ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

春節

 サンフランシスコやシンガポール、横浜の石川町に住んでいた頃は、チャイナタウン(中華街)の春節のお祭りは身近なものでした。

 春節とは、中国・中華圏における旧正月で、全世界の中華系の人々にとって最も大切で伝統的な祝日です。

 今年、2022年の春節は、本日2月1日。日本の正月と同じく、多くの人は帰省をしますので、1日前から休みに入り、休みは1週間続きます。

 日本の『あけましておめでとう』や『謹賀新年』にあたる言葉は、

 新年快楽、恭喜発財

 

 春節の間は、龍舞や獅子舞が出て、爆竹が鳴り、それは華やかな祭りが行われます。爆竹の音がうるさいぐらいで、爆竹の煙でそこら辺が白くけぶります。

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https://www.chinatown.or.jp/event/event/shunsetsutouka2022/

 自宅の玄関の門には、門松ならぬ、赤い縦長の紙に縁起の良い言葉が書かれた『対聯(ついれん)』と呼ばれる紙を、両側に貼ります。対聯は「門符」、「春貼」、「立春の掲示」とも呼ばれていて、春節の伝統的な飾り物です。伝統的な飾り物といえば、『福』の文字が逆さまになった『倒福』が思い浮かびますが、倒福も春節に、福が自分の家に至る、福が来るようにとの願いを込めて自宅に貼ります。ちなみに、中国語で「福が逆さまになる」という意味の「福倒了(フー・ダオ・ラ)」は、「福が来る」という意味の「福到了(フー・ダオ・ラ)」と同じ発音なんです。

 

 春節の食べ物は、だいたい地域や家々で決まっていて、家族揃って食べることから『団欒飯』と呼ばれています。団欒飯は縁起を担いだごちそうになるんですが、共通するメニューとしては、魚、餃子、団子やちまきあたりでしょうか。餃子は水餃子。香港や広東では蒸し餃子になるのかな?

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横浜中華街 萬珍楼の春節セット

https://www.manchinro-shop.com/smp/item/20956.html

 お年玉もあるようで、子供たちが赤い年玉袋🧧を持っているのを見かけたりしました。

 団欒飯を春節の特別なメニューで出している中国料理店も日本にあるようです。

色々な英語

 「それはアイカイで大丈夫か?」

ん? アイカイってなんだ?

昔、20代半ばの頃、オーストラリアからビジネスの顧客を迎えて、ミーティングをしていた時の話。会話は英語。この顧客の発言にあるアイカイなるものがわからず困ったことがあります。

ホワイトボードに書いて頂くと、

 8k

と書いた。なんてことはない。コンピュータの

チップの容量のことでした。

エイトケイがアイカイね。なるほどのオージーイングリッシュ。妙に納得したことを覚えています。

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 世界を旅して周ると、様々な英語に出会います。アメリカ西海岸の英語を覚えた私には、ロンドンのいわゆるクイーンズイングリッシュは、最初、聴き取りにくかった。映画『Notting Hill』で、ロンドン出身のヒュー・グラントの英語は以外にわかりやすかったけれど、「クラシック」の連発が印象に残りました。

 英語がネイティブの国々でも、上記のオーストラリアやニュージーランドの英語、イギリスの英語。アメリカ合衆国やカナダ。日本人にはかなり違って聞こえます。

 アメリカ国内でも、テキサスなどの南部の言葉はわかりづらいです。西海岸、東海岸、中部、南部で大分発音やスラングが違います。

 シンガポールの英語はシングリッシュといって、かなりぶっきらぼうに聞こえるような、シンプルな言い回しをします。シンプルだと命令口調に聞こえるので、たまに腹が立ちます。

 フランスやドイツ、イタリアなどの英語がネイティブではない国々は、もう色々で、英語が全く通じない場合もよくある話です。フランス人は英語を喋れても喋らないとまことしやかに言われていましたが、私の知る限りパリは比較的英語が通じます。ただドイツ国境あたりはあまり通じない。そのドイツも40年前は英語がかなり通じましたが、最近、以外にも英語が通じにくかった。

