ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

ワインのキレイな注ぎ方

 誰かワインのキレイな注ぎ方を教えてくれよ〜。

 ワインをワイングラスにこぼさずに注ぐのは、割と難しいものです。テーブルクロスにワインの染みが点々とは、避けたいですよね。

 ワインを注ぐ、に関するマナーがちゃんとあるんです。今回は、ワインの注ぎ方の基本を見てみましょう。

 

ワインボトルの持ち方

 ワインを注ぐ為には、当然、まずワインのボトルを持ちます。ソムリエは片手でカッコよく持っていますが、両手を使っても問題ありません。ボトルをしっかりとホールドすることが大事です。

 この時、トーションというソムリエが片腕にかけているナプキンがあると良いです。ふつうのナプキンで良いと思います。無ければティッシュペーパーでも。トーションを片手に持って、ワインボトルを持ちます。

 ボトル持つ時、ボトルの向きが実は大事で、ラベル(エチケット)が上に向くように持ちます。

 

ワイングラスに注ぐ

 だいたいグラスの3分の1の量を目安にして、ドバッと注ぐのではなく、少しづつ注ぎます。ワイングラスの縁にボトルが当たらないようにしましょう。ワイングラスはテーブルに置いたままです。

 と書くのは簡単なんですが、この少しづつというのが、なかなかハードルが高かったりします。おずおずとやってもダメだし、ドバッとやってもダメ。

 丁寧さを心がけて注ぐしかないようです。

 

f:id:nwawinescom:20201211020520j:image

 

注ぎ終わったら

 ワインをこぼさずに、注ぎ終わって、ボトルを元に戻したいですよね。その方法なんですが、

 まず、45度から50度ぐらいボトルを上にクイっと傾けて、注ぐのを終わりにします。

 次に、ボトルを軽くひねる(回す)ように持ち上げます。この時、ひねりながらボトルを上に傾けてはダメなんですね。

  上に傾ける→ひねって持ち上げる

の順番です。

 ひねって持ち上げたら、すぐにトーション、無ければティッシュペーパーで、ボトルの口を軽く拭きます。

 

 ワインをスマートに注げると、ホームパーティの時、カッコいいですよね。パーティーホストとしてもいけてます。まあ、最低でも、こぼさずに注ぎたいものです。

 

 勘所をつかむたむには、ある程度の数をやはりこなさないとです。また、ボトルの形状により注ぎ易い、注ぎ難いがあります。

 

 数十回、気にしながら注いでいると、

 

ワインボトルを持って

グラスに注いで

上にクイっと傾けて

ひねって持ち上げ

トーションで軽く拭く

 

このアクションが流れるようにできるようになると思います。

 

美味しくて、しかもお安いワイン

 たまたま外で飲んだワインが美味しくて、ネットで探してみたら、かなりお安く売っていて、かなり嬉しかった、ということが、ここ2件(2本)たて続けておきましたので、シェアしたいと思います。

 価格は、2本とも各1200円程度。デイリーワインとしては、少しだけ安いのですが、まあ大丈夫だろうと。もちろんこの価格では、複雑な香りや味わいや、いけてる渋味や木樽からのちょうどいいニュアンスなどはありません。食事やスイーツと合わせて、『なかなか良いじゃん。』になる、シンプルかつストレートな美味さだと私は思いました。

 

1本目

Tilia カベルネソービニヨン2019

アルゼンチンメンドーサ地区

 

f:id:nwawinescom:20201209201614j:image

品種 カベルネソービニヨン

産地 アルゼンチン メンドーサ地区
外観 濃い赤ワイン、ガーネット、若々しい

香り 強くて開いている、ブラックベリー、牡丹、甘草、カベルネソービニヨンだが樹脂っぽさはあまり感じない

味わい やや強いアタック、甘味はまろやか、酸味はなめらか、タンニンはそこそこ、バランスは力強い

アルコール度数 13.5%

余韻 ふつう

 

合わせた料理

単体で飲むより、スイーツと合わせると素晴らしくマリアージュする。特に、季節の栗を使ったスイーツ、私はマロンシャンティイを合わせたところ、綺麗にマリアージュしました。他にもチョコレートケーキやショコラフォンダンもいけると思います。

f:id:nwawinescom:20201209202623j:image

購入リンク

https://item.rakuten.co.jp/wineuki/1500001000607/

 

2本目
グラディウム オーガニック テンプラニーリョ シラー 2018 ボデガス カンポス レアレス

品種 テンプラニーニョとシラー
産地 スペイン ラ・マンチャ
外観 ダークチェリーレッドだがテンプラニーニョらしい色合いも
香り ブラックチェリー、第一アロマが強い
味わい やや強めのアタック まろやかな甘み なめらかな酸味 タンニンは中程度 バランスは多少肉厚 
アルコール度数 14%
余韻 この価格の割には

合わせた料理

ハンバーグステーキ、カツレツ

f:id:nwawinescom:20201209213049j:image

出典と購入リンク

https://item.rakuten.co.jp/toscana/10107451/?gclid=CjwKCAiAiML-BRAAEiwAuWVggh7EwDq4cs6-pemLkcU0XJR6Qm6Eg7NJwYrdjHpJeaJaaGF4MstLSRoCQF8QAvD_BwE&scid=af_sp_etc&sc2id=af_113_0_10001868&icm_cid=1102570983&icm_acid=641-897-3033&icm_agid=58457838648&gclid=CjwKCAiAiML-BRAAEiwAuWVggh7EwDq4cs6-pemLkcU0XJR6Qm6Eg7NJwYrdjHpJeaJaaGF4MstLSRoCQF8QAvD_BwE

