ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

ボルドーのブドウ新品種

 このところの気候変動によりフランスワインの産地で、従来のようなブドウの栽培が難しくなってきているという話を最近良く聞きます。

 フランスワインの代表的な産地のボルドーも、この問題を抱えており、対応策として、ボルドーにとって新しいブドウの品種を栽培・醸造に使うようになってきています。

 先日、フランスの農産物の原産地と品質を管理するINAO (Institut National de l'Origine)によって、新しいブドウ6品種が認可され、Conseil interprofessionnel du vin de bordeaux (CIVB)により議案化されました。

 

 新しいブドウって、どんなものでしょうか。赤ワイン用ブドウが4品種で白ワイン用が2品種の合計6品種です。

 赤ワイン用ブドウ

 Arinarnoa 1956年にボルドーで育成され始めた、タナとカベルネソービニヨンを掛け合わせた黒ブドウ品種。

 Castets 『長く忘れられていたボルドーのブドウ』と言われる、フランス原産の品種。

 Marselan 1961年にフランスで創られた、カベルネソービニヨンとグルナッシュを掛け合わせた品種。

 Touriga Nacional ポルトガル原産の晩成種。

 

 白ワイン用ブドウ

 Alvarinho ポルトガル名Albariño

 Liliorila バロックとシャルドネを掛け合わせた品種。

 

 この新しい品種が混醸されたボルドーワインを近い将来飲めることも楽しみです。

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サン・ヴァンサン祭

 ブルゴーニュで毎年一月末に行われる祭りがFete de la SAINT VINCENT TOURNANTE。サンヴァンサン祭。今年(2021)は、中止となり来年に延期になりました。

 サンヴァンサン祭りは、ブドウ栽培者やワイン造りをする者の守護聖人のSaint Vincent サンヴァンサンを祝うお祭りです。ブルゴーニュ地域内で、毎年、開催地を変えて行われています。今年は、

 サンヴァンサン祭りは、ブドウ栽培者やワインメーカー同士の助け合いや連帯意識を象徴したもので、ブドウ栽培者やワインメーカーは、病気や事故にあった隣人を助ける為、分担して栽培や醸造を手伝ってきました。この助け合いの精神は今日まで続いているそうです。

 

 このお祭りは、1938年に85のブルゴーニュのブドウ栽培者やワインメーカーの互助会が中心になって始まり、毎年開催されてきました。今年は残念ながら、開催中止ですが、来年は、訪ねてみたいと思います。

 

2021年のテーマ- The 4 elements

 今年のテーマは、The 4 elements 4つのエレメント(要素)です。大地、水、空気、火の4つ。偉大なブルゴーニュワインは、この4つの基本的なエレメントとそのバランスによって造られると考えられています。この4つは、密に繋がっていて、テロワールの品質を創り、ワインの特徴を決めます。

 

 冬のブルゴーニュは、かなり寒いです。

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 でも行く価値はあるなぁ、と思います。サンヴァンサン祭を目的のひとつにして、来年以降、冬のブルゴーニュを訪れてみたらいかがでしょう。

 

サンヴァンサン祭のリンクです。

ロゴ写真の出典もこちらです。

https://saint-vincent-tournante-2021.com/

 

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新しいブログのお知らせ

 長年グローバルビジネスの環境で働いてきて、色んな国々に行ったり住んだりして、いつの間にか時が経ち、今では後輩達からビジネスや異文化コミュニケーションに関連した質問に答える側に回ってしまいました。

 私も未だ発展途上ですので、こうした後輩達の質問に答えることで、頭を整理し、新たな発見もあり、友人や出来事を思い出して、成長をし続けたいと考えています。

 今回、もう少し多くの人に、私の経験をシェアすることでお役に立てればと考え、『パンゲア心得帖 勤しみ人へ グローバルビジネスのヒント』と題して、日々社会で勤しむ人に向けて、ブログの形でシェアし、一緒に成長して行きたいと思います。この「WINE, DINE & TRAVEL PILOT」とは別のブログで、発信しますが、こちらで少し宣伝させてください。 

 最初は、これまでに私の後輩達から聞かれた質問に答える形で進めていき、その後一般にも質問を受け付けてまいりたいと思います。

内容は、

 グローバルビジネス

 米系外資系での働き方

 マネジメント手法

 デジタルトランスフォーメーション

 データの利活用

 ビジネスプロセスイノベーション

などになります。

 もしご興味がありましたら、お読みください。よろしくお願いします。

こちらがリンクです。

https://drivecompany.hatenablog.jp/entry/2021/01/23/075000

黄龍玉液と湖南料理

  湖南料理というカテゴリーが中国料理にはあって、わたし個人的には最も好きな料理の一つ。長く香港の洞庭樓という店を気に入っていたんですが、閉業してしまった。同じく気に入っている台北の彭園台北館は、営業していると思うが、残念ながら今は行けない。

