ボルドーは複雑怪奇
ボルドーというのは言うまでもなくワインの銘醸地かつ大産地です。シャトーと呼ばれる醸造所が数多くあり、超お高いワインが生産されているイメージです。シャトーマルゴーやシャトーラフィットロッチルドなどの名前を高級ワインの代名詞として聞いたことがあると思います。
フランス語のシャトーって「城」って意味ですよね。昔はワイナリーと城が頭の中で結びつかなくて、「ええっ、城の中でワイン造ってんのかなぁ。」なんて思っていました。シャトー=醸造所なんですが、実際、城のように立派な建物の醸造所が多いようです。
ボルドーという地域は複雑で良くわからない地域だとも思っています。個人的にはちょっとめんどくさい。地区名や村名、シャトーなど数がいっぱいあるでしょ。実際のところ、手頃な価格でいったいどの銘柄を買ったら良いのかわからなくてこれまで多少敬遠ぎみにきました。
AOCで考えてみると、一番でかいのがAOCボルドーになります。ボルドー地域全体ですね。次にその地域の中にある地区で、メドックだとかグラーブ、サンテミリオンなどになります。そして一番小さいのが、そういった地区の中にある村なんです。例をあげると、
AOCボルドー-> AOCオーメドック-> AOCマルゴー
当然、ワインの価値は広い地域より狭い地域の方が高くなるので、村名が付いたAOCのワインが価格も高くなります。
写真は、Chateau Margauxの3rdのMargauxです。素晴らしく美味しいワインです。Appellation Margaux Controleeになります。
ボルドーの地区をあげてみたいと思います。
ジロンド川左岸
Medoc
Haut-Medoc
ガロンヌ川左岸
Graves
Sauternes & Barsac
ドルドーニュ川右岸
Saint-Emilion
Saint-Emilion Satelite
Pomerol
Fronsadais
Cotes
ドルドーニュ川左岸及びガロンヌ川右岸
Entre-Deux Mers
ジロンド川右岸
Cotes
かなりありますよね。また、一つの地区に複数のAOCがあったりします。また、この地区の中に村々があるわけで、その村にシャトーがあるんですね。ですから同じボルドーと言っても、ジロンド川左岸とドルドーニュ川右岸では、かなりテロワールが異なります。ボルドー地方は、面している大西洋を暖流のメキシコ湾流が流れていて、海洋性気候に分類されています。同じ気候でも土壌などが異なればテロワールは違ってきますよね。
ボルドーには、「格付け」があります。この格付けというものの存在がより話をややこしくしています。「シャトーマルゴーは一級だから。」なぞというフレーズを聞いたことはないでしょうか。メドック地区では1級から5級まで合計60のシャトーが格付けされています。この格付け、1855年のパリの万国博覧会までさかのぼります。当時のナポレオン3世が万博に出品するボルドーワインを格付けしろとボルドー商工会議所に命じて、数あるシャトーの中から88が選ばれ1級から5級まで格付けされました。ボルドー商工会議所が実施したことから、リブルヌ商工会議所の管轄するサンテミリオンやポムロールのシャトーは入らず、赤ワインはメドック地区のシャトーのみになりました。例外が当時既に名声をはくしていたグラーブ地区のCheteau Haut-Brion。この時の格付けが現在までも生き続けています。最高ランクの1級に格付けされているのは以下の五つです。
ポイヤック村
Chateau Lafite-Rothschild
Cheteau Latour
Cheteau Mouton-Rothschild(1973年昇格)
マルゴー村
Cheteau Margaux
グラーブ地区
Cheteau Haut-Brion
まあ、お高いワインばかりです。頑張って稼いで飲むしかありませんね。