 

 また、こういった美味しくて、しかも安いワインに出会えたらシェアします。

ビストロ in 奈良

 出張とか旅行に出て、朝昼と米の飯を食べると、夜は洋食系に行きたくなります。まあ、イタリアンかフレンチ。ただ東京ならいざ知らず、地方都市になると、これが案外難しい。イタリアンではなくピザとパスタ屋だったりするわけで、別にピザやパスタに文句があるわけじゃなく、ただもう少し本格的なイタリアンが食いたい夜なわけです。

 まあ、山の中あたりに行くと、そもそも論で本格イタリアンやフレンチは無理で、それはそれで諦めもついたりしますが、ちょっとした地方都市の場合、多少の期待もあってか、外すとガッカリします。なので、日本で東京以外の地域では、あまり期待しないようにする習慣がつきました。

 以前、奈良に行った時も、色々と調べてみました。あまり目を引くものは無くて、天理ラーメンでも食った方がと頭をよぎりましたが、『今夜はワインが飲みたいんだよ。』との気持ちには勝てもせず、結局、「ビストロNERO」というホテルから歩いて10分程度にあるビストロを予約しました。

 食事は、ビストロメニューといわゆる洋食屋メニューを合わせたような感じでした。連れと2人でシェア。

 大和ポークのパテ

 サラダ 宇陀産のほうれん草?

 大和ポークのサルシッチャ

 ハンバーグステーキ

 カツレツ(ミラノタイプでした)

 

ワインリストから、あまり期待できないかなと思いましたが、気を取り直して、イタリアプーリア地方のネロディトロイアを頼みました。連れはシードル。

 

f:id:nwawinescom:20201208115346j:image

 

ネロディトロイアも良かったんですが、テンプラニーニョとシラーにひかれて2杯目で、グラディウムオーガニックテンプラニーニョシラーを頼みました。これが割といけました。比較的安めのワインなので、香りや味わいの複雑さがどうしたこうしたは無いんですが、普通に美味しく飲める。ハンバーグには良く合ったので数杯飲みました。後でネットで調べると、一本約1200円。へぇ、普段飲みには丁度良いじゃんと思いました。

 ということで、ビストロNEROさんは、料理も美味しくいただきましたので満足できました。グラスワインも種類も多く、良いと思います。サービスは、そんなに悪くなかったです。コスパも東京感覚からすると、良いかと思います。

奈良 ビストロネロでググると出ます。

佐久良の吉野本葛切り

 葛もちや葛切りというのがあるわけなんですが、本葛粉100%のものは、本当に少なくて、大方がさつまいもの粉だそうです。

 

 葛といえば、奈良の吉野。以前、奈良市に出張した時に、吉野までは同じ奈良でも遠いが、折角、奈良にいるのだから、吉野の本葛を使った葛切りか葛もちを頂きたい。そこで、近鉄奈良駅から歩いて、いそいそと佐久良さんへ。


 佐久良さんの店の構えはさほどに大きくなく、中に入るとショーケースにテーブル席が一つ。奥に畳の席があります。

 

 初めに、玉露入りの煎茶と可愛い干菓子が出てきました。この干菓子は、吉野本葛と和三盆で作られていて、とても上品。お茶も特注しているということで、かなり上質で美味しい。

 

 吉野本葛100%の葛切りを注文し、待つ事しばし。熱い焙じ茶とともに葛切りの登場!

 

f:id:nwawinescom:20201207203754j:image


 美味い! 独特の弾力があり、のどごしが素晴らしく、葛切りが堪能できました。

 

 葛粉というのは、極寒の冬、葛の根を昔は冷たい吉野川の水、今はやはり冷たい地下水で繰り返し精製させて、乾燥させたもので、たいへんに手間のかかるものだそうです。


 葛切りと言えば、京都の鍵善良房の葛切りが有名ですね。鍵善良房のものも大変美味しいのですが、佐久良はさすがに専門店、しっかりとした美味しさがありました。

 

 最初に出された干菓子が美味しかったので、干菓子を買って帰りました。ちょっと嬉しいです。

柿の葉寿司たなか奈良本店

 昨年の奈良市への出張の折、奈良でランチを食べようとすると、やはり柿の葉寿司は外せないだろうと考えていて、近鉄奈良駅を降りて少し歩いたら、『柿の葉寿司のたなか』が目に飛び込んできたので、空いているか尋ねると、テーブルが一つ空いていると言うので、そのまま入りました。柿の葉寿司の売り場があり、うなぎの寝床のような店内を奥に進むと、こじんまりとしたレストランエリアがありました。

 

柿の葉寿司

 柿の葉寿司たなか奈良本店。

 下の写真のセットメニューがありましたので、お願いしました。単品で頼むより、お得なようです。鯖、ベニトロ、あなご、太巻きにお吸い物が付いています。

f:id:nwawinescom:20201207011134j:image

 

 思っていたより、というのは失礼なんですが、思っていたよりかなり美味しい。これまで、柿の葉寿司と言えば、せいぜい駅弁がわりに買う程度でした。なので、そこから味を想像していたら、レベルが違いました。一気にファンになりました。

 

 柿の葉寿司は、奈良の南西部、五條が発祥の地。五條と言えば、柿の名産地ですね。それで柿の葉の利用を考えついたんですかね。なんと200年の歴史があるそうです。奈良の食文化ですね。