 湖南と書いて、「フーナン」と発音する。湖南という地域はどこにあるかと言うと、湖南省は中華人民共和国の比較的南中から南東に位置していて、南は広東省と接する。ちなみに日本には湖南(コナン)市が滋賀県にありますが、特に湖南省の都市とは、姉妹都市などの友好関係は無いようですね。湖南省都は長沙市。洞庭湖という大きな湖とその湖に注ぐ湘江という大きな川が流れている。

 湖南料理は「湘菜」と呼ばれ、中国八大料理の一つに数えられている。そんでは、中国八大料理とは他に何があるかというと、

  浙菜、蘇菜、湘菜、川菜、闽菜、粤菜、徽菜、鲁菜

 湖南料理は辛い料理。四川料理より辛いとも言われているんですが、四川料理に比べてると酸味が強くて塩辛さがある。唐辛子をいっぱい使うのは同じですね。湘菜の歴史は長く、漢の時代から既に一つの料理体系が形成されていたらしい。

 代表的な料理は、

 左宗棠鶏

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 富貴火腿 - 蜜煮ハムのパン挟み

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出典 2点ともにhttps://www.pengyuan.com.tw/mobile/branch_dishes_detail/1/1

 

 気に入っていたと書いた「洞庭樓」。かなり以前のことなんですが、「黄龍玉液」という酒が飲めで、頼むと買うこともできた。たいして高いものでは無かったが、珍しい酒だった。今では、飲むことはできない。調べても売っていないし。「酒を探して湖南省」でもすれば、見つけることもできるのかもしれないが。

 味の記憶をたどると、多分紹興酒の一種だとは思うんだが、今となっては得体が知れない。黄龍の龍玉の酒ですからね。なんか身体に効きそうな気がした。わたし的には縁起物的な扱いかな。

 幻の酒やなかなか飲めない酒を探すのは好きなんで、出かけた先では色々と調べる。以前のブログに書いた沖縄のワイン「涙」もそうした好奇心の賜物だ。この幻の酒やなかなか飲めない酒は、金を払えば飲める高い酒ではなく、あくまで見つけることが難しい酒。

 私は、こうした見つけたい酒のリストを作っていて、実際に見つけるというか出会えて飲めると幸せを感じる。

ケガの思い出

 数年前、品川駅の階段から落ちて、数カ所ケガをした。だいたい怪我をするのは20年ぶりで、前回、つまり20年前も品川駅の階段から落ちて左脚くるぶしにひびがはいって回復に一か月程度ようした。怪我をすると心も折れるようで、誰かにゴロにゃんともしたくなるが、それではいけないと思い虚勢をはる。

「平気平気。大丈夫。」ってね。

 

  近代人のつらさ、とまで言うつもりもないけれど何か心の支えが欲しいとも思う。怪我して寝ていると内省的になって普段の行ないを反省できるのはプラス、といなおる自分が好きか嫌いか、それが問題でもある。

 

 子供の頃は、外科や整形外科は馴染みだった。しょっちゅうケガをしていた記憶がある。一番酷かったのは、小学校高学年の時、鉄棒におもいっくそオデコをぶつけた。気がついたら自宅近くのかかりつけの外科のベッドの上だったことがある。鉄棒に頭をぶつけると、「グワングワン」と頭が回る。鉄というものは実に固いものだというのを実感した。

 

 中学生の時、札幌オリンピックがあり、金メダルの笠谷氏はじめ日の丸飛行隊がジャンプで表彰台を独占した。中学生はスグに影響を受ける。階段の上から踊り場まで、ジャンプを真似て飛び降りるのが流行った。これで左足首を捻挫した。数学の女教師のクラシックな車(当時でも戦前か的なクラシックなスタイルの車)に乗せられ、かかりつけの外科まで連れて行かれ、包帯で足首を固定された。確か、一週間ぐらい学校を休んだと思う。担任からは何故か同情された。理由は今もってわからない。同窓会の時にたずねてみたが、本人も忘れていた。理由は永遠にわからない。

 この数学の女教師には頭が上がらなくなった。数学はきちんと勉強するようになった。これが唯一のプラス。

 

 高等学校の頃は、ラグビーを本格的にやっていたこともあり、やはりケガが多かった。試合が終わると、身体は青タンだらけ。試合中に脳震盪を起こしたことが一度だけある。後半の20分ぐらいのところで、相手のパントキックをキャッチした瞬間に、腹にタックルを受けて、そのまま仰向けに倒れて、脳震盪を起こしたらしい。「らしい」と言うのは、記憶が飛んでいるからで、ハッと気がついたというか我に帰った感がしたのは、自宅で晩飯を食べている時だった。恐ろしいのは、練習の賜物なのか、試合中は身体が勝手に動いていたらしい。受け答えも極めてふつうだったらしく、周りは脳震盪を起こしたなどとは思わなかった。翌日、結局は、近くのかかりつけの外科に行き、脳波取ったり色々と頭の検査をしたのを覚えている。結果は忘れたが、頭の悪さは変わらない。

 