 私が思うに、最もわかりにくいのがインド人の英語。もちろんキレイな英語を話す人もいますが、多くは巻き舌でまくしたてます。あまりコミュニケーションを取りたくは無い人達です。

 日本人の英語も日本人独特の発音や言い回しがあったりします。

 英語は既に世界の共通の言語だと思います。ビジネスの世界だけでなく、オリンピックのインタビューは英語が主ですし。なので、英語ネイティブじゃなくとも、発音が多少ポンコツでも、英語でのコミュニケーションを、どんどんとった方が良いと思います。

注: 全て私の個人的な意見です。

ガレットデロアの楽しみ

 新しい年を迎えると、フランスでは、ガレットデロアという焼き菓子がブーランジェリーやパティセリーに並びます。以前、パリに住んでいた時は、ついつい買ってしまいました。

 Galette des Rois。ガレットは、まるくてひらったい形をした料理を意味しますが、まあ菓子ですね。ロアは王様。ガレットデロアは、王様の菓子になります。

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 1月6日は公現祭、フランス語でエピファニー(Epiphanies )と言うんですが、キリスト教の祭りのエピファニーを祝って食べる菓子がガレットデロアなんです。今では1月中は食べるようです。

 ガレットデロアの楽しみは、フェーヴ(Feve)という小さな陶器の人形が誰に当たるかです。下の写真のような人形が菓子の中に隠してあります。ガレットデロアはだいたい家族みんなが集まって食べるので、人数分切り分ける。なので必ず誰かに当たるわけです。大家族の場合は、二つ入れることもあるようです。

 しごく単純な遊びなんですが、不思議なことに案外楽しい。なんか子供時分に帰ったような気分がします。家族でワイワイ言いながら食べるイベントですね。

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このフェーヴが当たった人が、王様や王妃様になり、紙で作った王冠をかぶります。1日、王様気分に浸るわけです。

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ガレットデロアコンクール

 ガレットデロアは、シンプルに言うと、アーモンドクリームやフランジパーヌをフィリングにしたパイ生地の焼き菓子。フランスでも地域によって少し異なるようです。また菓子表面の柄もいくつかあって、上の写真は二つとも太陽の柄で生命力を表しています。他に月桂樹やひまわりの柄や穏健という名前の柄もあって、それぞれに意味があるわけですね。

 コンクールも有名で、本場のパリや日本でも毎年開催されています。日本のパティシエも参加していて、優秀な成績をおさめる方も複数いらっしゃいます。
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 まあ、皆さん、もう既にお食べになっていると思いますが、まだの方は、1月中ですので、一度お試しになってはいかがですか。

日本茶を1リットル

 茶というのは、ご存知のように、かなり色んな種類がありますよね。日本茶、紅茶、中国茶日本茶の中でさらに分かれて、煎茶、ほうじ茶、番茶、玉露、それがまた分かれて、かぶせ茶だとか茎ほうじなど、まあ色々とあります。何をどんな時に飲んだら良いのかわからない。そう抹茶もあります。飲みたいものを飲みたい時に飲むのが正解なんですが、せいぜいふだんお付き合いのあるのは、煎茶とほうじ茶ぐらいですね。

 紅茶も負けてなくて、ダージリンオレンジペコ、セイロンなどこれも色々あります。ダージリンヒマラヤなんてのも、マリアージュフレールにありますね。フレーバーティーもあるし。

 中国茶も種類はとても多いですね。馴染みのウーロン茶。プーアール茶や水仙茶、龍井茶など、もう数えられないぐらいありそうです。キームンは中国茶なのか紅茶なのか、あいまいな茶もあります。ちなみにキームンは、中国で作られている紅茶。

 茶は淹れ方が多少うるさいでしょう。特にお湯の温度には気を使います。紅茶は高い温度で淹れますが、日本茶の場合は50度だったり70度だったりして案外面倒くさいです。

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 私は、ペットボトルじゃない、自分で淹れた日本茶をよく飲むんですが、淹れ方は甚だ乱暴。たくさん飲みたいほうなので、1リットルのプラスチックポットで淹れます。