 

 昔は、当たり前ですが、今のように冷蔵技術も車などによる物流も無かったわけで、そういう環境下で、魚は貴重なタンパク源です。日持ちがしないので、魚を塩でしめて、乾燥を防ぐために柿の葉で包んで、重石で余分な空気を抜いて発酵をさせます。昔の人の知恵ですね。

 

 柿の葉にはビタミンCが豊富に含まれており、ワインでお馴染みのポリフェノールの一種のタンニンも多い。抗菌・抗酸化作用に優れています。これは現代の知識ですが、200年前も、キチンと柿の葉は身体に良いとわかっていたんでしょうね。

 

 柿の葉寿司は、お祭りの時など、『ハレ』の日の食べ物なんですね。

ワインを開ける ソムリエナイフ

  愛用のソムリエナイフでね、ワインをカッコ良く開けたいじゃないですか。そういうパフォーマンスは有りだとずっと思っていました。 

 このブログも今回で201本目なんですが、書き始めた頃から、ソムリエナイフを買うとしたら、やっぱりシャトーラギオールと決めていました。良いなぁとずっと思っていましたが、思い切って買いました。

 

f:id:nwawinescom:20201116002947j:image

リニューW社製、NEW シャトーラギオール グランクリュ スタミナウッド レッド。フランス製。

 

 今回は、ワインを開ける話です。ソムリエナイフやワインオープナーについてです。

 

 ソムリエナイフ

 ソムリエナイフって、たいていは下の写真のような形をしています。

ナイフ キャップシールを剥がします。

スクリュー コルクに入れていきます。

フック 瓶口に引っ掛けて、梃子の原理でコルクを引っ張り上げます。

 

 慣れると割と簡単に開けられるんですが、最初は四苦八苦します。力を入れるポイントがわからないんですね。でも慣れます。ただし、ワインが古く、コルクがやばい状態になっているものは難しいです。

f:id:nwawinescom:20201130235507j:image

 ソムリエナイフを使った抜栓の方法は、Youtubeにけっこう上がっているので、探してみてください。やはり動画はわかりやすいです。

 

シングルアクションとダブルアクション

 ソムリエナイフは、ワインボトルの口に、フックを引っかけて手で押しつけるように固定するんですが、このフックがシングルとダブルのものがあります。

 ワインのコルクの長さによっては、一発で抜けないものがあるんです。その場合、もう2、3回回してスクリューを入れて、残りの部分を引き上げます。これがシングルアクションのタイプです。

 ダブルアクションのものは、フックの引っ掛ける部分が二つ付いていて、一回でコルクが抜けない場合、もう一つのフックを使って引き上げます。

 ダブルアクションのタイプが便利だと言われています。まあ、個人の好き好きです。

 

ワインオープナー

 

スクリュープル

初心者におススメ

f:id:nwawinescom:20201205142110j:image
Le Creuset トリロジー
出典: https://www.lecreuset.co.jp/products-wine.html

 

ウィングタイプ

こういう格好のものです。

f:id:nwawinescom:20201205141734j:image

出典: https://wine.sapporobeer.jp/article/wine_opener/

 

ソムリエナイフも慣れると楽に抜栓ができますが、ワイン初心者から中級ぐらいまでは、スクリュープルなどのワインオープナーを使った方が良いかなぁと思います。

ワインの栓と開け方

 ワインって、栓が閉まっているわけですよ、、当たり前なんですけどね。

 自宅でワインを飲む場合、誰かが何らかの方法で栓を開ける必要があります。今回は、ワインの栓の話で、次回が開ける話です。

 

ふたつの酸化

 ワインは、空気に触れると酸化を起こして、放置しておくと、味わいが劣化してしまいます。この場合の酸化は、多量の酸素に比較的短期間触れることで起きる急激な酸化です。この酸化を防ぐための栓です。

 同じ酸化でも、ワインの醸造や熟成のプロセスで、微量の酸素に長期間触れさせることもあります。木樽熟成がそうですね。木樽は当然、微量の酸素を通しますので、それを利用するわけです。

 同じ酸化なんですが、ワインに与える影響は別物になります。

 

ワインの栓

 ワインの栓の種類を見てみましょう。大まかに3種類に分かれます。

  ○コルク栓

     天然コルク

     圧搾コルク

     合成コルク

  ○スクリューキャップ

  ○ガラス栓

 

天然コルク

 天然コルクは、地中海原産のコルク樫(学名Quercus Siberia )という樹の表皮のコルク層を加工したもので、最大の生産地はポルトガルで、次いでスペインになります。上質なコルクを得る為には、コルク層が育つのを10年以上待つようです。

 

圧搾コルク

 天然コルクに使った残りを、こなごなにして、それを固めたもの。

 

合成コルク

 プラスチックを使います。

 

スクリューキャップ

 スクリューキャップは、ニュージーランド、オーストラリアで多く採用されています。キャップを回して開けるので、ワインオープナーなどの道具は必要ありません。

 

ガラス栓

 ガラスでできた栓です。開け閉めが簡単にできます。ワインオープナーなどの道具を使わずに開けられるので、最近、人気が出てきました。ドイツで普及し始めています。

f:id:nwawinescom:20201204003918j:image

 

どの栓が良いか?

