ワインと食、そして旅 -WINE, DINE & TRAVEL PILOT

ワインエバンジェリストによるワインと食と旅のブログ

本直しと柳蔭

たまに時代小説なんかを読むと、江戸の居酒屋で「直し」を注文するシーンが出てきます。 「直し」ってなんだろう? 酒には間違いなさそうですが、飲んだことないし。 「直し」とは、「本直し」のことで、京大阪では、「柳蔭」と呼ばれていました。「本直し」…

室町時代の酒

今回は、清酒の話です。 奈良の今西酒造の三諸杉という純米酒が好きなんですが、中でも「菩提酛三諸杉」を気に入っています。菩提酛三諸杉とは、室町時代の醸造法の「菩提酛造り」で醸した酒です。 「菩提酛造り」は、清酒発祥の地として有名な奈良県にある…

プリミティーヴォとジンファンデル

今夜飲んだワインは、ワシントン州のチャールズスミスワイナリーのCASA SMITHシリーズ、プリミティーヴォ(Primitivo)でした。 プリミティーボ、あまり馴染みは無いですか。このプリミティーヴォ、カリフォルニア州ではジンファンデルと呼ばれています。カ…

江南の春と吉野の初夏

5月も半ばにかかり、東京は初夏に近くなってきました。梅雨入りまで、光あふれ風薫る季節が続きます。気持ちの良い太陽の光の中、風に纏わりつかれて、うたた寝しつつ過ごす午後は幸せを感じます。お供に冷やしたロゼワインがあるとなお良いなぁ。 この季節…

アルゼンチンワイン

アルゼンチンと言えば、まあ最初に思い浮かぶのは、タンゴですよね。アルゼンチンタンゴ。数日前にもNHKのクラシックTVという番組で、アストル・ピアソラの特集をしていました。バンドネオンの音がロマンを誘って良かったですよ。 さて、アルゼンチンのワイ…

野性、土着、ローカルワインの楽しみ

ワイナリーに行くと、垣根仕立てであろうが棚仕立てであろうが、下の写真のように、ブドウは整然と栽培されています。栽培されているブドウですね。 高畠ワイナリー それでは野性のブドウはというと、見たことはあまりない。本来、ブドウは森林地域にはえて…

人生は幻というけれど

古来から人間の仕事には、成功や失敗がつきもののようで、一喜一憂しますよね。出世、降格、栄転、左遷。長い人生色々とあります。 唐代中期の詩人に白居易という人がいます。字が楽天なので、白楽天という名前でも有名な方です。白居易は詩人で有名ですが、…

後醍醐天皇と吉野神宮

タイムマシンで過去に戻れるとしたら、どなたに会いたいですか? 私は、持統天皇と後醍醐天皇にお会いしたい。尊敬するとともに、たいへん恐縮ですが、好きなお二人です。身分が違いますので、タイムマシンで過去に行けたとしても、お会いするのは、まあ無理…

大神神社- 若宮神幸祭

奈良の大神神社は、崇敬神社として折に触れ、参拝させて頂いています。 4月9日、午前に春の大神祭、午後に若宮神幸祭がありました。私は、時間の関係で若宮神幸祭だけ参加というか見物させて頂きました。感謝です。 若宮神幸祭は、本来ならば、下の写真の…

いちご狩りは楽しい!

歩くとタッポンタッポンとお腹の中で音が。これ、いちごの果汁の音なんです。いちご狩りで、30分間、あすかルビーという品種のいちごをひたすらに食べまくりました。70個ぐらいまではカウントしていたんですが、その後はカウントを忘れました。おそらく…

吉野山の白山桜

「敷島の大和心を 人問はば 朝日に匂ふ 山ざくら花」 本居宣長さんが、ご自身の心の変化について述べた歌なんですが、この山ざくら花は、吉野山の白山桜だそうです。山ざくらを見て、『あぁ、美しいな。』と思い感動できる心の持ち主でありたい、宣長さんご…

伏見稲荷大社にたどりつけない?

世の御多分に洩れず、勤め人である私は、会計年度末のゴタゴタに巻き込まれて、ブログの更新もできず、ゆっくり落ち着いてワインを飲むこともかなわず、バタバタと3月が過ぎて行きました。 4月に入り、ようやく落ち着いて来たところで、外せない用事があり…

キャンティとキャンティクラシコ

今回は、キャンティというイタリアのトスカーナ州のワインの話なんですが、キャンティと名の付くワインは、キャンティとキャンティクラシコの2種類があって、今回、私がお伝えしたいことは、名前はキャンティと付いていますが、キャンティとキャンティクラ…

奈良の酒

ここのところ奈良に縁がありまして、それは神社のご縁だったりするのですが、当然、飲み食いも発生するわけで、地の飲み物と言うと、日本酒になります。 奈良県は農業県で、野菜や果物が種類も多く、高品質のものが多い。道の駅ならぬ「まほろばキッチン」と…

吉野の山桜

今年も桜の季節がやってきます。毎年、奈良の吉野に桜見物に行きたいと思うんですが、未だ果たせずです。吉野では、日本古来の白山桜を中心に約200種三万本の桜が見られるそうです。 出典 吉野町ホームページhttps://www.town.yoshino.nara.jp/kanko-even…