 大学生、社会人と大きなケガは最初に書いた品川駅の階段から落ちたぐらいだ。1回目は左足の踝にヒビが入った。2回目は、数カ所擦りむいたのと腰の打撲。まあ大したケガはしなくて良かった。ああ、もう一つあった。フランスのディジョンで、ワインを飲み過ぎて、階段の段差を踏み外してこけたことがある。膝を打撲して、ホテルでせっせと湿布をした。なんか寂しかった。

 

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ディジョン

 

 ケガをすると、確かに強気にはなれない。何かのバチが当たったんじゃないかとも思ってしまう。まあなんだかんだ気弱になるしね。身体が痛いと気持ちは萎えるし、あまり良いことは無いので、ケガはしたくないものだ。

お高いワイン

 あまりこちとらには関係ない話なんだが、世の中には、恐ろしく高〜いワインがある。高〜いって、つまり値段が高いのね。それこそ一本一千万円以上するものがある。

 

 一本一千万円ねぇ、まあ希少価値なんでしょうが、ぶったまげますよね。いったい誰が飲むんだろう? トランプ米大統領みたいな人なのか。まあ超弩級の金持ちですな。資産が100億円あれば、飲めるかな。

 

 実際飲むというより、投資なんでしょうね。例えば19世紀のシャトーディケムが10万ドルなので、一千万円を少し超える価格なんですが、こんなん実際には飲めるわけがない。絵や美術品と同じで、所有しているという満足感と投資ですね、多分。

 

 こういったワインは、飲料品ではなく一種の美術品と考えれば、希少価値から高価格が付くのも理解ができます。僕らが飲んでいるワインとは、当たり前なんですが、世界が違うだけなんです。

 

 とは言うものの、こちとら、一万円のワインで、買うべきか買わざるべきか悩んでるっつうのに。そういやぁ、アメリカの大学院時代の友人で、親がでかいヨットを持っていて、世界に何件も別荘を持っている奴がいますが、そういう人がきっと買うんでしょうね。

 

 こういうワイン達は、ワインショップでは売っていません。どこで買えるかと言うと、オークション。サザビーズとかクリスティーズとか海外の有名なオークションがありますよね。クリスティーズでは、FINE AND RARE WINESという部門があって、そこで扱っているようです。

 

 どんなにお高いワインでも、知っておく分にはタダ。どんなワインがあるか、ちょっと見てみましょうか。データは2018年のものです。

 

Chateau d'Yquem 1811

US$110,000以上 (2018年)

 ワイン好きなら良く知っているよ、というシャトーディケムです。ソーテルヌで貴腐ワインなんですが、近年のものでも数万円します。

 

Chateau Lafite 1787

US$150,000以上

ボルドーのシャトーラフィットですね。

写真は2015年のものですが、それでも約44万円します。

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出典 https://item.rakuten.co.jp/aben/10011845/?s-id=pdt_overview_image#10011845

 

Chateau Margaux 1787

US$225000以上

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写真はマルゴーのサード。約二万円です。随分と格安に感じられますね(笑)。

 

 一本数万円のワインでさえあまり飲めないと思うんですよね。ましてや10万円以上するワインなんかは、怖くて飲めませんね。ボトル一本、つまり750mlです。ワイングラスにすると約6杯分。これに注ぎ込める金額は、気張ってみても、せいぜい一万円あたりが限度かなと、庶民の私は思います。

涙 琉球のワイン

 涙と書いて『なだ』と読みます。琉球のブドウを使った沖縄県産の日本ワインです。

 

 沖縄県でワインを造っていることを知識として知ったのが約半年前。ワインエキスパートの試験勉強で、日本のワインについて書かれたテキストを読んだ時に、『北は北海道から南は沖縄まで、ほとんどの都道府県でワインが造られている。』と表記があり、「ほう、沖縄でも造っているんだ。」と思いました。

 

 なぜなら、沖縄 = 南国、に私の頭の中はなっていて、高い山が無い、つまり気温の低いエリアの無い沖縄でブドウが育つのだろうか、疑問が残りました。

 

 「沖縄のワインって、どんな風なんだろう。」

 

 調べてみたところ、沖縄には、『リュウキュウガネブ』という南方系の山葡萄の原産種があり、琉球諸島から八重山諸島にかけて自生しているようです。このリュウキュウガネブを使ったワインを造っている方がいらっしゃるということを知りました。けっこうご苦労されて造られているようです。

 

 醸造施設は無いので、東京の東京ワイナリー醸造に委託されているようです。

 

 テロワールは沖縄の日本ワインです。生産量は、かなり少ないので、なかなか手に入らない。

 

 その沖縄県産のワインですが、

 『涙』。ナダと読みます。リュウキュウガネブから造られたワインの名前です。

 

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 で、どこで飲めるかというと、ご承諾を頂きました。

オーベルジュボヌシェールラウー

https://raout.com/

イタリアンのオーベルジュ。恩納村真栄田にあります。コスパも良く、美味しい料理がコースで頂けます。レストラン利用だけでも大丈夫でした。

 

涙のテイスティングノート

外観 濃い赤ワイン

香り 基本は山葡萄の香りですが、北日本の山葡萄とは異なり、しっかりとした、南の果実の濃いめの香り。ブルーベリー止まりでブラックチェリーまではいきません。苔や土も微かに香ります。花はすみれかな。第一アロマ。

味わい タンニンはサラサラとしています。甘味はソフト。酸味は少し強め。バランスはスマート。ミネラル強めで、微かに塩っけも感じます。

ミディアムボディ。アルコール分は10%。余韻はふつう。

日本ワインはお好き?