 最近は、スクリューキャップに安物感を覚える人は少なくなりましたが、以前は(今でも?)、高級ワイン=天然コルクを使用、と思っている人達が多かった。確かに、機械を導入すれば、一本あたりの『栓』のコストは、スクリューキャップは低くなりますので、安いワインにまず使われたのが理由でしょう。

 今では、ニュージーランドやオーストラリアのワインのほとんどがスクリューキャップになっています。

 私は、個人的にはスクリューキャップないしはガラス栓の使用が合理的だと思います。理由は、

 1 天然コルクでたまにある『ブショネ』が生じない(ブショネとは、TCRという物質がコルクに発生し、ボトル内のワインの品質が劣化する現象のこと)。

 2 簡単に開けられる。道具が要らない。

 3 ワインを飲み残した場合、キャップを閉めれば、数日は楽しめる。

 

フランス、イタリアやスペインでは、まだほとんどがコルクです。ゆるやかにスクリューキャップないしはガラス栓に移行していくのではないかなぁと思っています。

白ワインの超基本テイスティング

 前回は、赤ワインの超基本テイスティングの方法を説明しました。当然、今回は白ワインです。何回か書いているんですが、ワインは好みのものを美味しく飲めれば良いが基本です。テイスティングは、『できたら良いよねぇ。』ぐらいの気楽さで良いと思います。品種、生産地、ヴィンテージをブラインドで当てられたら、それはそれで格好いいですけれど、そもそもワインの種類はものすごく多いので、そんなことは果てなく難しいです。まぁそれでも、リースリング、ソービニヨンブラン、シャルドネ、甲州ぐらいの基本の品種がわかると楽しくなると思います。

 白ワインも、まず大まかなカテゴリー分けをして、それから絞り込んでいきます。

 白ワインのカテゴリーは、

外観から、

○淡い白ワイン

○濃い白ワイン

に分かれます。それぞれが香りと味わいにより下記の品種に判別できます。

○淡い白ワイン

 ●華やかに香るタイプ 

  ▷リースリング、ソービニヨンブラン

 ●香らないタイプ

  ▷甲州、ミュスカデ

 ●うーむ、日本のデラウェアは微妙に上記から外れています。

○濃い白ワイン

 ●シャルドネ。

  ▷ブルゴーニュ

  ▷シャブリ

  ▷ニューワールド

f:id:nwawinescom:20201130230715j:image

 ご自身でテイスティングを楽しまれる場合、最初は、リースリング、ミュスカデ、ニューワールドのシャルドネでテイスティングしてみると違いがわかるはずです。柑橘系と花の華やかな香りのリースリングと木樽からのニュアンスが強いニューワールドのシャルドネはすぐにわかります。ミュスカデも、独特の甘やかさがあるので、比較的わかりやすいと思います。

 同じ3種のテイスティングでも、ソービニヨンブラン、甲州、シャブリはかなり難易度が上がります。特に甲州は、難しいと言われています。ミネラルがあり、アルコール度数は軽め、辛口ドライなんですが、私も難しいと思います。

 ワインソムリエ・ワインエキスパート試験を受けるので無ければ、テイスティングは楽しい遊びになります。また、ワインの外観、香り、味わいを記憶することになりますので、ワインライフがより充実すると思います。

#ワイン #テイスティング#淡い白ワイン #濃い白ワイン #リースリング #ソービニヨンブラン #甲州 #ミュスカデ #シャルドネ #ブルゴーニュ #ニューワールド #ワインエキスパート #ソムリエ

ピノノワールのテイスティング

 ピノノワールが好き、という方は多いと思います。私の周りにも結構いますね。私ももちろん好きですよ。

 私の周りのピノノワール好きに、「好きな産地や造り手はあるの?」と聞いてみると、だいたいが産地とか考えたことが無いようですが、中には、『絶対にブルゴーニュだ!』や、ニュージーランドのものを愛している方がいます。友人のCAさんは、『ブルゴーニュの村名AOCのピノノワールのものが好みです。』と言っていました。村名AOCは高いっす(笑)。

 実はピノノワールは、産地によって香りやテイストが異なる品種なんです。もちろん葡萄由来のコアなアロマと通奏低音部の味わいは、ほぼ同じなんですが、全体として感じるアロマと味わいは産地ごとに異なりますので、印象に差が出るわけです。

 ピノノワールは、エレガントで高貴な葡萄で、繊細な品種です。また、ボルドーのように数種類の葡萄を混醸するのではなく、単一品種。従って、天候や土壌などのテロワールの影響を強く受けるんです。産地や生産者によって違いがハッキリと出ます。試しに、ブルゴーニュのものとニュージーランドのものを飲み比べてみると、違いがあることを認識できます。

 

ピノノワールの産地

ブルゴーニュ 

 ピノノワールの原産地。穏やかでエレガントなピノノワールが多いと思います。価格は近年高めですね。ロマネコンティは、超有名ですよね。

 ブルゴーニュ内の村、AOCや生産者が異なっても、香りや味わいが異なります。もう隣同士の葡萄畑でさえ差が出ると言われています。水平テイスティングと呼ばれる、同じヴィンテージ、例えば2013年で生産者やAOCによる違いを比較することが実施されるわけです。

 個人的な意見ですが、ブルゴーニュを買う場合は、多少価格(四千円から一万円前後)が高くとも、AOCブルゴーニュではなく、村名AOCをおススメします。価格差以上の違いがあります。

f:id:nwawinescom:20201126171430j:image

ドイツ 

 ドイツでは、ピノノワールのことをシュペート・ブルグンダーと言います。ドイツには、Bestimmtes Anbaugebiet ベシュテメテス・アンバウゲビートという特定ワイン生産地域が13あるんですが、その特定ワイン生産地域のバーデンやアールでシュペートブルグンダーは多く生産されています。