 作り方は、

まずコスパの良い茶農家で生産されたそのままの煎茶(こういうのがあるんですね)や荒茶、ほうじ茶を茶パックに詰めます。

麦茶をいれておくような1リットルぐらいのガラスやプラスチックのポットを用意し沸かした湯を入れます。

そこに、飲みたい茶葉を詰めた茶パックを投入。

しばらくほっておく。

30分ぐらいたったら、茶パックを取り出す。茶パックはいつまでも入れっぱなしだて、苦味が出てしまうので、適当なところで取り出した方が吉です。

出来上がり。

簡単でしょ。これを1日に何本か作って飲むわけなんです。もちろん多少お高めの煎茶は、急須でお湯の温度に気をつけてちゃんと淹れます。

 1リットルのペットボトルでも、基本的にうまい緑茶とほうじ茶を飲みたい要求があるので、美味くて、かつ適切な価格の茶を求めるわけです。そこで、半年に一回程度、関西に行ったついでに宇治まで行き、お茶を買ってきます。

 宇治には好きな茶商さんが2つあるんです。

 堀井七茗園

 丸宗

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ふつうに急須でも茶を淹れますので、それ用の煎茶と、1リットルのプラスチックポット用にコスパの良い山出し緑茶とほうじ茶を買います。

 

 茶パックは、やはり漂白していないものが、健康に良さそうなので、そういう物を探して買っています。

 こんな乱暴な淹れ方をしても、けっこう美味しいので、一度試してみてはいかがでしょう。

ワインの官能評価

 官能試験・評価という言葉をご存知だろうか。食品や飲料、香料の品質を人間の感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚など)を用いて検査、試験、評価をすることなんですが、食品メーカーなどでは、必ず実施される重要で有効な方法となっています。

 官能という単語を聞くと、官能小説のような性的な意味の官能を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、そういった意味合いではありません。念のため。人間の五感を使ってという意味です。

 ワインでも官能評価を行いますし、重要です。ワインの場合、テイスティングという言葉のほうがしっくりきますね。機器を使った分析や微生物検査といった科学的な分析とともにワイン製造の多くの工程で、テイスティング、官能評価を実施しているんですね。

 官能評価は、人間の五感を使った評価方法ですので、客観性を担保するのが難しいわけです。同じワインを飲んで、あなたと私の感じたことは異なる、なんてことが起きます。ソムリエと初心者では異なるテイスティング結果になることも多い。

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 テイスティングで、渋味や甘味、酸味などが強い、弱いなど評価をしますよね。まあ、評価というより感想なんですが、初心者は初心者なりに何かを感じて口にするわけです。それが官能評価なんですね。ですから、ワインの製造者自身の評価、ソムリエや評論家などのプロの評価、消費者の評価というのが、一本のワインに対して為されるわけです。

 製造者の官能評価の場合、官能評価のバラツキを少なくして、なるべく客観性を担保するために、いくつか官能試験の方法が考え出されています。今後はデータ分析やAI人工知能を活用した新たな方法も確立されていくんじゃないでしょうか。

風の森という日本酒

 最近ちと気に入っている『風の森』という日本酒があるんですが、奈良県の油長酒造という蔵元が造っています。風の森にはいくつかのシリーズがありまして、今回は、この暮れから正月にかけてよく飲んだ507シリーズを紹介します。

風の森507シリーズは、酒米が2種類あり、それぞれ味わいが異なります。

 

風の森 露葉風 507

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 露葉風という奈良県でのみ生産されている酒米を使い、50%まで精米しています。あけたては微発砲。2日程度経つと、フルーティさが際立ってきます。香りはメロンや熟したパイナップル。露葉風は、「つゆはかぜ」と読みます。

最初に飲んだ時、日本酒感が変わりました。フルーティで爽やか、しつこさの無い、それでいて旨味もある味わい。開けたては、奥に多少の苦味を感じますが、それが良い感じのバランスになっています。

 

風の森 秋津穂 507

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秋津穂も奈良の地元米。これを酒米で使い、精米は50%。あけたては微発砲。洋梨やメロンのようなフルーティな味わいが口中に広がり、これも奥のほうに微かな苦味があり良い感じです。

