

AOC、AOP

 まずフランスのワイン法による格付けは、1935年に制定されたAOC(Appellation d'Origine Contrôlée)があります。EUのAOPとの違いは、簡単に言うと、もともとのAOCを頂点とした格付けには、4段階ありました。上からAOC、VDQS、Vin de Pays、Vin de Table。VDQS以下はAOPの、AOP、IGP、Vin de Franceに統一されましたが、AOCだけはAOPより規定が厳しいので残りました。従って、フランスのワイン法に基づく格付けの最高峰はAOCになります。

 次に、各ワイン生産地域の格付けがあります。生産地域ごとの格付けですから、ある意味、地域の勝手でしょになるので、それぞれに格付けがあります。

 ブルゴーニュの格付け

 ブルゴーニュの格付けは、ワインを造る葡萄の畑に対して与えられます。AOCになっている地域全ての畑に対して下記のように格付けが与えられています。ブルゴーニュの格付けは、4クラス。上から、

Grand Cru 特級畑

Premier Cru 一級畑

Communals 村名

Regional 地区名

General 地域名

地区と地域は一つのランクとして扱われるようです。

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 ボルドーメドックの格付け

 ブルゴーニュと並ぶワインの銘醸地のボルドーの格付けはどうなっているのでしょうか。ボルドーの格付けは、ワインを生産するシャトーと呼ばれるワイン生産者に対して与えられます。この格付けなんですが、1855年のパリ万国博覧会の時、ナポレオン3世の命令により、ボルドー市商工会議所によって制定されました。ボルドー市の商工会議所の制定だったので、管轄外のサンテミリオンなどは外されています。

ボルドーメドック地区の格付けは、一級から5級までの5段階になっています。この下にクリュブルジョワというランクがあります。

ボルドーサンテミリオンの格付け

 ボルドー市の商工会議所に外されたサンテミリオン地区ですが、1955年に制定、1958年発表しました。10年に一度見直しがされます。

PREMIER GRAND CRU CLASSE A

PREMIER GRAND CRU CLASSE B

GRAND CRU CLASSE

の3ランクです。

 最後に、あるワインの出来はどうなんだろう、という疑問は当然あるわけで、格付けとは離れてワインそのものを評価しようというのがパーカーポイントに代表される点数による評価です。このワインはパーカーポイント92点とかになります。

 今回は、フランスの格付けがどのようになっているかザッと見てきました。それぞれの地域の詳細は、また次回以降に。