 数種類飲んでみましたが、割と複雑な香り、果実味豊かな味わいで、美味しいです。価格もこなれていて買いやすいと思います。

f:id:nwawinescom:20201126165944j:image

オレゴン州

ここからは、ワインのニューワールドです。

最初は、アメリカ合衆国のオレゴン州です。ウィラメットバレー地域を中心に、ワインが生産されていますが、赤ワインのほとんどがピノノワールです。オレゴン州は、ピノノワールの銘醸地。

 数年前、ウィラメットバレーのワイナリー巡りをしたことがあり、ピノノワールばっかり試飲しました(笑)。果実味のある力強いテイストは、やはりニューワールドのものです。ブルゴーニュとは好対照です。

f:id:nwawinescom:20201126173744j:image

カリフォルニア州

 カリフォルニア州でもピノノワールを造っています。オレゴン州のものより、全体的に力強い、シンプルな直球的なピノノワールが多いようです。コスパは良いと思います。

f:id:nwawinescom:20201126173825j:image

オーストラリア

 昨年、オーストラリア、ヴィクトリア州、ヤラバレーのワイナリー巡りをしました。オーストラリアと言うと、シラーズのイメージが強いんですが、ピノノワールも美味しいです。

 アメリカのオレゴン州のものより果実味と甘味が強いかな。写真のGiant Stepsのものは、エレガントで高貴なワインに仕上がっていました。

f:id:nwawinescom:20201126173927j:image

ニュージーランド 

 ニュージーランドのピノノワールは、かなり特徴的だと思います。ブルゴーニュともオレゴンとも異なる印象です。私は初めてニュージーランドのピノノワールを飲んだ時、最初はピノノワールとわかりませんでした。しばらく香りを嗅ぎ、味を確かめてから、『あぁこれはピノノワールだ。』とわかりましたが、生産国ははっきりしませんでした。

 

日本

日本でもピノノワールは造られています。

昨年、ブルゴーニュのワイナリーの当主が、地球温暖化によりブルゴーニュがピノノワールの生産に適さなくなることを危惧して、函館でピノノワールの栽培を始めたことがニュースになっていましたが、すでにいくつかの地域で良いピノノワールが造られています。

写真の山形県の高畠ワイナリーのピノノワールは、比較的、ブルゴーニュスタイルに近いと思いますが、果実味はしっかりとしています。美味しいです。

f:id:nwawinescom:20201126181640j:image

 ピノノワール世界三大産地は、原産地のブルゴーニュ、オレゴン州、そしてニュージーランドです。上記以外にも、イタリアではピノネロ、チリでも生産されています。昔は、ピノノワールは、ブルゴーニュでしか栽培できないと言われていたそうですが、今では、世界各地のピノノワールを楽しめます。

#ピノノワール #ブルゴーニュ #ニュージーランド #オレゴンワイン #カリフォルニアワイン

#ワイン #テイスティング #ワインテイスティング #赤ワイン #淡い赤ワイン #濃い赤ワイン #とっても濃い赤ワイン #ピノノワール #ガメイ #マスカットベーリーA #カベルネソービニヨン #テンプラニーニョ

赤ワインの超基本のテイスティング方法

 『ワインのテイスティングって、どうやるの?』

という質問を頂きました。ワインを飲んで楽しめれば、それで良いんだが、多少はテイスティングについて知りたいと言うことでした。私も、ワインは美味しく飲めれば、それで良いと思います。

 まず簡単に話しますと、ワインをテイスティングする時、遮二無二飲んではダメで、まずそのワインのカテゴリー分けが必要なんです。とにかく飲めばわかってくるだろうはあり得ません。

 最初にやるべきことは、今自分が飲もうとしているワインがどういうワインなのかを、自分が持っている知識と結びつける作業になります。この作業は、正確なテイスティングの最初の一歩です。この作業を、私はまだ意図的に行うんですが、プロは自動的に考えているようです。

 ここでは、簡単な判別方法を初心者向けに説明しますが、だいたいにおいてですので、全てに当てはまるわけではありませんので、ご理解下さい。アカデミーデュヴァン講師の佐々木先生のテイスティング方法を参考にしています。

 テイスティングは、

 外観→香→飲んで味わう

 の順番で行います。

 今回は、赤ワインのテイスティングです。

赤ワインの場合のカテゴリーは、以下のようになっています。カテゴリー分けは、まず、大きなカテゴリーに分けて、そこから絞り込んでいきます。

 1. 淡い赤ワイン

          ○キャンディ香あり ガメイ、マスカットベーリーA

     ○キャンディ香なし ピノノワール

 2. 濃い赤ワイン

   ○普通に濃い ローヌシラー、オールドワールドのもの)

   ○とっても濃い赤ワイン(ニューワールドの赤ワイン)

f:id:nwawinescom:20201124001534j:image

 最初に、上の4つのカテゴリーのどこに入るワインなのかを見分けます。

 まず外観から、淡い赤ワインなのか濃い赤ワインなのかを判別します。ここで二つに分かれます。

 次に、香りをかぎます。

 淡い赤ワインの場合

 キャンディ香があれば、ガメイないしはマスカットベーリーAの可能性が高い。マスカットベーリーAは、いわゆる葡萄の甘い香りがするのでわかりやすいんですが、ガメイは難しい。