あけまして

おめでとうございます。

令和3年もよろしくお願いします。

 

 正月なので、日本ワインの話を総花的にしやう、と思います。正月と日本ワインね、関係あるような無いような。単に正しい日本の正月からの連想ですね。

 

 日本のワインと言うと、日本に住んでいながら、あまり良く知らない、どちらかと言うと、マイナーな存在だったんだろうと思います。せいぜい山梨県やら勝沼やらの名前をかろうじて思い浮かべる程度。私もそうでした。ブドウの品種も、甲州だとかマスカットで国際品種はほとんど無いと。

 

 この状況が、近年、劇的に変わってきており、もっと言うと、日本ワインがブームになる兆しすら見えてきている感じがしています。

 

 日本ワインを扱った記事が目につく

 日本ワインを扱うオンラインショップが増えている

 

日本ワインとは?

「日本ワインとは、国産ブドウを原料とした果実酒である」

 

 国税庁により2015年に定められた日本ワインの法的な定義です。国税庁が法律として定めた背景というか目的は、海外から輸入したブドウの果汁やバルクワインを使って、日本国内で瓶詰めされたワインと区別する為なんです。

 

 何故区別する必要があるかなんですが、これは、真面目にワインを造っている人達を保護して、日本ワインを国際的にも価値のあるものに育てたいという意思の表れなんだと推察します。

 話題がかたくなりました。

 

何処で造っているの?

 北は北海道から南は沖縄まで、ワインを造っています。厳密には、沖縄ではワイン用のブドウの『リュウキュウガネブ』が少量生産されていますが醸造は東京だそうです。

 

 緯度の差は、なんと18度。やはり日本は南北に長いですね。テロワールは相当に異なると思います。気候や土壌など、北海道と九州ではかなり異なりますし、北海道内でも富良野と小樽では違う気候になります。

 

主な生産地

 北海道

 山形県

 新潟県

 長野県

 山梨県

 大阪府

 宮崎県

 

日本ワインのブドウの品種(2017)

1. 甲州

2. マスカット・ベーリーA

3. ナイアガラ

4. コンコード

5. デラウェア

6. シャルドネ

7. メルロー 

 

となっています。やはり、白ブドウは甲州。黒ブドウは、マスカット・ベーリーAなんですね。

 

仕立て方法

 以前のブログでも書いているんですが、多くは棚仕立てです。最近は、ワイン生産国の多くで採用されている、垣根仕立てで造っている生産者もいらっしゃいます。

 

 日本のワイン産業がより活発になり、ワインの世界での、日本ワインのポジションを確保していく為には、まず日本国内の消費者に日本ワインを正しく認識して頂くことが大事だと思います。その為にも日本ワインの定義があり、ここでは割愛しましたが、産地名表示規定やワイン特区があります。

 

問題点

 これから日本ワインが普及していく為に克服しなくてはならない点があると思います。

 

 1. 生産量が少ない生産者がまだまだ多い→買いたくともなかなか買えない

 

 2. 価格が比較的高め→海外の銘醸ワインとの競争 例えば、三千円のブルゴーニュのピノノワールと日本ワインのピノノワール、どちらを買いますか?

 

 3. 扱っているショップがまだまだ少ない→徐々に増えてきています

 

 今年、令和3年は、ぜひ日本ワインがより多くの消費者に認知されて、日本ワインを愛飲する人が増えると良いなぁと思います。

ホイリゲとオーストリアワイン

 『ホイリゲ』。

 なんか面白い響きの言葉じゃないですか。Heurigeと綴るのですが、オーストリアのワインの新酒のことです。ボジョレーヌーボーのように毎年新酒がリリースされるんですが、リリース日は11月11日。

 

 ホイリゲにはもう一つ意味があって、ウィーンではワイン生産者が営むワイン居酒屋を意味します。ウィーンを訪れると、このホイリゲが各所にあって、ワインを楽しく飲んでいます。ウィーン以外の地域での、このワイン居酒屋の呼名は、ブッセンシャンク Buschenschank。

 

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出典 https://www.austria.info/jp/things-to-do/food-and-drink/heurige

 

 日本でオーストリアワインを購入しようとすると、フランスやイタリアはもちろん、お隣のドイツのワインのようには簡単には手に入りません。これは、オーストリアではワイン生産量の約80%がオーストリア国内で消費されているためで、もちろん日本でも購入できますが、銘柄や量は限られてきてしまいます。