 

 風の森という名前は、御所市内にある「風の森峠」に由来していて、緑豊かな葛城金剛山麓、一年心地よい風が峠を駆け抜けているそうです。

 風の森は、日本酒感を変える酒だと思います。フルーティな香りと味わい。さわやかで気持ちの良い余韻が続きます。

 合わせる料理の幅はとても広く、魚介類、肉もビーフ、ポーク、チキン、シャルキュトリー、おでん、湯豆腐や冷奴、ポトフなど食中酒として最適です。

 正直、白ワインを飲むより風の森で良いと思ったぐらいです。

ワインコンテスト・アワード

 不勉強ながらワインのコンテストとというものの知識がありませんでした。まあ、ワインエキスパートの試験範囲ではなかったのもありますが、海外の有名なコンテストは、『どうせお高いワインばっかりなんでしょ。』、ふん、てなもんでした。

 最近になり、やっぱり多少の知識が無いとまずいかな、と考え、調べてみました。今回は、どんなコンテスト・アワードがあるのかをご紹介します。今後、掘り下げていければと思います。

 

世界的に有名なワインコンテスト

🟠 DWWA Decanter World Wine Contest (https://www.decanter.com/decanter-awards/)

🟠 IWSC International Wine and Spitits Contest (https://iwsc.net/)

があります。

 この二つのコンテストは、けっこうに権威があるらしく、DWWA 2021のゴールドを受賞しましたと書いてあるワインをみかけたりします。下の写真は、山形の高畠ワイナリーの『高畠マジェスティック ローグル・ルージュ 赤おに』で、2021年のDWWAゴールドとIWSCシルバーを受賞している赤ワインです。

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日本のコンテスト・アワード

🟠 日本ワイナリーアワード (https://www.japan-winery-award.jp/)  日本のワイナリーを表彰しているアワード。

🟠 さくらアワード “SAKURA” Japan Women’s WineAwards (http://www.sakuraaward.com/jp/index.html)

日本の女性が審査するアワード

ちょっとユニークなところで、

🟠 ワインペアリングコンテスト (https://competition.tokyowinecomplex.com/)

これは、料理との相性の良いワインを選ぶもので、オイスター部門、ビーフ部門、ラム部門とあり、それぞれ国内外のワインが選ばれています。比較的高くないワインが選ばれているような気がします。

 さくらアワード受賞ワインコーナーなんかを作っているワインショップを見かけたことがあります。受賞したワインだから必ず口に合うとは言えないと思いますが、ワインを購入する基準の一つにはなるかな、と思います。たまにはアワード受賞ワインを飲むのも一興でしょう。

高畠の赤おに、青おに

 山形県の高畠ワイナリーに、『赤おに』と『青おに』というワインがあります。ちょっとユニークな名前ですよね。

 赤おには、L'OGRE ROUGE。正式名称は、高畠マジェスティック ローグル・ルージュ 赤おに

f:id:nwawinescom:20220114221206j:image赤おに

昨年、2021年、下記のアワードを受賞したワインです。

アワード

 2021 DWWA(デキャンタ・ワールド・ワイン・アワード)においてGOLD受賞

 2021 IWSC(インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション)においてSILVER受賞

スペック

フルボディの赤ワイン

ブドウの種類: カベルネ・ソーヴィニョン81%、メルロー14%、プティ・ヴェルド5%

高畠町産のブドウです。

アルコール度数: 14%

フレンチオークの小樽で23か月熟成されています。


ノート

良い感じの樽香で、しつこさは無く、スッと飲めるんですが、キチンと熟成されています。

タンニンは多分強めだが、それほど感じない。メルローがうまくブレンドされていて、カベルネソーヴィニョンと絶妙のバランス。明るい華やかな香りと、甘やかさと苦味の良いバランスの取れた味わい。


料理との相性
私が実際に合わせた料理は、我が家風シャルキュトリー、シュークルート、イチヂクとカマンベールチーズ、湯豆腐、赤てん、我が家風サラダ、蕪の甘酢漬とピクルス。割と幅広い料理と良い相性。