ガメイとピノノワールを香りで判別するのはかなり難しいと私は思います。

 次に味わいます。

香りてマスカットベーリーAだなと思った場合は、薄めの軽い味わいを確認します。ガメイとピノノワールも、ここで判別するんですが、ある程度飲みつけていないと難しいと思います。

 濃い赤ワインの場合

香りだけでは判別が難しいので、味わいます。

アルコール度数に比例する、飲んだ時のアタックの強さと濃さで判別します。カリフォルニアを代表とするニューワールドの赤ワインは、たいがいとっても濃い赤ワインでアルコール度数も高め。フランスのローヌシラーに代表されるオールドワールドのものは、ニューワールドに比べて、あっさりしていて、アルコール度数は中程度です。

 なお、ボルドーの赤ワインは、この判別方法とはまた別のテイスティング方法が必要ですが、それはまた別の機会に。

 ワインをオンラインショップや試飲しないで買う場合、例えば、カリフォルニアワインのカベルネソービニヨンでしたら、とっても濃い赤ワインだと考え、そういうワインが飲みたいのでしたら、価格が折り合えば購入してみる手ですね。とっても濃いではなく、多少濃いめの赤ワインが飲みたいのでしたら、ローヌシラーやスペインのテンプラニーニョを選んだ方が無難になります。

 自分が飲みたいものから探す場合と、ワインに出会った時、それが自分が飲みたいワインなのかを考える場合に有効に使える方法だと思います。

 次回は、ピノノワールのテイスティングを説明します。ピノノワールは、地域による差がありますので、その差を中心に説明致します。

#ワイン #テイスティング #ワインテイスティング #赤ワイン #淡い赤ワイン #濃い赤ワイン #とっても濃い赤ワイン #ピノノワール #ガメイ #マスカットベーリーA #カベルネソービニヨン #テンプラニーニョ

 

パリスの審判、ミステリー?

 時は1976年5月24日。場所はパリのインターコンチネンタルホテル。カリフォルニアワインとフランスワインの戦いの火蓋が切って落とされました。テイスティング対決。これを現代版のパリスの審判と言います。結果を先に言いますと、白ワインも赤ワインも一位はカリフォルニアワインでした。

 米仏のワインのテイスティング対決が何故ギリシャ神話のパリスの審判に例えられたのでしょうか。パリス君の審判とパリParisでの審判を引っ掛けた、ジャーナリストが考えたオヤジギャグということなんですが、穿った見方をすれば、ワインテイスティング対決とギリシャ神話の共通項がもう一つある可能性が。

 パリスの審判の審判は全員ワインのプロのフランス人でした。常識的に考えると、アメリカ人も審判に入れるか、フランス・アメリカ以外の国の人間を審判にすると思うんですが、そこはさすがフランス人で、フランス人のみを審判にしました。

『最近、カリフォルニアのワインがなかなか良くなってきているそうだから、チョット飲んでやろうぜ。』

のノリでのテイスティングだったと思いますよ。あくまでフランス人は上から目線。

 でも一位はカリフォルニアワイン。

 考えてみて下さい。ワインのプロのフランス人が、ボルドーワインとカリフォルニアワインを見分けることができないのは、おかしいですよね。こういう状況で、フランス人の審判が何故にカリフォルニアワインを一位に選んだか。ちょっとしたミステリーです。私は二つの可能性を考えます。

 二つの可能性には、一つの前提があります。

 『フランス人審判は、当然フランスワインとカリフォルニアワインを見分けられた。』です。ワインのプロなんですから、外観、香り、味わいから、当然見分けられたと思います。

一つ目の可能性

 フランス人審判は、違いをわかっていたのだと思いますが、美味しいと思った方を勝ちにした。たとえそれがカリフォルニアワインでも。この可能性をとると、さすがフランス人、美味いものには正直、パチパチパチ👏となります。

二つ目の可能性

 それは賄賂です。ギリシャ神話では、パリス君に賄賂が提示されました。ワインのテイスティング対決がパリスの審判になぞえられた理由も、これなら腑に落ちませんか。単なるオヤジギャグではなかったわけです。

 これは私の推測です。こう考えると楽しいですよね。実際には、アカデミーデュヴァンの創始者かつパリでカリフォルニアワインも扱っていて、パリ在住のアメリカ人を顧客に持っていた、スティーヴン・スパリュア氏が、アメリカ建国200年、バイセンテニアルの記念イベントで考えたことなので、賄賂は考えづらいかなぁと思います。リターンマッチも要求していますしね。このパリスの審判は合計で3回行われました。なので、2回目以降は可能性ありますね。

f:id:nwawinescom:20201120041455j:image

 一位が赤白ともにカリフォルニアワインという結果にフランス側は文句を言いました。いいですか、フランス人の審判が決めた勝ち負けなんですよ。その結果に、フランス人、イチャモンをつけたんです。往生際が悪いですよ。いわく、フランスワインは飲み頃ではなかった。まあ一理あるっちゃああるんですが、それなら熟成したワインを出したら良かったじゃん、です。1976年ですから、30年は無理でも20年ものは出せたと思います。まあ、あくまで推測ですが。

 今から考えると笑えますが、フランスは一位をカリフォルニアに取られて、青くなったと思います。だって、経済や産業では既にアメリカには遠く及ばないわけですから、文化のシンボル的なワインで負けるわけにはいかないでしょ。それでリターンマッチ。

 リターンマッチは、フランスワインの代表と思われていたボルドーが熟成を迎える10年後と30年後に行われましたが、これもまたカリフォルニアワインの勝利でした。フランス、勝てないですね。何故でしょう? 賄賂のアイデアがチラつきますね(藁)。