 

 葡萄の品種は、3分の2が白葡萄品種。グリューナー・ヴェルトリーナーというあまり聞いたことのない地品種が全体の30%以上を占めています。下の写真のワインの品種は、ゲルバー・ミュスカテラー。リースリングやピノブラン、シャルドネも少ないですが造られています。

 

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MITZI

品種 ゲルバー・ミュスカテラー

生産地 シュタイヤーマルク州

生産者 GROSS & GROSS

 

 赤ワインの品種は、ツヴァイゲルトがトップで、ブラウフレンキッシュやピノノワールもあります。

 

 主な産地は、ニーダーエステライヒ州、ブルゲンラント州、ウィーン州、シュタイヤーマルク州の4つの州ですが、ニーダーエステライヒ州とブルゲンラント州で全体の88%を占めています。

 

 ワインにあわせるオーストリア料理ですが、やはりウィーンですね。有名なところで、ヴィナーシュニッツェルやターフェルジュピッツァ。ニーダーエステライヒ州は、肉料理や野菜が美味しいです。

 

 オーストリアワインの価格帯は少し高めでしょうか。だいたい二千円台後半ぐらいから手に入るようです。新しい葡萄品種や新酒ホイリゲも興味ありますよね。オーストリアワインもぜひぜひ飲んでみて下さい。

お屠蘇の作法

 あと少しで正月ですね。

 今年は多分寝正月でしょうね。まあ、いつも寝正月なんですが。

 

 正月というとお屠蘇です。今ではニアリィイコール日本酒なんですが、厳密には『屠蘇散』または『屠蘇延命散』という、肉桂や陳皮などの5~10種類の薬草(ハーブ)に酒やみりんを漬けたものを屠蘇と呼びます。言ってしまえば、ハーブ酒ですね。

 

 屠蘇は、平安時代に唐から日本に伝えられて、平安貴族の正月行事として広まりました。一般庶民の口に入るようになったのは江戸時代だそうです。

 

 屠蘇の由来は、「蘇」という悪鬼を屠るという説や、邪を屠り生気を「蘇生」させる説などがありますが、要するに、正月に邪鬼を払って、無病息災・長寿を願って薬草(ハーブ)酒を飲む風習です。

 

お屠蘇の作り方

 現代では、これはもう、ほとんど日本酒・清酒なんですが、正式に作ろうとすると、酒に漬ける薬草(ハーブ)を揃えるのはけっこう手間がかかります。屠蘇散が売っているので、それを買ってきます。たいがいティーバッグになっているので便利です。200円ぐらいで売っています。

 

材料

 日本酒、本みりん、屠蘇散

作り方

 日本酒7〜8、本みりん2〜3の割合で、だいたい300mlを容器に注ぎ、屠蘇散を浸し、一晩(5〜8時間)寝かせておきます。量や時間は、屠蘇散の説明を読んで、説明に従ってください。

 

 日本酒と本みりんの割合ですが、日本酒が多ければ辛口になり、本みりんが多ければ甘口になりますので、お好きな割合で調合してください。

 

 決めては、使う日本酒と本みりんの品質です。あくまで個人的意見ですが、できるだけ上質なものを使うと美味しい屠蘇ができると思います。

 

お屠蘇の作法

 元日の朝一番で汲んだ若水で手を清めるんですが、現代では、元日の朝、きちんと手を洗い、口をすすぎ、顔を洗いましょう。

 

 一家揃って、神棚や仏壇があれば、家族で拝み、新年のご挨拶をします。

 

 神棚や仏壇がない場合やお一人様の場合も、あくまで個人的な意見ですが、手を合わせてから、新年の挨拶をすると良いと思います。一人でも声に出して、きちんと新年の挨拶をする方がかっこいいと思います。

 

 お屠蘇はおせち料理やぞうにを食べる前に飲みます。

 

 方角 東の方角を向いて飲みます。

 

 屠蘇を飲む順番 年少者→年長者

 

「一人これ飲めば一家苦しみなく、一家これ飲めば一里病なし」と唱えます。

 

 お屠蘇は、日本の伝統的な風習です。若い頃は、古くさいなぁと思っていましたが、年齢を重ねると、なんだかこういう伝統はおごそかで縁起が良くなる気持ちがしてくるから不思議です。

 

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参考にしたホームページ

OISIX

https://www.oisix.com/shop.osechi--cont-otoso__html.htm

 

日本名門酒会

https://www.meimonshu.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=379

ワインはワイングラスで飲みませんか

 けっこう高めの高級ワインを飲んでいるのに、ワイングラスが合っていない方っていらっしゃると思います。私のワイン好きの友人も、ワインほどにはグラスに金をかけないというかグラスに気が回っていない人が多いようです。

 

 高級ワインを飲む場合は、そのワインの葡萄品種にあったワイングラスを用意すべきです。いかに高級ワインといえども、ワイングラスを選び間違えると、本来の香りや味を楽しめません。

 

