ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

フランス料理とソムリエまたはソムリエール

 先日、行きつけにしているフランス料理屋に行ったんですが、ワインと料理について少し考えるところがありました。この店のシェフとの付き合いは5年近くになるので、予約時点で営業状況とソムリエの方が辞められたというのを聞いていました。聞いてはいましたが、ソムリエ不在というのが、こんなにもフランス料理に与える影響が大きいのかを実感しました。思うところを書いてみます。

 大まかに言って、私がソムリエに期待することは、『ワインの品揃え、料理との相性、ワインの温度管理』の3点になるのかなと思います。この辞められたソムリエの方との付き合いは長かったので、こちらの好みを理解して頂いていました。従って、この3点に加えて、『当方の好みのワインを出して頂ける』が加わりました。辞められてとても残念です。

 これまでの経験からなんですが、ソムリエ不在になった場合、上述の3点が駄目になるケースがあるんです。

 私にとってのフランス料理と言うものは、ワインとセットで出来上がっているものです。もっと基本的なことを言うと、

 料理、ワイン、サービス

この3点が揃っていない料理屋にはあまり行きたくありません。特に記念日のディナーやランチには使いたくありません。ところがこの3点が揃った料理屋は残念ながらあまり無いのが現状。もちろん高い金を払えばあります。ミシュランの星付きで、ここに問題があるとそもそも星が無くなりますから。ただ、ミシュラン星付きに毎週行けるほど当方金持ちじゃないんで。記念日でもワインと料理で2人で6万円は正直痛い😊 だからある程度の予算の範囲で良い店を見つけたいわけです。できれば、ワインと料理で2人で3万円で収まると嬉しい。こういった店の私の手持ちは東京で約10件程度です。レストランありビストロあり、ミシュランのビブグルマンの店も入っています。一種宝物みたいなものです。ワインの品揃えがしっかりしている店でコスパがある程度良い場合、シェフソムリエかソムリエがサービス係を兼ねていることが多いですね。

f:id:nwawinescom:20200705073328j:image

 パリに住んでいた時、フランス人の友人と会食をすると、料理とワインにはだいたい同じぐらいの金額をつかっていました。例えば、料理が2人で100ユーロでしたら、ワインに80-100ユーロをつかう感じでしたね。しかし東京に戻るとこの感覚が異なりました。というか、ワインは料理の添え物的な店が多かった。料理とのマリアージュなどはどこ吹く風でした。今でもあまり変わっていないかな。客側も、もう少しワインと料理のマリアージュ、簡単に言えば相性に気を遣っても良いかなと思います。諸事情あるとは思いますが。

 まあ、そんなことはアンタの勝手な好みじゃんと言われればそれまでなんですが。今のご時世、『応援する』『サポートする』姿勢は重要だと考えています。そういう意味でも客が店を育てる側面もあって良いと、思うところを書いてみました。ソムリエの存在は重要です。優れたソムリエは貴重な存在だと思います。