 パリスの審判。得したのは誰か。結果をみると、

 1. カリフォルニアワインが世界的に認知されました。なので得したのは第一に、カリフォルニアワインサイド。

 2. 主催したスパリュア氏のワインショップとワイン学校も流行ったでしょうね。

 3. 地位に胡座を描いていたフランスワインサイドにも、良い刺激になった。

    現在では、ニューワールドのワインは品質も良くコスパも高いので、私達のデイリーワインではお馴染みです。フランスワインも、パリスの審判でダメになったわけでもなく、相変わらず高い人気があります。ボルドーワイン美味いですし。

 こう見てくると、ワインのテイスティングイベントは、やはりマーケティング活動ですね。賄賂はマーケティング費用(笑)。国際テイスティングイベントに出品されるレベルのワインは、通常、私達の口には滅多に入るものではありませんから。

パリスの審判、黄金のリンゴ一個からトロイア戦争

  最近、『パリスの審判』についての質問を頂いたので、私は一回ブログで書いてはいるんですが、加筆する形で再掲したいと思います。

 パリスの審判と聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょう? 

 ギリシャ神話という方もいらっしゃれば、カリフォルニアワインにフランスワインが敗北したワインテイスティングを思い浮かべる方もいらっしゃると思います。

   何事にもオリジナルを大切にする私は、まずギリシャ神話のパリスの審判を説明したいと思います。

 ちなみにギリシャ神話のパリスの審判は、格好の絵画のモチーフらしく多くの有名画家がパリスの審判という題名の絵画を残しています。中でもルーベンスのものが超有名ですね。

f:id:nwawinescom:20201118133641j:image

    ギリシャ神話のパリスの審判は、簡単に言うと三人の女神のうち誰が一番綺麗かを羊飼いをしていたパリス君に決めさせようという話です。三人の女神とは、ヘーラー、アテーナー、アフロディーテー。事の始まりは、不和の女神のエリスが、やっぱり不和は結婚パーティーには不向きだよね、ということで、神々の結婚パーティーに一人だけ呼ばれなかったことにあるんですね。不和の女神エリスは除け者にされたことに激怒して、「最も美しい女神へ」と書かれた黄金のリンゴをパーティー会場に投げ込んだんですよ。この黄金のリンゴ一個からトロイア戦争が始まるんですから、ギリシャ時代は怖しいですよ。

 黄金のリンゴが投げ入れられると、この三女神が「最も美しい女神は私でしょう」と出てきて、収拾がつかなくなったのでゼウスの一声でパリスの審判になったんです。ここで疑問は、なんでいっかいの羊飼いが審判なのかですよ。ふつうは有り得ないでしょう。別に職業の貴賎を申しているわけではなく、王様とか王子様とか投票になると思うんですが、そこはギリシャ神話、うまく作ってあります。実はパリス君、誕生の時にいろいろあって捨てられたトロイア王の息子、そうトロイアの若君だったんですね。なんつーか、面白くもなんともない、うまくできすぎた話ですなぁ。

    三女神さんは、パリスに賄賂を贈るわけですよ。ヘーラーは、アシアの君主の座。アテーナーは、戦いの勝利。アフロディーテーは、最も美しい女。この時点で、どの女神が美しいかではなく、どの賄賂が良いかにすり替わっています。結局パリスは、アフロディーテーを選びました。やっぱり美女かよ。この時、パリスには奥さんがいたんですよ、ちゃんと。

 問題は、最も美しい女です。誰だったかというと、ヘレネーさんという人妻。ヘレネーさんの旦那はスパルタ王のメネラーオスなんです。パリスは、ヘレネーを連れ去るんですが、当然、スパルタ王は激怒します。妻を返せということになりますが、パリスは返さない。それでトロイア戦争が始まったという話です。さすがギリシャ神話! ですね。

    このパリスの審判になぞらえたのが、1976年5月24日にパリのインターコンチネンタルホテルで行われたカリフォルニアワイン対フランスワインのテイスティング。次回は、現代版ワインのパリスの審判です。

ストレスに赤ワインが効くかも?

 昔、ストレスが溜まっていた頃(今でも溜まってはいますが)、マンションのエレベーターに1人の時は、中で思い切り叫んでいました。そのうち一階の掲示板に、貼り紙が。
「夜中におかしな声がすると苦情があり、原因を探っていますが、未だ判明していません。住民の皆様にはご迷惑をおかけしております。」
そりゃわからなかっただろう。声が1階から7階まで移動していくんだから。今となっては懐かしい思い出ですなぁ😄

 と、前振りというか導入部が終わったところで、ストレスとワインの話をしやう。

 仕事のストレスや家庭でのストレス。ストレスいっぱい。けっこうたまるよね。ストレス発散に大声で叫ぼう! は有効な手立てだけど、他人に迷惑をかけることにもなるかも。じゃあ酒かってなことになって、深酒をすると逆効果らしいですよ。やっぱり酒か!で飲み過ぎれば、精神にも肉体にも、どうもうまく無い。外出自粛によるストレス解消目的での飲酒は役に立たないどころか、ストレスを更に増幅させかねないと、世界保健機構WHOも言っているしね。

 酒は適量、せいぜいワインをグラスに一杯か、日本酒の一合程度が良い塩梅だろう。それで酔えるかっての、という話じゃないんだなぁ。酔っ払って、一時的にストレスの素を忘れることができるかもしれないが、あくまで一時的な話で、明日の朝には、たいてい元の木阿弥。