 ワインは、できれば葡萄の品種に合ったワイングラスで飲むのが美味しい。ワイングラスは、そのワインを楽しめるように形づくられているからです。

 

 しかしながら、本来は品種によりワイングラスを揃えるのが理想とはいえ、高級ワインを飲むのはレストランでが多く、家飲みはデイリーワインという方々(一番多い層だと思います)は、コストや、日本家屋の狭さによる収納の少なさを考えると、品種ごとにワイングラスを揃えるのは通常は不経済。赤ワイン用と白ワイン用それぞれ一脚づつあれば良いと私は思います。

 

 ワインは外観を愛でて、香りを楽しみ、そして口に含んで味わいます。湯呑茶碗では、ワインは何とか味わえますが、外観を見ることと香りをかぐことには無理があります。

 

 ワイングラスって、案外、食器棚に2脚ぐらい眠っていませんか。いつ買ったか貰ったのかが定かではないようなもの。一度引っ張り出してきて、ワインを飲んでみてください。

 

  ワイングラスのメーカーについては、私の以前のブログで説明してありますので、そちらを参照して下さい。ここでは、どんなワイングラスを選ぶのが良いかについて説明していきたいと思います。

 

ワイングラスについての以前のブログ

https://nwawinescom.hatenablog.com/entry/2019/07/24/111518

 

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テイスティンググラス

 

 ソムリエがテイスティング用に使用するグラスがテイスティンググラスです。ワインエキスパートやソムリエのテイスティング試験やブラインドテイスティングなどに使用されるISO(国際基準協会)により形・寸法が定められた、国際規格テイスティンググラスです。

215ml用で、金額的にもだいたい一脚千円以下なのでソムリエやワインエキスパートを目指す人は慣れておいた方が良いです。

 

赤ワイン用と白ワイン用

 

 赤ワインと白ワインは、それぞれに合わせたワイングラスを用意した方が良いと思いますが、もしデイリーに飲むのが、赤ワインが90%などと偏りがある場合には、赤ワイン用のみのグラスで、残りの10%の白ワインの時には、赤ワイン用を使ってしまっても良いと思います。白ワインが多い場合には、白ワイン用で対応ですね。

 

赤白兼用グラス

 

 赤白兼用もあるので、こちらでも良いと思いますが、このザルト・ユニバーサルは、一脚7900円(税抜)するので、金の問題では無く収納スペースが無いという人にはおススメしますが、ボルドーやブルゴーニュを飲む場合は、赤ワイン用の方が良いと個人的には思います。

 

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ザルト・ユニバーサル

https://www.enoteca.co.jp/item/detail/900001370000

 

赤ワイン用グラス

 

 だいたいの葡萄の品種毎に用意があるので、ご自身が好きな品種や良く飲む品種に合わせれば良いと思います。決められない場合、絞り込むと、最終的には、次の二つのどちらかになります。

 ブルゴーニュピノノワール

 ボルドー

このどちらかは、やはり飲むワイン次第なので、そこがハッキリしないと決められないので、最後はエイヤーです(笑)。

 

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出典 https://www.riedel.co.jp/blog/0404_winkingdom/

 

白ワイン用グラス

 白ワイン用も、ご自身が飲まれる葡萄の品種で決めますが、個人的に一脚をあげろと言うならば、ソービニヨンブランですかね。

 

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出典 https://www.riedel.co.jp/blog/0605_winkingdom/

 

 皆さま、ワインは是非ワイングラスで飲みましょう!

猿は酒を造るか?

    猿酒伝説というものをご存知でしょうか?

(このブログは、以前のブログを改訂したものです。)

 

 猿が酒を醸す、造るのかどうかなんですが、猿酒伝説は猿たちが醸した酒をひと様が掻っ払うという話。主に中国の今の雲南省辺り、とにかく辺境の作り話が旅人の口コミにより都会に伝わり、それを馬鹿な学者が信じて(か、信じたフリをしたか)、したり顔で広めたようです。

 

 大昔なので、移動手段はおのれの足か、せいぜい馬ぐらいなのだから、辺境まで確認に行くことはできない。できないことはないが、時間がおそろしくかかります。それを良いことに面白おかしく広まっていったようです。

 

    なんで猿酒の話なのか。この話の発端は、友人同士の句会で、ある友人が猿酒で始まる俳句を読んだことです。猿酒は秋の季語。この友人は、東大の理系の出身だが、非論理的なことをさも論理的であるかのように説明するという列子の朝三暮四のような特技を持つ男で、少し前から俳句に凝っています。この男が駄句をひねり出した後、猿酒はあったのかが話題になりました。あ〜あ、めんどくさい話をしてしまったと後悔しました。

 

 冷静に考えると、猿が酒などを醸すわけもないようです。そもそも猿は食べ物を蓄えるということはしないのだそうです。だから猿がためこんだ木ノ実が発酵してということは否定されるんですが、この点、割と猿酒信奉者もいらっしゃるので、あまり強いことは言わないでおきます。あくまで個人的意見です。

 