販売価格: 3578円(税込)


f:id:nwawinescom:20220114221548j:image青おに

青おには、L'OGRE BLUE。高畠マジェステック ローグル・ブルー 青おに

こちらもアワードを受賞しています。

アワード

 2021 IWSC: Silver シルバー

 ワインペアリングコンテスト2021 ラム(羊料理)部門で「日本ワイン賞」 

 

スペック

フルボディの赤ワイン

メルロー73%、カベルネ・ソーヴィニョン22%、プティ・ヴェルド5%

高畠町産のブドウ

アルコール度数: 14%

こちらもフレンチオークの小樽で23ケ月の熟成。

 

ノート

良い感じの樽香で、タンニンは強めでしっかりとした骨格。バランスが良いので、タンニンはそれほど強く感じない。メルロー主体の明るい華やかな香りと、甘やかさと苦味の良いバランスの取れた味わい。

料理との相性
私が実際に合わせた料理は、ラムチョップ、若鶏のマスタード焼き、我が家風シャルキュトリー、冷奴と割と幅広い料理と良い相性。

販売価格: 3578円(税込)

 

両方飲んだの感想

 赤おには、カベルネ・ソーヴィニョン主体ですが、青おにはメルロー主体。まるでボルドーの左岸と右岸のようです。両方ともに骨格のしっかりとした深みのある味わいのワインで、料理との相性も広く、多くの場面で活躍が期待できます。私はとても美味しく頂きました。どちらか一本と言われれば、青おにですね。メルローが好きなもので。

 濃い赤ワインがお好きな人には、喜ばれると思います。

 

majestique マジェスティックプロジェクト

高畠ワイナリーさんでは、厳しい独自基準をもうけて、ブドウの契約栽培家と共に妥協のないブドウの栽培を行っていて、2013ヴィンテージから良いぶどうだけを小ロットで集め、質の高いワインを製造するというプロジェクト、mjestique マジェスティックプロジェクトをスタートさせています。その成果が、『赤おに』と『青おに』なんですね。

七草粥と人日の節句

 昨日は七草粥を食べる日でしたね。1月7日は人日の節句。

 人日の節句と言われても、何のこっちゃ?ですよね。人日は五節句の一つなんですが、重陽の節句も何のこっちゃその2ですが、他の三つはよく知っていると思います。

五節句

 人日の節句 1月7日 七草粥

 上巳の節句 3月3日 桃の節句(雛祭)

 端午の節句 5月5日 今は子供の日

 七夕の節句 7月7日 七夕まつり

 重陽の節句 9月9日 菊の節句

人日の節句だけ、何で1月1日じゃないんだよ、と思いますよね。答えとしては、古来中国では、1月1日から6日までが動物(鶏、狗、豚、羊、牛、馬)の日で、1月7日を人の日としていたからです。どうしてそうなったかは、わかりませんでした。動物の日には対照の動物を殺さず、人の日は人を大切にする日という理由で刑罰を行わなかったそうです。この風習が平安時代の日本に入ってきました。

 人の日→人を大切にする→無病息災を願う→身体に良い食事→七草粥

こんな流れだったんだと思います。

 身体に良いものを合わせた食事が七草粥だったんでしょう。今は、1月7日は七草粥を食べる日になってしまっていますが、これすら忘れ去られてしまいそうです。本来なら旧暦。

 七草粥には何を入れるんでしょうか。地域によって異なるようですが、基本型は、春の七草。餅や小豆を入れるところもあるようです。

春の七草

芹、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ほとけのざ、すずな、すずしろ

 正直、芹とナズナぐらいしかわからん。ほとけのざってなんなんだろう?