人は同じように感じない 伝える技術 

エバンジェリストやエバンジェリズムをご存知ですか?私が長年勤めてきましたアメリカ系外資のIT関連企業では、エバンジェリズムが重要とされています。 エバンジェリストとは、もともとはキリスト教の伝道者を指す言葉なんですが、現代の米国のIT業界では、…

雪をかき分けスープカリー

旭川は雪です。その雪をかき分けて、スープカレーを食べに奥芝商店旭川亭に行って来ました。 奥芝商店は、札幌発祥のスープカリー専門店で、札幌、旭川など北海道内にいくつか店舗があり、北海道ではかなりの有名店です。ランチタイムは混み合うので、時間を…

赤玉ポートワイン

子供の頃、赤玉ポートワインというのがありました。もちろんアルコールが入った酒なので、飲んだわけではないんですがね。親が寝酒に飲んでいたようなんです。 この赤玉ポートワインは、日本独自のもので、ポルトガルのポルト港から出荷される酒精強化ワイン…

胆石は嫌になるほど痛い

十年ほど前のある日、突然お腹と背中が痛み出して、我慢ができなくなり、友人の医師のところにかかった。とにかく死ぬほどの痛みで、まさに七転八倒とはこのことかと。エコーをしたりCTを撮ったりした結果、胆嚢結石との診断。紹介してもらった大学病院で、…

真っ黒黒ビジュノワール

私もつい先日始めて飲んだんですけど、ビジュノワールというブドウの赤ワインがあります。ビジュノワールは、『黒い宝石』という意味のフランス語で、実際のブドウも黒ブドウという表現に相応しい黒々としています。 出典 https://mobile.suntory.co.jp/wine…

北海道のワイナリー: OcciGabiワイナリー

旭川のイオンのイオンリカーに行くと、『道産ワイン』のコーナーがあり、北海道産の日本ワインがかなりの種類並んでいます。これを見ると、「あぁ、北海道はワインの産地なんだな。」と改めて思ったりします。 北海道のワインは、白ワインにドイツ原産の葡萄…

Tre Bicchieri 2021 トレビッキエリ

イタリアのミシュランと言うと失礼にあたると思いますが、イタリアのグルメガイドブックと言えば、Gamberorosso ガンベロロッソ。レストランガイドなどイタリアのグルメに特化しています。そのガンベロロッソは、毎年、VINI D'ITALIAというイタリアワインを…

ボルドーのブドウ新品種

このところの気候変動によりフランスワインの産地で、従来のようなブドウの栽培が難しくなってきているという話を最近良く聞きます。 フランスワインの代表的な産地のボルドーも、この問題を抱えており、対応策として、ボルドーにとって新しいブドウの品種を…

サン・ヴァンサン祭

ブルゴーニュで毎年一月末に行われる祭りがFete de la SAINT VINCENT TOURNANTE。サンヴァンサン祭。今年(2021)は、中止となり来年に延期になりました。 サンヴァンサン祭りは、ブドウ栽培者やワイン造りをする者の守護聖人のSaint Vincent サンヴァンサン…

新しいブログのお知らせ

長年グローバルビジネスの環境で働いてきて、色んな国々に行ったり住んだりして、いつの間にか時が経ち、今では後輩達からビジネスや異文化コミュニケーションに関連した質問に答える側に回ってしまいました。 私も未だ発展途上ですので、こうした後輩達の質…

黄龍玉液と湖南料理

湖南料理というカテゴリーが中国料理にはあって、わたし個人的には最も好きな料理の一つ。長く香港の洞庭樓という店を気に入っていたんですが、閉業してしまった。同じく気に入っている台北の彭園台北館は、営業していると思うが、残念ながら今は行けない。 …

ケガの思い出

数年前、品川駅の階段から落ちて、数カ所ケガをした。だいたい怪我をするのは20年ぶりで、前回、つまり20年前も品川駅の階段から落ちて左脚くるぶしにひびがはいって回復に一か月程度ようした。怪我をすると心も折れるようで、誰かにゴロにゃんともしたく…

お高いワイン

あまりこちとらには関係ない話なんだが、世の中には、恐ろしく高〜いワインがある。高〜いって、つまり値段が高いのね。それこそ一本一千万円以上するものがある。 一本一千万円ねぇ、まあ希少価値なんでしょうが、ぶったまげますよね。いったい誰が飲むんだ…

涙 琉球のワイン

涙と書いて『なだ』と読みます。琉球のブドウを使った沖縄県産の日本ワインです。 沖縄県でワインを造っていることを知識として知ったのが約半年前。ワインエキスパートの試験勉強で、日本のワインについて書かれたテキストを読んだ時に、『北は北海道から南…

日本ワインはお好き?

あけまして おめでとうございます。 令和3年もよろしくお願いします。 正月なので、日本ワインの話を総花的にしやう、と思います。正月と日本ワインね、関係あるような無いような。単に正しい日本の正月からの連想ですね。 日本のワインと言うと、日本に住…