「オマエは何でそう身も蓋もないのかねぇ、ちっとはロマンを感じたほうが良くねぇか。生活に潤いがねーだろ。」とのたまう。ほっといて欲しい。

「アマゾンの奥地ぐらいに酒醸す猿がいるかもしれね〜じゃん。」

 

 アマゾンの奥地ぐらいに酒を醸す猿はいないだろう。猿の上前をはねるひと様もいないから確認しようがないからだ。確認とは、その行為を観る人がいて初めて成り立つ。

 

「ヒマラヤの山ん中とか。」

そりゃイエティだろ。イエティだったら酒醸すかもしれないが。

「あと猿の惑星の猿とか。」

「、、。」

 

    猿酒は猿が木の洞や岩のくぼみなどに溜め込んだ果実などが自然に発酵して酒になったものである。ましら酒とも呼ばれ、猟師や木こりなどが探し求めて飲んだといわれる。(Wikipediaより)

    この友人のように猿酒を最古の酒と考える方々がいらっしゃるのも事実。一方、Wikipedia によると、石毛直道先生は「野生のサルが食料を貯蔵する習性はないとされている。したがってサル酒は存在しないと考えてよい」と述べています。(石毛直道「酒造と飲酒の文化」)

 

    猿酒はワインのルーツだ、という考え方というか一種ロマンチックな話がありますが、これはどうもワインのルーツを猿酒にすることで、猿酒は中国の話なんだから、ワインのルーツも中国だという理屈をこねたいだけのようです。猿酒自体の否定説を私は取りたいので、ワインのルーツは猿酒ではないということになります。

 

    縄文人はワインを造ったかなどワインのルーツに関する話題は、多岐にわたりとても楽しい分野だと思います。また、多くの論文や研究成果も発表されています。ワインを楽しむ方法もいろいろあって良いと思います。ワインの歴史やルーツん探ってみるのも、ワインの楽しみ方のひとつです。

オンラインワイン会でのホストの振る舞い

 ワイン会というのがありますでしょう。けっこう色んなところでやっていますよね。まあ、今年は、実際に会うことは自粛ですので、ワイン会もオンラインでの実施が多かったわけですね。

 

 オンラインワイン会、私も3回ほど参加しました。また一回ですが、主催をしました。

 

 オンラインワイン会の良い点は、自宅から参加できるので、距離を問わないということです。参加者は、インターネット環境が使えれば、東京、北海道、四国に散っていても一緒に参加可能ですし、海外に居ても時差さえ気にしなければ、問題無く参加できます。

 

 オンラインワイン会は、オンラインミーティングのアプリを使います。このアプリは、ご存知のように、ZoomやマイクロソフトTeamsなど数種類あります。私の主催の場合は、マイクロソフトTeamsを使います。参加したワイン会は、3つともZoomでした。

 

 私は本業で、長いこと外資系IT企業に勤めていたので、ITリテラシーは高い方です。オンラインミーティングにも慣れているので、何も問題はありませんでしたが、やはり数人の方は、なかなかミーティングに入れない、音が出ないなどのトラブルがありました。

 

 オンラインワイン会では、必ずいらっしゃるITリテラシーの低すぎる、ないしはほとんど無い方をどう救うかを考える必要がありますね。あるいは、そういうヘルプが必要な方には参加して頂かないように、残念ですが、バッサリという方法もあります。ヘルプに時間がかかると、ワイン会の時間が減ってしまいますし、専門のサポートを用意するわけにはコストからもできないからです。できることは、事前のFAQぐらいですね。

 

 今回は、オンラインワイン会をホストないしはホステスとして主催する場合の、準備と進行について書きたいと思います。

 

 オンラインワイン会は大きく2種類になります。

 ワインは各自で用意

 ワインは主催者が事前に送付

 

 より簡単なのは、当たり前ですが、ワインを各自で用意して頂くほうです。ワイングラスを持って、時間になったらコンピュータやスマホの前に集まってもらえばワイン会をスタートできます。今回は、ワインは各自で用意の方で説明します。

 

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事前の準備

 ▷オンラインミーティングアプリで、オンラインミーティング(ワイン会)の日時を設定する

 

 ▷設定内容を参加者に伝える。実際には、ミーティングのリンク、ミーティングIDやパスワードをメールなどで送ります。

 

 ▷音が出ないなどの基本的な問題への対処方法をFAQとして周知しておきます。

 

 ▷ワイン会の参加者の人数にもよりますが、サブルームというかメインとは別のルームを作っておきます。ブレイクアウトルームと言います。現実のワイン会や飲み会でも、例えば10名前後の参加者があった場合に、10名全員が一緒に喋るということは無いですよね。3〜4名ごとのグループに分かれて喋ります。オンラインでも状況は同じことです。そのためのブレイクアウトルームです。

 このブレイクアウトルームのメンバーを、30分ぐらいでシャッフルすると、より多くの人とコミュニケーションが可能になります。

 

オンラインワイン会の進め方

 ▷だいたい主催者は、15分ぐらい前にオンラインミーティングに入っておけば良いと思います。

 ▷開会。乾杯をしましょう!