 『ナズナってぺんぺん草なんだよ。』ってけっこう言われた気がします。ぺんぺん草はポピュラーな草で、50年前には東京の新宿にもそこらに生えていました。

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出典 白ごはん.com 

https://www.sirogohan.com/sp/recipe/nanakusa/amp/

 七草全ては手に入りずらかったりしますので、スーパーや八百屋で手に入る七草や青菜で対応されているようです。七草セットを売っているスーパーもあるみたいですね。我が家では、蕪の葉っぱですね。

 正月からごちそうを食べて胃が重いんで、七草粥でも食べてスッキリしようという方々もいらっしゃると思いますが、ここは日本の伝統にのっとり、今年も1年、無病息災を願いましょう。

 皆様の無病息災をお祈り致します。

 今年もよろしくお願いします

師走や暮れが嫌いになった話

 世の中、生きていると、色々と嫌なこともあるわけで、私の場合、とりわけ嫌なのは、『いついつまでに、何々しなくてはならない』と行動を強制されることなんです。子供の頃から、何々しろ、とか言われて育ってきたので、しまいには、自分で自分を強制するようになってしまう。

 長じて仕事をするようになると、仕事にはいわゆるDue Dateというのが付きもので、毎日のように、『今日までにこの報告書を出さなくては。』なんてことが続くようになる。プライベートの生活では、でき得る限り、こういった強制から解放されたい。でも中々難しいのが現実で、飯も作れば、片付けものもする。宅配便の受け取りもあれば、トイレ掃除もする。先延ばしをすればするほど、強制力が増すわけで、生活者としては詰んできます。詰みたくはないので、ルーチン化してら一種の仕事のようにしつつ、そこはマイペースでこなしていくわけです。

 この『なになにしなくちゃ』が多いのが、師走。12月。今月のように感じます。

 掃除一つとってみても、大掃除として色々なところをバタバタする。曰く「今日中に窓のサッシを全部拭いてキレイにしなくてはならない。」なぞと言う。 

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出典 https://www.kango-roo.com/ki/image_987/

 もっと嫌なことが、正月の準備。餅を買い、蕎麦を買い、かまぼこを買い、お節料理を作る。何故にふだんの食生活ではいけないのか。年賀状書き。まあ、最近はメールで楽になりましたが、年賀状関係がある。

 またよせばよいのに、今年中に何々をしようとか考えてしまう。ふだんやらないことを企てる。要するに自分のペースでできないことが、いつの間にか積み上がるわけです。ルーチンの変更が余儀なくされてマイペースが崩されてしまうんですね。こうなるともういけません。精神のバランスを崩して、師走から正月という時分がだんだん嫌いになってきます。しまいには、12月がくると、いゃ〜な気分に。

 嫌なことからは逃げるに限ります。数年前から、暮れから正月にかけては、旅行に出かけるようにしていて、最低限の掃除や片付けをして、出かけてしまいます。こうすると、少なくともお節料理の関係からは解放されます。そうすると、精神的にもだいぶ楽になります。

 年をとってくると、精神的な耐性も下がってくるので、できるかぎり、自分を楽にしてあげることも大事です。時には無理を重ねるのも必要ですが、逃げてひと様に迷惑がかからないことからは、たまには逃げて、そうたまには自分自身を楽にしてあげるようにしています。

どっこいしょ、とかの掛け声

 最近、歳を取ってきたせいか、椅子やベッドから立ち上がる時に声を出すようになってしまいました。いわゆる掛け声が必要なんですね。

 『どっこいしょ』、『よっこいしょ』、『よいしょ』

とかの掛け声。

 子供の頃、婆さまが、この『どっこいしょ』を言いながら立ち上がったりするのを見て、「ふん、ババくさい」と思ったりしたもんですが、まさか自分が言うはめになるとは。

 この『どっこいしょ』という掛け声は、いったい何なんでしょうか。掛け声は、ジジババ臭いだけではなく、例えばテニスの試合では、ボールを打つときに声を出す選手が多いし、剣道の試合では、ギャァギャァ言っているわけですよ。気合いになるんですかね。人間、力を入れる場面では掛け声を出すと力が出るんでしょうか。

 『どっこいしょ』を調べると、仏教の六根清浄からどうも来ているらしく、修業者が山歩きの時、この六根清浄を唱えたことから、どっこいしょやよっこいしょに転じた説が有力なようです。若い人でも案外椅子から立ち上がる時に、自宅では、掛け声をかけているという調査結果もあります。その調査によると、電車の椅子から立ち上がる場面では、恥ずかしいのか掛け声はほとんどの人がかけないそうです。