 なので、グラス一杯の酒で、何とかならないのかという話です。ストレスをリリースする為に、今夜、グラス一杯だけ酒を飲むとしたら何が最適なんだろう? そりゃあ、赤ワインだろうという話があります。最新の研究で、赤ワインの摂取と腸内環境の改善が関連付けられているんだそうです。

f:id:nwawinescom:20201118012334j:image

 キングス・カレッジ・ロンドンの研究によると、赤ワインは腸内細菌叢の多様性をもたらすらしいんです。腸内細菌叢は、メンタルヘルスも含めた人間の身体の健康の重要なファクターだからなんですね。良く腸は第二の心臓って言うじゃあないですか。ほんじゃあ、赤ワインをたくさん飲もうっていう話じゃぁないんで。この目的を達成する為には、グラス一杯で充分なんだそうですよ。まあ、この説が正しいかどうかは正直わかりません。酒が少量でも身体に悪いのは、何人もの医者が言っています。酒に強い弱いもあります。飲むか飲まないか。飲むとしたら適量は? 結局は、自分で決めるしかないんですね。

 私個人としては、楽しみにワインを適量飲みたいな、飲んで欲しいなと思います。あくまでもスマートに飲みましょうよ。そしてもしストレスが少しでも軽くなれば、めっけもんですよ。

#ストレスとワイン #ワイン #赤ワイン 

甘味- 東京の味、京都の味、大阪の味

 今回は、東西の甘味の違いについて考えるんですが、私の味覚の好き嫌いについて、先にお断りしておきますと、我が家は父方、母方ともに代々江戸と東京です。母方のひい婆さんが京都の生まれ育ちなので、母親の舌にはやはり京都の味が残っていまして、子供の頃の我が家の家庭の味は、東京の味と京都の味が混ざっていました。父は完全に東京の山の手で、母は基本的に東京七割、京都三割ぐらいの味になっていたわけです。一応、味覚はハイブリッドです(笑)。そのせいか、甘味については京都・大阪(京都と大阪では、これも違いがあるんですが)の方が好きです。

 何故こんな話をするかと言うと、味、味覚は、育ちの影響が大きいからです。子供の頃、どんな味のモンを食べてきたかによって、味覚というか、味の好き嫌いが決まってくるわけです。

 例えば、東京の山の手の味は、一言で言えば『しょうゆ』の味ですね。基本的に何にでも醤油をかければ食べれるというのが、多くの根っからの東京人です。代々東京の山の手に生まれて育った人間は、だいたいこういうタイプになります。また、下町の方で顕著なのは、かなりキツめの甘辛い味。甘ジョッパイと言うんですかね。東京風の稲荷寿司を食べるとわかりますが、実に甘ジョッパイ味が濃い。私は、実はこの濃いめの味付けが苦手です。関西風の稲荷寿司の方が好きです。

 今回のテーマは、和菓子の『あんこ』の味。東京、大阪、京都の味の違いを考えてみたいと思います。この三都市では、明らか甘さの塩梅が異なります。あんこに代表される和の甘味は、塩梅つまり塩や砂糖の配合バランスによって味が決まりますので、伝統的な和菓子の味の塩梅は、決まっているわけです。

f:id:nwawinescom:20201112122018j:image

栗蒸し羊羹二種(鍵善良房と甘泉堂)

 こういうことがありました。大阪に喜八洲(きやす)という和菓子屋があります。大阪に何件かあるんですが、本店は十三。私は、ここのぼた餅やきんつばが好きで、大阪出張があると買って帰ります。この喜八洲のものを、一度、私の部門にお土産で持って行ったところ、あまり受けませんでした。たまたまですが、部員の多くが北関東と福島、東京の下町の出身者でした。そこで、3人ぐらい呼んで、味について正直なところを聞いてみました。

 『美味しいとは思うんですけど、何か物足りない。』

 『塩っけがもう少しあったら。』

やはり、東京風というか関東風は、甘味も塩味も濃いめの方が好みに合うようです。

f:id:nwawinescom:20201115221429j:image
f:id:nwawinescom:20201115221434j:image

大阪十三の喜八洲の花ぼた餅

 東京のあんこと関西のあんこの違いは、あんこ研究家の姜 尚美さんの書かれているように、塩気だと思います。東京人は昔から塩気が多くて甘味も強い味が好きなんですね。これは、私の小中高の友人の嗜好が、塩と醤油、砂糖による甘ジョッパさにあることからも、正しいと私は思います。

 私、個人的には、東京、京都、大阪、それぞれ美味しく頂いています。  

 東京では、日本橋のうさぎ屋のどら焼きや赤坂菊野の最中、虎屋(もともとは京都)の夜の梅などは大好きです。

 大阪の和菓子は、京都よりも庶民的な味わいがあって美味しいです。

 京都は、好きな和菓子屋が多くあり、鶴屋吉信、鍵善良房、甘泉堂、嘯月、亀屋伊織などは、京都に行くと買い周ります。

 東京、京都、大阪。どちらの味が好きか言え、と言われれば、京都の和菓子の味の方が好きですと答えます。理由は、老舗ではない街の庶民的な和菓子ですと、京都のものが一番好きだからなんです。(東京のしょうゆのダンゴは別物で大好きです。これはみたらし団子とは違います。)

 甘いものを食べているときは、やはり幸せな時間です。

#京都の和菓子 #東京の和菓子 #大阪の和菓子 #和菓子 #あんこ