 

 ▷自己紹介タイム。ワイン会ですから、今日はどんなワインを飲んでいるか、やどんなワインが好きかを軽くシェアしてもらいます。

 

 ▷歓談。

 

 ▷ソムリエやワインエキスパートによるワインの勉強会や質問コーナーを入れてもOK。

 

 ▷閉会。

 

オンラインワイン会は企画が重要

 事前にワインを送付している場合は、同じワインを飲むので、感想をシェアしたりできるのですが、各自でワインを用意する場合、これがかなわないので、共通の話題が一つ減るわけです。

 

 オンラインの場合、場の雰囲気に頼ることができません。高級レストランで開催する場合を想像頂ければ、場の雰囲気の効用をおわかりいただけると思います。

 

 皆を飽きさせない『企画力』が求められます。ソムリエやワインエキスパートによるワインの解説や質問コーナーなど、参加者が楽しめる内容を企画しましょう。

 

 単なるおしゃべり会に終わらせない、ワイン会ならではの企画が重要です。

 

 オンラインワイン会は、自宅に居ながらにして参加できるので、もっと気軽に開催しても良いと思っています。

ホスト・ホステステイスティング

 ソムリエがいるレストランでワインをボトルで頼む場合、ホスト・ホステステイスティングをしなくてはならない立場になる時がありますよね。

 

 このホストテイスティングの『ホスト』という言葉は代金を支払う人、つまり「もてなす側』のことを意味します。

 

  カップルですと、エスコートする側がホスト・ホステステイスティングを行います。グループの場合は主催者ですね。もともとの意味は男主人です。ホストはパーティーを主催する男主人で、女主人はホステスになります。女性が行う場合には、ホステステイスティングになるんだと思います。

 

 あなたがホスト、ホステステイスティングを行うことになった場合、どうしますか? 大丈夫です。テイスティングの順番さえ間違えなければ、ホスト・ホステステイスティングはそんなに難しくないんです。

 

 それでは、ホスト・ホステステイスティングの順番を見ていきましょう。

 

1. ワインを選ぶ

 ホスト・ホステスが選ぶわけですが、料理との相性も考えなくてはならないので、ここは、ソムリエと相談して決めるのがベターだと思います。だいたいの予算を伝えておきましょう。

 

2. ワインの確認

 ソムリエは、そのワインが確かに頼んだワインに間違いないかどうかをラベル(エチケット)をホスト・ホステスに見せますので、確認をします。もし違っていたら、そう指摘しましょう。

 

確認事項は、

 銘柄

 生産者

 ヴィンテージ

問題がなければ、軽く頷きましょう。

 

3. コルクの状態の確認

 次に、ソムリエが抜栓し、コルクを皿にのせてよこしますので、ワインに触れていた方の端の匂いを嗅ぎます。カビ臭くないかを確認する為ですので、カビ臭くなければ、OKのサインを出します。

 たまに汚染されたコルクによりボトル内のワインの品質が劣化していることがあります。これをブショネ(Bouchonee)と言います。ブショネの場合、コルクからカビ臭いような嫌な匂いがします。

 

 まあ、通常はソムリエが先に確認をしますので、ホスト・ホステステイスティング時点では問題は無いと思いますが、念のためにコルクの時は、匂いを嗅いでみましょう。カビ臭い時や、ブショネの場合は、ワインを交換してもらえます。

 

 ブショネは、コルクを使用したワインであれば、スティルワインはもちろん、スパークリングワインにも発生します。

 

3. テイスティング

 ソムリエがホスト・ホステスのグラスだけに少量のワインを注ぎますので、テイスティングをしましょう。

 

テイスティングの順番は、

目 → 鼻 → 口

です。この順番は一方通行で、戻ってはいけません。順番を間違えなければ、ホスト・ホステステイスティングは難しくないと言ったのは、この、目→鼻→口の順番です。

 

 最初は目です。外観を見ます。透き通っているかどうかをチェックします。もし濁りがあれば、ソムリエに伝えます。オーガニックワインなんかで稀に濁りがあって、それが正常なものもあるんですが、大概、濁りはダメですね。

 

 次が鼻です。そうです香りをチェックします。香りで注文したワインの葡萄の品種の確認ができますが、ブラックチェリーだなんだとかは必要なくて、『良い香りですね』ぐらいにしておきます。

 

 最後が口で、ワインを味わいます。ここでも本来なら、葡萄の品種やアタックの強弱、甘味やタンニンなどをチェックするんですが、なかなかハードルが高いので、『美味しいです。』ぐらいにとどめます。

 

 はい、ここまできたら、ワイングラスを置いて、ソムリエにOKを伝えます。頷いてみたり、美味しいですと言ったりして伝えます。

 

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 どうですか、簡単だと思います。くれぐれもテイスティングの順番を間違えないことが、スマートなホスト・ホステステイスティングのキーです。