 どっこいしょに限らず、なんらかの掛け声をかけることで、集中を促して力をより出すことができるようになるようですし、グダグダしている場面からの何かをしようと立ち上がる時なんかにも使いますよね。食事の後、お茶やコーヒーを飲みながら、立ち上がりたくなくてグダグダしていて、『さぁ、片付けてしまおう!』と掛け声をかけて動き出すことはあります。

 掛け声と筋力の相関はあるんでしょうか。掛け声ありのほうが無しより、筋力が高かったという研究結果がありますので、やはり『どっこいしょ』は立ち上がるのに効果はあるようです。

 ジジババ臭いと思うのではなく、あくまで、そうあくまで、気合いをを入れた掛け声で、筋力を増すのだと考えれば、よろしいのかと。

 

参考文献

「動作に伴うかけ声の分析」

米澤美沙

https://twcu.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=19858&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1&page_id=13&block_id=29

「シャウトによる筋力増強効果」

柳川和優・磨井祥夫

https://core.ac.uk/download/pdf/227204031.pdf

ローマでクリスマスに電車が運休

 クリスマスシーズンですね。

 クリスマスと言えば、個人的に思い出すのがローマでのクリスマス。何年か前、クリスマスをローマで過ごしたことかあるんです。

 そのローマでの良かった話を一つ。

クリスマスイブだったかクリスマス当日だったか記憶が定かではないんですが、バチカンに行ってみようという話しに同行者となって、まず、サン・ピエトロ大聖堂を訪れ念願のピエタを見たりしました。ミケランジェロのピエタ、良かったです。マリア様がそれはそれはお美しい。その後、偶然にも、ヨハネ・パウロ2世のお姿を拝することができました。これはなかなか良い経験をしたと今でも思っています。

f:id:nwawinescom:20211226075748j:imageテヴェレ川の向こう側のトレステヴェレ地区へ

出典 https://visitaly.jp/region/lazio-roma/  イタリア政府観光局 

 しようもない話しもありまして、まあイタリア人らしいっちゃあイタリア人らしい話しなんですが。

クリスマス当日の朝、ホテルのコンシェルジュから、地下鉄が午後2時からクリスマス休みになって動かなくなるので、早めに戻った方が良いよと言われました。まあイタリアらしい話しだなと思いながらホテルを後にし、地下鉄でコロッセオとフォノロマーノ観光へ。一応早めに帰ろうと考え、正午前に地下鉄の駅に行ったところ、なんと、すでに運休になっていました。動いていない。

 『ええっ、午後2時からじゃなかったんじゃないの!』

 駅には駅員もいないんで、状況を聞くこともできない。他にも立ちすくんで、『どうしよう』と言っている人達が数組。すご〜く、イタリア人に騙された感満載で、何とかタクシーをつかまえて、ホテルに帰りました。

 もしかして、そもそもホテルのコンシェルジュの午後2時の情報が間違っていたのか、ホテルに騙されたのかとも思いましたが、かなりの一流ホテルでしたので、それは無いなと思いながらも、むかっ腹はたっていたので、正午前には地下鉄は止まっていたと話したところ、ローマではそういうことはよくあるんだ、と言われました。

 『イタリア人というか、ローマ人、しょうもない。』

 それ以来、わたしはちょっとローマあたりの人々に偏見をもっています。

日本酒の酒造年度と新酒

 ワインのヴィンテージのように、日本酒にも酒造年度というものがあります。酒造年度の表記に関しては義務ではないため、ラベルに表記があったりなかったりです。表記をしていても方法はバラついています。例えば、BY。BYは、Brewery Year(酒造年度)の略。01BYという表記や19BYという表記があり、01BYは、令和元年の醸造、19BYは2019年の醸造で、これは同じ年の醸造なんですね。その他、2021と西暦が書かれていたり、令和二年と和暦になっていたりします。要するに書き方自由。

 表記方法はバラバラなんですが、酒造年度は酒税法で明確に決められています。日本酒の酒造年度は『7月1日から翌年の6月30日まで』。日本酒のBYは、もともと蔵元が国税庁に生産量の見込み申告をするために設けられたもので、ラベルへの表示義務はありません。税金、ですよね。

 飲み手にとって、日本酒の酒造年度はあまり重要視されてきませんでした。日本酒は「新酒」をたのしむのが一般的だからです。酒造年度を表示する理由が無かったんですね。最近、BY表記がされている主な理由は、日本酒も熟成させるものがあるからなんです。

 日本酒はほとんどが新酒で飲むわけなんですが、それでは新酒が最初に飲める時期はいつでしょうか。最初と書いたのは、今年の新米で造るので、11月に飲む酒も3月に飲む酒も新酒なんですね。なので、荒ばしりや中取りとかを表記するんですが、これはまた別途説明します。

 新米はだいたい秋(9月から10月)に収穫されます。日本酒に使う米は、だいたいの場合、山田錦や五百万石のような酒米・酒造好適米を使いますが、これらも収穫時期は秋です。この新米を使って醸造するので、新酒というか最初の新酒か飲めるのはだいたい11月から新春でしょうか。最近は、温度管理などの技術が発達しているため、季節を問わず、年中日本酒を造っている蔵元もあります。

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 そう、これからの冬の時期が、日本酒はよりフレッシュな新酒(言い方が変ですが)が飲める時期なんです。冬は海鮮が美味しい時期ですし、鍋物も楽しい。今宵、日本酒で一献かたむけてはいかがでしょうか。

ワインのヴィンテージと飲み頃

 ワインにはボジョレーヌーボーのように、今年2021年に収穫したブドウを使いワインを造って今年飲む新酒があるのは、日本でこれだけ売れているので皆さまご承知のことですが、ほとんどのワインは熟成を経て出荷されます。

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 例えば、今年2021年に収穫されたワインが市場に出てくるのは、早くて来年2022年秋以降になります。ワインショップを覗くと、今は2019年のものがデイリーワインには多いようです。

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 ブドウの収穫年をヴィンテージと言うんですが、「2016年のボルドーは、2010年以降最高のヴィンテージの1つ」のように使います。つまり地域ごとに天候は異なりますので、ある地域の今年の天候がブドウの生育に良かったのか悪かったのか、まあまあだったのかによって、その地域でその年造られるワインの良し悪しがほぼ決まるわけです。

 値段が高いワインですと、飲み頃というものがあります。これはボトル内でも熟成が進み、それにより渋味がマイルドになったり、香りや味わいが複雑になったりするわけです。

 面倒なのは、ワインを寝かせれば寝かせるほど良いわけではなく、最高潮に達した時点以降は、逆に酢のような香りが出てきて、ちょっと飲めないになってしまいます。

 基本的には、赤ワインで、高いワインほど寝かせる期間が長く、安いワインは短いのが原則です。長いというのは、10年以上になります。

 それじゃあ、いつ頃が飲み頃なのかを推測するんですが、ワインのプロでも難しいんです。ワインは開けてみなければわからないので、結果、早過ぎた、遅すぎたが生じます。

 例えば2003年のシャトームートンロスチャイルドというボルドーの高い赤ワインがあるんですが、プロでも推測が分かれていて、しかも飲み頃の期間が長い。

 ロバート・パーカーは、2014年~2029年

 ジャンシス・ロビンソンは、2010年~2023年

2人が被っている期間は、2014年〜2023年。これで最高潮の期間が約10年。まあ実際10年あれば、だいたいその期間内に飲めますね。

 このシャトームートンで最長がロバート・パーカーの26年後ですので、よく子供が生まれた年にワインを買って、その子が20歳ななったお祝いに開けて飲もうなんてことをする人がいらっしゃるんですが、、かなりレベルの高いワインでないともちませんね。

 まあ、私たちの飲んでいるワインは、こういう心配の無いワインばっかりなんですが、一万円前後のワインになってくると、やはり飲み頃は気にします。

 私は個人的には、一万円以下の赤ワインの場合、比較的早飲みが好きなんで、今はボルドーのもので、2015年前後を多く飲んでいます。

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